view126 Apr 2020
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札幌地下歩行空間での取り組み杉原 組みはどのようなものですか?吉本 札幌駅からすすきの駅の間に地下歩行空間があります。ここで、ポイント付与などの仕組みを活用して、歩きたくなる仕組みが歩行者の行動に与える影響を把握する実証実験をしました。事業は、札幌市・つくばウエルネスリサーチ(以下、TWR)・日建設計総合研究所(以下、NSRI)を中心としたメンバーで、筑波大学・久野譜也教授に政策指導をいただいて実施しました。札幌市では、既に健康ポイントの実証実験を行っていましたが、久野先生やTWRのこれまでの知見を基にした「札幌版健幸ポイントシステム」を新たに導入し、歩きたくなるまちづくりに向けた取り組みとしました。このシステムでは、単に歩数を計測するだけではなく、健康状態の改善、公共交通の利用や地下歩行空間の来訪頻度に応じてポイントを付与するという工夫がなされています。札幌は、冬は寒いので歩くのが億劫になってしまいますよね。その点、地下歩行空間は、冬でも寒さや雪を気にせずに歩くことができるので、歩行増進には良い場所です。歩きたくなるまちづくり杉原 割は何ですか?吉本 歩行者の移動データとイベントや店舗立地等の都市データを基に、歩行・回遊行動を促進するための都市空間の分析・計画手法「スマート・プランニング」について検討します。杉原 討をするのですか?健康をキーワードにした札幌市の取り札幌市の取り組みにおけるNSRIの役構築したモデルで、今後どのような検左|吉本主任研究員 右|杉原研究員具体的には、このポイント実験で得られたモニターの位置情報を利用して、ポイントシステムによって移動・滞在等の行動がどの程度変わるか予測するモデルを構築しました。また、あわせて歩行空間沿道におけるイベント空間や休憩施設の設置が滞留行動に与える影響についても検証しました。インタビュー2健康スマートシティICTを活用した歩きたくなるまちづくり−健康で幸せなライフスタイルの実現を目指して−札幌市では、健康長寿社会の実現を目指す上で、少子高齢化に伴う将来的な医療費増加への対応や、働き世代や若年層における健康意識向上の必要性が課題になっています。そうした中、“歩行増進”による健康的なライフスタイルの実現を目指した取り組みを進めています。Interview

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