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評価指標の開発小池 それで、高齢者施設の施設健康度指標を作ったのですね。どのように評価指標を作られたのか詳しく教えてください。湯澤 評価指標の開発にあたって、CASBEEなどの建物の品質の評価に関する知見をお持ちの千葉大学大学院工学研究院の林立也准教授に相談しました。施設管理者の意識や現在の課題を確認することが基本であろうということになり、林先生に高齢者施設の施設管理者に対して施設の室内環境に関する意識調査をお願いしました。100室以上の規模の高齢者施設約450施設に調査票を送付し、約130施設から回答が得られました。75%の施設が、「室内環境を適正に維持することが施設の価値になる」と回答するなど、評価指標の必要性を確認することができました。次に、高齢者にとって好ましい室内環境や、室内環境と疾病予防に関する文献調査を行いました。日本建築学会を始め様々な組織や学識経験者から、疾病予防の点から好ましい室内環境の基準値が報告されています。健康面から室内環ウェルケアガーデン深沢:内観3境を適正に維持するためのポイントは3つあります。1つ目は、室内環境を調整する機器を設置することです。例えば、冬の室内湿度を維持するためには加湿器が必要です。2つ目は、機器を適正にメンテナンスすることです。適正にメンテナンスされていない加湿器は機能を発揮しないどころか、ウィルスの発生源になりかねません。そして、三つ目は、適正な室内環境が維持できていることを計測して状態を確認することです。評価指標では、①機器の設置状況、②メンテナンス状況、③計測データの3つから施設の状態を100点満点で評価します。

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