view131 Jul.2021
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としまみどりの防災公園 IKE・SUNPARK「イケ・サンパーク」(東京都豊島区)interview3どちらを重視するかを一緒に考えます。それにより取組む内容が大きく異なってきます。公益性の向上ならば、より人が集まる場所になるための投資が重要になります。山田公益性の向上を重視すると、短期的な収益には繋がりませんが、中長期的には、賑わいが生まれ、収益性の確保にもつながるのではないかと思います。諸隈自治体にも両方の考えがあり、公益性に触れながらも、経済性も求める面もあるようです。自治体による小さな公園の再整備の仕組みに着目し、ニューヨーク(NY)市のコミュニティパークスイニシアチブ(CPI)という児童公園を活性化するプログラムの研究をしています。NY市は公園に特化した公園局があり、専門性を持ったスタッフが公園の整備や管理運営の計画に携わっています。日本の自治体のように定期異動があり長期的に一つのプロジェクトに取り組むことが難しい状況では、できることが限られる面があるのかもしれません。収益性により運営ができない小さな公園への公共投資の必要性を認め、また市民の側も、維持管理の一翼を自分たちが担うことを認める必要があるかもしれません。小川行政も民間も、公園という一つの敷地の中だけを考えて進みがちです。我々は、公共空間の活用に当たっては、もう少し俯瞰的に、公園を含む周辺エリアの価値の向上や、地域全体の活性化というまちづくりの観点を常に持つよう心がけています。それが長期的な活性化に繋がると思います。諸隈 主任研究員山田市民としての使い方への関与、行政のあり方を含め、長期的な政策に取組む背景が育まれていないという指摘には納得します。

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