VIEW124 Oct 2019
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旅する研究員中国八大古都の一つであり、世界遺産である「西湖」を擁する街として知られる杭州。古き町並みが広がる一方、アリババの発展による都市のスマート化が進んでおり、最先端技術を取り入れた魅力も感じました。杭州は、13世紀には世界最大の都市でもありました。西湖を中心として発展してきたとても美しい場所です。わたしのおすすめは西湖の春夏秋冬、古都の時代から続く美しい景観です。この美しさを作ったのは「自然の恵み」より2000年から西湖周辺で始まった三つのポイントからなる都市景観の再生計画です。1つ目のポイントは「安い西湖、高い都市」の方針の基にすすめた都市全体の価値向上です。西湖周辺観光スポットの無償化、ゲートの撤去、周辺地域を含めて一体化したランドスケープ、都市再生計画などの建築保存計画を整備しました。2つ目のポイントは2019年に承認された新しい世界遺産「良渚文化村」です。ここでは、一つのデベロッパーが主導し、20年所員が出張で訪れたまちをご紹介します7の開発を通じて、美しいまちづくりと共に「村民公約」などの地域文化を推進し、住民参加型のまちづくりを実証しました。ここには、日本の建築家安藤忠雄氏の作品もあり、杭州の桜の名所になっています。3つ目のポイントは都市のスマート化です。アリババ本社を擁する町として、中国の代表的なスマートシティとなっています。様々な先進技術に目移りしますが、町の中にいると技術による楽しさや町の利便性も味わえます。このように杭州は先進的なIoT技術が町と共に成長し、「古都」に新しい価値を与えています。范 理揚|はん りよう研究員エネルギーの面的利用が専門ですが、近年はスマートシティ計画に多く携わっています。本文に紹介できませんでしたが、海外業務のもう一つ楽しみは訪れた地域の「食」。その中で最もおすすめなのは勿論「中華料理」。世界中の「中華」はファーストフードから高級レストランまで色々な種類があって、多くはその地域の食文化に合わせて「再生」されています。「本格」でなくとも「はずれ」でもない。「個性」を主張しながらの「受容性」は「中華」の特徴ではないかと感じています。西湖の春安藤忠雄氏の作品と桜の祭アリババのショッピングセンターのデータ活用無人レストランで働いているロボット西湖の冬IoT技術と共存する世界遺産の町 杭州Research Field

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