今年1月、日建設計総合研究所(NSRI)の新所長に石川 貴之が着任しました(日建設計執行役員と兼務)。石川所長はNSRIの設立間もない2008年に日建設計から転籍し、10数年にわたって当社役員を担当。3年前に日建設計に転籍し、近年は新規領域開拓や共創活動に取り組んでいます。NSRI草創期から今後の展望まで石川所長に聞きました。聞き手は、新入社員の岡野 遼太朗 研究員、北口 滉大 研究員です。低炭素都市を実現するために誕生したNSRI石川まず設立時のことを少し話しましょう。2000年代に「低炭素都市の実現」が都市づくりの大きなテーマとなり、日建設計もこのテーマに積極的に取り組むべく、当時の開発計画部門と設備設計部門でそれぞれ行政計画や環境系のコンサルティングを担当していたメンバーが集まって生まれたのがNSRIです。北口テーマをどのように受け止めたのでしょうか?石川当然、環境系のメンバーはその波が来ていることを実感していたと思います。一方、長らく都市開発に関わってきた私には、開発と環境負荷低減の両立は難しいという固定観念もあり、当初は戸惑いもありました。しかし社会が予想外の速さで変化し、環境への取り組みがコストから投資へシフトしていったことで、私自身の認識も変り、低炭素型のまちづくりなど、新しいビジネスモデルに取り組む意識が高まりました。NSRI設立当時のメンバー石川 貴之 所長当時の皆さんは「低炭素都市」という岡野ていったのですか?石川低炭素都市の実現に本気で取り組むには、国の政策立案にコミットしていく必要があります。環境部門は旧知のエネルギー企業を通じて政策提言を行っていましたが、設立当初、中央省庁との人脈が希薄だった都市部門は、国のプロポーザルに参画するも連戦連敗でした。模索の中で学んだのは、都市開発コンサル業務における民間企業との協業で築いてきた我々の知見を活かすことです。行政と同じ目線に立ちつつも、官民がWIN-WINの関係となる政策を自分たちで企画提案するという行動体系を日々の活動に組み込むようになってから、次第に受託も増え、業務も軌道に乗ってきたように思います。3,000人の日建ファミリーがいる北口してのプライドのようなものを常に感じます。会社としては、どのように実績をつくっ先輩たちと話していると「日建人」とインタビュー2石川貴之 新所長に聞く!これまでのNSRIをその先へInterview
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