view131 Jul.2021
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近年Park-PFI(P-PFI)が制度化され、官民連携による公園の運用が始まっています。従来、日本の公園は子どもの遊び場であり、大人の居場所にはなりえていませんでしたが、誰もがゆっくり過ごせる舞台になるような公園ができ始めています。日建設計総合研究所(以下、NSRI)「公共空間イノベーション(PSI)ラボ」では、P-PFIや官民連携事業を通じ、公園や広場、街路空間などの公共空間の利活用に取り組んでいます。山田では、どのような取組みをしているのですか。小川地方自治体と民間事業者、双方の視点を持って、道路や広場など、今まで素通りしていた公共空間に賑わいを生み出すお手伝いをしています。大きく3つのフェーズに分けられ、第1段階は基本計画等でまず何をやるか決めるフェーズ。第2段階は、整備事業など具現化のフェーズ。第3段階は、施設完成後に、しっかりした維持管理により施設の水準が保たれているかチェックする運用フェーズがあります。日建グループ内にも、道路空間や広場等を含めてデザイン、設計、更には運営を手掛けるチームがあり、協力して新たなビジネス分野の開拓に取り組んでいます。南池袋公園、大阪城公園の事例は広く知られていて、自治体も公園活用への関心が高いのですが、こうした取り組みがどこでもできるわけではなく、例えば地価が高くて商業性の見込める場所等、事業者の参画による整備が可能なケースは、条件が限られてしまうのが実情です。山田大規模な公園と児童公園では、公園としての活用パターン、利活用の仕組みが異なるのですね。諸隈インタビュー2が主体になる場合と、自治会などの地縁組織が主体になる場合があります。中心市街地で事業性も見込める場所が注目されていますが、商業地ではない郊外で同様のケースが簡単に成り立つわけではありません。事業者の収益が期待できない公園であっても、公園の活性化は周囲の住宅地の価値を上げる行為にもなるので、公共の負担による再整備も検討すべきではないかと考えています。小川カフェは人気がありますが、すべての公園にカフェが必要なのではなく、その場に合わせた機能を見極めることが重要です。最近では、公園内にアパレルメーカーやメガネショップも進出しています。様々な業種が公園でのビジネスを考えており、そうした人たちを繋ぐのが我々の役割になっていくと考えています。山田ことがきっかけになるのですね。小川自治体とは、最初に公益性と収益性の公共空間イノベーション(PSI)ラボ公園の維持管理は、大別すると事業者小川 主任研究員 民間投資は、人が集まり、経済が動く公共空間のイノベーションと パークマネジメントInterview

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