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第128回都市経営フォーラム

まちづくりにおけるゼロエミッション技術の実践

講師:竹林 征雄 氏
(株)荏原製作所エンジニアリング本部
ゼロエミッション事業副統括・理事


日付:1998年8月26日(水)
場所:後楽国際ビルディング・大ホール

 

 1.開発の背景

 2.検討課題等のフレーム

 3.エコインダストリアルパーク事業構想

 4.構成要素の体系


 5.開発フレーム

 6.フリープラン住宅と建築計画

 7.都市基盤システム

 8.生態系と生き物およびライフスタイル

 9.計画の評価と事業展開スケジュール

10.課題と展望

   フリーディスカッション





 荏原製作所の竹林でございます。
 私が所属しているところは、ゼロエミッション事業統括という部隊がございまして、今現在125人という部隊でございます。全社で約5000人ほどおりますが、その全社員と関連の会社を含めて、私どもは、これからメーカーであり、エンジニアリング会社である会社がどうやって生き延びていくかといったところを探ったときに、1つやはりきちんとした理念が必要であろういう形になり、ゼロエミッション概念を社のコンセプトにし、それを生かした今後の事業展開の1つを話します。普通はゼネコンさん、もしくは不動産関係の方々がやられるような地域開発と申しましょうか、私どものは地域開発というよりも、ミニミニ団地でございますが、それをなぜ建設するに至ったかという話題を提供いたしまして、皆様方からお話を承れればと考えて、きょうは恥をかきに来たということでお許しを願ってお話を進めていきたいと考えております。


1.開発の背景

 それでは、早速OHPを使いましてお話を申し上げます。

 〔OHP1:技術の発展とエネルギー消費量〕
 まず、第1番目といたしまして、どうして私どものようなメーカーというか、環境総合エンジニアリング会社が地域開発まがいのことをやるかといった背景から話す必要があるかなと思っております。
 今問題になっております地球環境ということの中に、特に炭酸ガス問題、温暖化ということで見てみますと、ここに出ていますような、昔は原始人の方は、1日にわずか2000キロカロリーという形で、食べるだけのカロリーがあればよかったという状況かと思います。そういう時代が長く続いたわけです。だんだんと化石燃料の消費量が上がってきております。ここに原始人とか、狩猟人とかいろいろ書いてございます。1840年〜1850年ごろから急速に産業人という形で、シーメンス、ワットといったいろいろな技術が出てきた。そういう技術を使い、相当なエネルギーを使い出したという事になります。
 今現在は大体この棒グラフでわかりますように、1人当たり消費量が1日に約22万キロカロリーぐらいのエネルギーがないと生きていけないという形になっております。さまざまな技術が出て、労働力も、馬とか牛に頼っていたものを機械に、機械を動かすにはやはりエネルギーがという形になり、さらに快適なクーラーの入った部屋でということになりますと、どんどんこれが上がってくる。しかし、この油も有限なわけでございます。技術の進歩とともに、燃料の消費量がふえて、1人当たりのエネルギー量もふえてきているということでございます。

 〔OHP2:最終エネルギー消費の内訳(1995年度実績)〕
 炭酸ガスにだけ注目する、つまりエネルギーに注目するということですから、これはまあ常識的な話ではございますが、95年ベースでございますが、日本はエネルギーとして原油換算で約3億9000万キロリットルという油を消費しています。産業部門は約50%というのがおわかりいただけるかと思います。ここの産業部門では、鉄鋼とか化学、その他もろもろの製造業で使われています。
 家庭部門におきましては、14%の5500万キロリットル、これはお風呂とか暖房とか厨房、冷房に使われているわけです。それ以外は、大体車関係です。
 産業の方は、2度の大変なオイルショックを経験いたしておりますので、油の消費量の削減に大変これ努めてきているわけです。この50は、まだ少し下がっていくだろうと思います。そのかわりに家庭部門が大変ふえている。これは市民の生活が大変豊かになってきて、大きな住宅に住み、全館冷暖房なんていう住宅も出てきている。そういうことで、建物に関するところも非常に大きいのではないかと思います。つまり、生活をするということの場面で、さまざまなエネルギーが使われ始めていると考えます。

 〔OHP3:家庭で可能なCO2 削減シミュレーション結果(斎藤教授)〕
 小さな一戸建てということで考えまして、東北大学の斎藤先生が計算しておるのですけれども、家庭で可能な炭酸ガス削減シミュレーションのモデル家庭を設定いたしまして、この場合、東北大ですから、仙台ということで、4人家族で3LDK、厚さが50ミリの断熱材を使った家。石油ファンヒーター、エアコンといったものを使う。車も1800CCのものを持っている。こういう形でシナリオを3つほど考えられています。どんなシナリオかというと、消費電力の少ない機種にかえた場合とか、断熱材の厚さを50から150に変えたり、家電の待機電力をゼロにしようとか、お風呂の残り水を使おうとか、こちらの方にまいりますと、太陽光といったものを使ってみる。そういう風にするとどうなるかという試算がされております。

 〔OHP4:CO2 削減シナリオ〕
 そうなりますと、これだけ下がってくるわけです。シナリオは、1番、2番、3番、現在がここです。大体2万1000メガカロリーぐらいです。炭酸ガスの排出量として、年間7940キログラム。これが先ほどのシナリオに従っていくと、ここまで下げられる。こういう一戸建てでも、かなり努力をすればこういうことになるので、団地でやっていったらどうなるかというのが私どもの考え方だったわけです。

 〔OHP5:主要金属の可採年数(1990年現在)〕
 その前にもう1つ、くどいようですけれども、主要金属の可採年数が、鉛を初めといたしまして、金、錫などが表に出ております。可採年数が21年という数字が鉛はもう出ております。金が24年。今までどおりのペースで採掘したらということです。鉄鉱石が250年〜260年です。つまり、石炭も油も、こういう鉱物も全部有限であるということになるわけでございます。

 〔OHP6:グローバルトリレンマ〕
 今「グローバルトリレンマ」という言葉があろうかと思います。地球の環境を保全しながら、資源をできるだけ子孫のために使い延ばしをする。それでいてなおかつ今現在の豊かな暮らしを保ち、経済も発展させる。それぞれが全部相矛盾した事柄だと思います。しかしながら、矛盾しているのですが、何らかの形でこれを克服していかないと、安全で豊かな生活ができていかないということで、私どもの会社としては1つの解決の道がゼロエミッションと考えています。そういうことができるならば、持続可能な発展というところにもたどり着ける可能性があるのではなかろうかと思う次第でございます。

 〔OHP7:社会の変革〕
 こういうことをやるためには、やはり社会も変わっていかなければいけないのだろうなという気がしております。産業と都市、それから技術の特性、経済、経営、社会規範、倫理的な問題も含めて。環境倫理は、これからさらに一層大事になってくるわけでございますが、これまでは大都市化と大規模工業化ということであったわけですが、これからはエコポリスという形で適正規模の農業とか工業とか住宅とのバランスのとれたまちづくりというものが必要。これまでは、ゾーニングという言葉で、ここは工業地帯、ここは住宅地帯という形で、かなり離れて住む場所、工業の建設場所が定められていた。これは私どもとしてはちょっとまずいのではないかと考えてきているわけです。

 〔OHP8:循環型社会形成のための取り組みのイメージ〕
 つまり、何を言いたいかと申しますと、先ほどのような形で、使い延ばしをして、さらに1回使ったものをもう1回リユース、リサイクルということをしていかないといけない。そういったときに、物の移動の距離が短い方がエネルギーを食わないじゃないか。そういうことで、工業も住宅も商業業務地区もそこそこに近間にあって、農業も場合によっては隣にあり、それで物とか水とかエネルギーをカスケード利用する。カスケードというのは、滝が下へ順番に流れるようにということで、レベルの高いものから低いところへ。そういう形でできるだけ使い切るという方向性が必要なのではないかと思います。
 循環型社会の建設ということを考えた上でまちづくり、私どもの場合には、まちづくりの中のまたさらに地下に入っていますインフラでございます。荏原製作所はそういうものに非常に深くかかわっているのですが、私どもはそこまで考えてやっていったらどうなっていくのだろうかということで考えております。
 産業界におきましては、原料を採取しまして、製造をする。製造をするとき出てきた排エネルギーなり汚水なりをもう一回再利用する。材料でもかまいません。そういう形で徹底的に使い回しをしながら、今度流通販売にいく。
 流通販売にまいりましてから、そういうときにも製品に関する情報を伝達しながら、一番経路の短いやり方、輸送法はどういうものかと考えながら、梱包材も環境の面を考えながらやっていく。使用されるときも、使用者側はもう一回何らかの形で、ちょっと壊れたからということで、ラジカセを捨てる、ステレオを捨てるということではなく、何かの形で再生利用するなり、部品を買い増してもう一回使えるようにするという形になろうかと思います。
 それでもダメだねというときには、収集輸送されて、もう一回再資源化される。この再資源化のときも、できるだけ中古品で使う。リユース。それから、一回ばらして部品で使うということで、リサイクル。もう一歩いきますと、鋳つぶして素材に戻して、もう一回こういうところに突っ込んでやる。それがどうしてもかなわないというときには、熱という形、エネルギーという形で回収しましょう。こういう輪の形成が考えられています。もちろん製造するときも、私どもメーカーはできるだけ原材料の使用量、エネルギーの使用量を極限まで徹底的に詰めて、こういうOHP投写器をつくるときも、2キロのプラスチックを使っているのだったら、1.8キロにするという形になっております。それが最近のメーカー関係の動きになっております。
 ですから、できるだけ循環の輪を、製造の部分でも、使用の部分でも、どうしても廃棄物として出てきたときも、先ほど申し上げましたような、ちょっと手直しをして中古品にならないか、もう一回部品で使えないか、素材で使えないか、どうしてもダメであれば、燃やすとか、ガス化溶融炉という新しい形で、発電なり、熱という温水なり蒸気という形で使う。どうしてもしようがないものだけ最終処分する。こういうイメージになっております。
 このイメージを都市の構造の中、地域のまちづくりの中で生かすことができないだろうかということを私どもは考えているわけでございます。

 〔OHP9:調査フロー〕
 私どもは、そういったことをやるためにということで、調査のフローをつくりまして、地域の条件の整備をし、開発のコンセプトを「やっぱり大切だね」ということで、まずコンセプトとか基本フレームを決めまして、それから都市構造というものを検討し、デザインというところに入っております。そのデザインの次に来るのが、インフラの関連の検討、循環系、建物に関しての循環、インフラに関する循環、生き物に関するもの、ライフスタイル、情報関係、工事の方法みたいなものを詰めまして、環境調和型、こういったものの視点で、どうやったらそれを評価することができるか。計画をしても、評価をするすべがないとダメだということで、事業化計画を行い、環境調和型手法の課題の整理といったようなことをやってまいりました。

 〔OHP10:環境調和型社会における新環境産業〕
 先ほどちょっと「ゼロエミッション」という言葉が出ました。それを少し説明しておきたいと思います。これまでのバブル時代までは、こちらのエンド・オブ・パイプ・アプローチという形かと思います。エンド・オブ・パイブですから、パイプがありまして、パイプの入り口に原材料が入り、エネルギーが入る。このパイプの中で物が生産される。生産される過程の中で、いろいろな排熱、排水といったものがでる。それがパイプの一番端っこから出てきます。その端っこから出てきたものを一方的に処理をして出すのが、公害型といいましょうか、エンド・オプ・パイプ・アプローチ。出たなりのものを始末をするということだと思います。
 そういうことになりますと、環境負荷が非常にふえます。次はゼロエミッションというのが、ここ4〜5年の動きかと思います。これは物の生産、製造業だけの話ではなく、生活においても、先ほど来、くどいようですが、まちづくり、都市をつくるというときも、工業団地をつくるときも、次の考え方をするならば、少しでも環境負荷が低減できるのではないかと思っております。
 市民も産業もそれぞれが連関し合いながら、一方が出してきたものを引き取って、原材料なりエネルギーなりにかえて使おうということになります。ですから、臨海部で鉄鋼業があって、温排水が出た。そしたら、それをちょっとした公園で隔てた住宅団地があれば、そこへ24時間四六時中50〜60度の温水が配れる。今それをわざわざ海水なり何なりで薄めて、温度を低くして放流している。その結果として、またトラブルが出てきたり、取水口のところに貝がいっぱいくっついてしまって、その排除のためにお金がかかるということになっているわけです。もしくは、すず入りのペイントを塗るということで、それがまたトラブルのもとになるということになります。
 家庭におきましても、工場におきましても、できるだけ何らかの形でもう一回使い回しをしようよという形をとりながらも、どうしても家庭ではダメだねといった、例えば、マンションの方の生ごみは腐敗もしますので、そういう意味合いでは、行政がかんで、それでコンポストなりメタン発酵なり、ガス化溶融なりという形にして、そのエネルギーなり何かを農業の場、次の何か使えそうな工場に渡す形になります。
 少し概念を広く、ゼロエミッションアプローチというよりも、オリエントということで、できるだけ排出物を、環境負荷をゼロに近づけるようにすることかと思います。もう少し概念を広げますと、地球環境をできるだけかえない。そういう概念のものであれば、まあいいじゃないかと私どもは今とらえて仕事をしております。

 〔OHP11:荏原コンセプトの変遷〕
 ちょっと宣伝めいて申しわけないのですが、私どもは、1912年、ポンプメーカーということで、水を送るポンプを生産していた。それから、空気をつけ加えて、水と空気、戦後は環境関係と食糧関連のプラントものをやってきた。今現在の私どものリーディングコンセプトは、これまで申し上げましたゼロエミッションに関すること。今4500億の売上、5000人の会社という形になっております。
 ポンプとか冷凍機とかファンとか焼却炉とか、ごみ関係、水関係の機械の単品を製造し、さらにそれをエンジニアリングをしておさめているという会社でございます。



2.検討課題等のフレーム

 〔OHP12:エコインダストリアルパークの検討課題のフレーム〕
 次に入りたいと思います。検討課題のフレームということで、これも小さくて申しわけないのですが、後ほど事務局さんの方にコピーをお渡ししますので、見ていただければと思います。
 私どもは、エコインダストリアルパークという、工場に隣接した住宅をこれから建設するわけございますが、そのときに、マネジメントシステムがやはり大切かな。都市の経営とか、そういう言葉もございますし、今回も「都市経営フォーラム」という場なわけですが、工場なり会社を経営するのと同じようにやはり市民も参画し、住まい手も参画して、これからはどうよりよく環境負荷の小さい町をつくるかという考え方をして町がつくられるのではないかと思います。
 そういう意味合いで、マネージングの中身は、代謝基盤システムということで、エネルギーとか水とか廃棄物といったものをどうハンドリングして負荷を小さくしていくかという代謝系。それから、産業構造ということで、町の中には、ちょっと大きくなれば、産業が必ずあるのですから、工業生産がどうなっているのか。それから、都市構造自身が、住宅とか道路とか公園とか緑地とか、都市開発と言われると、普通はこの部分だけがクローズアップされるわけでございますが、これも並びの中の1つという形で、住宅、道路、公園、緑地、河川を含んだ都市構造。
 それから、生態系ということで、生き物、自然環境。ため池があったり、何か小さな生き物がいたりという生物の関係。
 それから、ライフスタイル。こういうものもやはり町をつくるときに考えなければいけないだろう。節水、省エネ、リサイクル、こういった人の心がけによってインフラ部分が変るものもあろうかと思います。その心がけでまた町のあり方、部屋の中の構造、そういうものも変わってくるのではないかと私どもは考えているわけです。
 代謝基盤系統に今申し上げた4つの都市構造、産業構造、ライフスタイル、自然生態系を合わせた5つをどうバランスをとって、どう上手にマネージングをしていくか。こういう事柄が都市開発なのではないかなと勝手に私どもの会社としては思っています。
 それにまつわりますところのいろいろな問題点があろうと思います。ここに出ているのは、自立型で循環系の代謝基盤とはどういうものか。供給処理インフラというのは、どんなものを入れていったらいいかというのがずっと書いてあります。
 それから、例えば工業と農業の連携もあり得るのではないか。そういうのはどういうケースの場合なのだろうか。潤いとか安らぎとかアメニティ設定というのは、どういうものを指すのだろうか。エコ的なマネジメントというのは、どんな管理が考えられるかという事柄。
 評価ということでは、LCAが主体になっておりますが、LCCでコストとか、環境負荷とか、こういったものだけでいいのだろうかということを当たってきております。
 こういう事柄を考えながら、フレームづくりを行ってきたということです。



3.エコインダストリアルパーク事業構想

 〔OHP13:定義〕
 エコインダストリアルパークというのは、定義的には、「環境共生型(調和、保全型)住宅工業タウン」のことです。基本的には、都市の施設と産業系といったところのエネルギー、水、資源の循環を柱とする環境負荷が小さくなるようなものと私どもはとらえております。スタンドアローンで工業団地だけがある、住宅団地だけがあるのはやはり異様ではないか。どうせなら、やはり働く人にとっては工業団地と間近に公害の問題がなければ、すぐ近くに住宅があった方が通勤にもいい、エネルギーコストも安い。隣に農業があってもかまわないですね。温排水が出れば、20度ぐらいもあれば、真冬に大型の温室でトマトなり、いろいろな作物が安いコストで生産されるわけです。そういうものを私どもはイメージしております。
 ですから、エネルギーとか水とか、そういったものを使い回しをしよう。使用時のレベルは工業と農業では違う。住宅系でも違う。じゃ、それを何とか上手にうまく組み合わせられませんかということでございます。ですから、エコロジカルな工業系と、パークというのは、農業なり住宅、こういったものの連携ということでとらえてみたいということで、エコインダストリアルパークというのを私どもは言っております。

 〔OHP14:エコインダストリアルパークイメージ図〕
 漫画という形では、ゼロエミッションのイメージはこんな形で、この真ん中をゼロエミッションセンターということで、何らかの形で、農業なり住宅等をつなぐ役割のもの、バインダー役。センターで、また工業があれば、工業と農業の間で何かエネルギー、水をやりとりできないだろうか。そういう事柄を私どもは考えております。

 〔OHP15:構想の基本理念(一般解)〕
 一般解でございますと、エコインダストリアルパークは、私どもは理念といたしまして3つほど考えています。都市代謝基盤システムを自立型で安定型で循環型にしていく。そうすることで、よりエコ型の産業構造、都市構造が実現できるだろう。神戸の大震災がありましたが、例えば、関東でそういった目に遭ったとしても、3日なり4日なりは自立型で、ある部分が壊れても補完し合いながら、そこで生活ができる構造。環境に優しいような生活の実践。こういう事柄は人の心の中の問題です。ですから、ライフスタイル。このライフスタイルは、どんなものであればいいか。これは強制することはできないわけでございますが、ハードだけに頼ることは無理だろうと思います。ソフトで少し前進、一歩進むかな。ライフスタイルの変換があれば、もう少しエコ的なものになっていくのではないかと考えております。

 〔OHP16:荏原の循環型社会構築シナリオ〕
 私どもは、藤沢に53ヘクタールほどの工場があるわけでございますが、ここの中では、主力工場はやはりポンプでございます。大体40ヘクタール近くは、ポンプと冷凍機、ファン、それから半導体関連の生産で、約2500億ぐらいの売上げの工場です。その一角の中に社宅がございまして、約6ヘクタール。あと残りはスポーツクラブみたいなものですとか、工業緑地があるという構造です。
 エコインダストリーですから、私どもは社宅は狭い6ヘクタールで、築三十数年たっていますので、そこをやり変えよう、やり変えるならここの場を使いながら、エコロジカルな町をまずつくってみよう。その後に、このポンプ工場もゼロエミッション型に変えよう。現在インドネシアからタイを初め、イタリア、スペインと、主力ポンプ工場生産の年間60万台が海外の方へ移っているわけです。この藤沢工場で50万台です。ですから、本工場もいずれはマザーファクトリーということになっていこうと思います。そうなるといつまでも今の形態の工場ではよくない。ゼロエミッション型を考えながら、工場も全部やりかえていく。冷凍機も上海のそばに工場がもうでき上がって、そちらの方へかなり生産が移っている。ボイラーもそうです。構造が全部変わってきます。
 そういうことで、ポンプの方もちょっと考えていきます。こちらもエコロジカルなゼロエミッション型の工場に切りかえながら、こちらの方の住宅系も先行的にゼロエミッション型の団地をつくっていく。それで、双方が協力し合うものはないかという考え方をしております。
 この地域、6ヘクタール自身をLCAにかける。つまり、屋久島でございますと、1つの小さな島でございまして、小さな地球村とも今いわれております。要するに、船でしか物資は入ってこない。お米は全部鹿児島とか宮崎から持ってこられる。じゃ、何トンのお米が屋久島に入るか。エネルギーも、もちろんあそこは石油はないわけですから、石油が何キロリットル島に入ってくるかというのも全部つかめるわけです。つまり、物資の出と入りがすべてわかる。それをLCAにかけるというのと同じ考え方を私どもの6ヘクタールに、どれだけのガスや電気が入り、どれだけの水が入ってエネルギーが使われるか。その結果として、炭酸ガスをどれだけ出すのか。6ヘクタールにマンションを何棟か建てると、どれだけのコンクリートが使われるのか。そういうものを全部計算して100年間それを使ったとしたらどうなっていくかということをやってみよう。それが環境的に、コスト的に、ライフサイクルでどうなるかということをやってみようというのがエコインダストリーの私どもの考え方になっております。

 〔OHP17:藤沢エコインダストリアルパークにおける「事業の目的」〕
 先ほどは一般解と言いました。藤沢という土地が決まりますと、これは一般解ではなく、今度は特殊解になるということで、事業の目的は大体こんなようなことで考えております。この辺は大したことはありません。

 〔OHP18:藤沢エコインダストリアルパークにおける「事業の意義」〕
 「事業の意義」というのは、私どもの勝手な思いですけれども、大体5つほどの事柄をちょっと考えて、私なりに意義づけをしてやっておる。メーカーが、エンジニアリング会社が、株主に対してなぜこんなことをやるのかということのために書いたわけです。



4.構成要素の体系

 〔OHP19:基本構想の体系〕
 次は、構成要素の体系をちょっと話しておきたいと思います。
 藤沢という限定された6ヘクタールの私どもの会社の中の土地を有効に生かしていったときに、どんな基本構想を持とうかということで、ソフトと面とライフスタイルの面はきょうはちょっと省きます。本来は、ハードがあって、代謝系といいましょうか、ここに書いてありますような代謝基盤系があって、それからライフスタイルとかエコマネジメント・情報関係、こういったものが全部一体になって初めてエコインダストリアルパークが形成されるのですけれども、ちょっとポイントを代謝系に置いてみます。
 代謝基盤システムということでいきますと、エネルギー、水、廃棄物・大気という構造になろうかと思います。普通の住宅団地、多摩でもどこでもそうでございますが、山を削って造成して道路をつけて、ガスが来て、水道が来て、電気が来て、極端な言い方で大変恐縮ですが、コンクリートのマッチ箱がバーッと建っている。後はせいぜい大型の都市であれば、焼却施設をつける。もしくは、ごみの空気輸送ぐらい。あとは下水の配管、下水の処理設備ということで、町ができ上がっている。
 その都市代謝基盤システムという中で、私どもは炭酸ガス量なりエネルギーをできるだけセーブしていかなければいけない。そういう観点からするとどうなるかということで書いてあるのが、これだけのものになるわけでございます。
 一例だけ言いますと、太陽光発電を使う。これはどちらでも最近やられ始めております。それから、燃料電池によるコジェネを使う。これはまだちょっとこれからではないかと思います。コジェネをやりまして、そのコジェネからの熱でもって温水回収をして、温水を24時間四六時中供給する。それから、私どもはガス化溶融炉という次世代型の廃棄物の処理のプラント開発をいたしました。藤沢工場にそれを20トン/日という約2万人分のごみに相当するものを毎日処理をする設備をつくっております。
 そこで廃棄物をガス化いたしまして、そこからの熱で温水をつくって、これから説明しますところの約1500人ぐらいの住宅の方へ供給する。多分温水が余ってしまうと思います。すぐそばに野菜市場、老人ホームがあります。そういったところに市と協議して供給する。カロリー当たり何円という形で販売を考えております。
 それから、住宅の方では、真空下水を取り入れます。そういたしますと、腐敗しやすい生ごみをディスポーザーで砕きながら少量の水で真空によって引きます。飛行機の中のトイレと同じ真空型のものです。それで生ごみだけを集中的に集め、それをメタン発酵という形でメタンをつくって、それで発電し熱を回収するということをやります。それが少し変わっているところです。
 トイレも同じように真空で引いてしまいます。そうすると、一たんトイレの水を流しますと、古いものですと12リッター、今の新しいものでも大体7リッターぐらい。真空でございますと、大体2リッターで済む。水もこれからさらに価格が上がっていくと思います。水はどこでもあふれているわけではございませんので、だんだん上がる方向にいく。
 そういったさまざまなものを節約する。エネルギーをできるだけ食わないような方式をとる。出てきたものは使い回しをする。そういう設備みたいなものをごった煮と言われればそれまでですけれども、一回は実地に入れてやってみよう。それでデータをつかんでみて、これはやめ、これはもうちょっと改良しよう、これはいいんじゃないかなという形で選別をしていこう。そういうことを私どもはやろうと今考えてきているところでございます。

 〔OHP20:事業の目標設定と目標達成のあり方〕
 事業の目標設定と達成のあり方ということは、こういうフローチャートを書きながら、私どもは考えてやっています。一番右に書いてありますようなハード、ハート、ソフト。こういったところの研究は非常に大切だし、これが一体的にやられてない。これもバラバラにやって、それをつなぎ合わせるということでは、おそらくうまくいかないだろう。これを全部統合的にやって初めてどこまで炭酸ガス量なり、エネルギー量なりを削減できるか。こういった考え方が必要なのではないかという考え方をしております。



5.開発フレーム

 〔OHP21:エコインダストリアルパーク 藤沢プロジェクトフレーム〕
 実は、このプロジェクトを始めたときに、私どもは知恵がないものですから、京都大学の内藤正明さんというかなり環境面ではうるさい先生を頭にいたしまして、早稲田の永田先生、これは廃棄物関係、エネルギー関係、阪大の森岡教授、この方は大体環境関係です。あとは、東大の花木先生ですとか、そういったかなりいろいろな方々に入っていただいて、実は1年半ぐらいかけて毎月研究会を持って、今のような形でまとめてきているということでございます。
 ライフスタイルということでは、初代の環境庁の地球環境部長をやられた加藤三郎先生、その方々に依頼しながら。それから、ビオトープ系ですと、東大の武内教授にということで私どもは始めた。それの途中の経過を今お話をしているということです。
 この次、エコインダストリアルパークの「藤沢」という地名の決まったところでのフレームという形では、さっき申し上げましたような形で、第1期として住宅系の6ヘクタール、その後に2010年を目指して工場を全部ゼロエミッション型にやりかえる形になっています。
 大体内容的にはこれぐらいの戸数のもの、想定人口としては1800なのですけれども、今は市といろいろな交渉をしておりますが、ちょっと過密過ぎるということで、1500〜1600人になりそうです。

 〔OHP22:主要鉄道路線図〕
 場所的には、みんなおわかりかと思いますが、藤沢がございまして、小田急線が走って、東海道が走っていて、この辺という形で、藤沢バイパスのすぐそばで、最寄りの東海道の藤沢駅から、車ですと15分ぐらいと結構あります。小田急線ですと、藤沢本町、善行という1つ目、2つ目の駅から、やはり15分〜20分ということで、かなりある場所でございます。大体1時間から1時間15分ぐらいあれば、東京と新宿と両方出られる場所でございます。富士山も見えますし、丹沢、江ノ島、それから相模湾が全部見える約40メーターほどの高台にある場所と思っていただければと思います。
 これは藤沢市の地図でございますが、慶応大学、日本大学といったところの近く、それから、湘南台というかなり大きな文化的な設備の整った町が今あります。できるだけ近隣と連携しながらと考えております。

 〔OHP23:写真〕
 私どもの53ヘクタールの一部しか写っておりませんけれども、ここが私どもの工場でございまして、ここがテニスクラブといいましょうか、スポーツクラブ。この脇の赤いところが大体6ヘクタールの場所という形になっています。工場関係はこの辺にずっとございます。一角だけつくってやってみよう。
 それから、ガス化溶融炉という次世代型のごみを燃やすのではなく、燃料ガスを回収する設備がここで稼働しています。こことリンクさせる。老人ホームがこの辺、この辺に青果市場ができております。
 赤く囲った部分を開発しようということです。この辺は斜面緑地になって、これは崩さないことになっております。

 〔OHP24:写真〕
 今のをもう少し角度を変えますが、ここが道路でございまして、こちらに先ほどの廃棄物のガス化溶融炉がございます。ここは斜面緑地という形で、大体標高50メーターぐらいです。今考えている配置は、ここの青い四角の部分、ここは太陽光パネルを載せた住宅です。集合住宅です。この辺は屋上緑化をする。こちらの斜面からずっと上がってまいりますが、こちらが大体低層の建物、こちらが少し中高層のものという構図になっています。広場が3つありまして、広場は全部雨水で、せせらぎが流れていて、真ん中の大きな広場はビオトープとせせらぎがある。ここはエコセンターということで、国内、海外の方々に実習、研修、いろいろな視察に対応できるようなところ。それからまた、ここの住民の参加によるいろいろな催し物、エコロジカルな教育をここでもやることになっております。
 ここに画いてありますのは、緑のテラスですとか、散歩道ということで、緑道も考えてあります。この辺は全部一帯が斜面緑地になっておりますので、その辺にプロムナードをつくる。この辺も温室とクラインガルテンもどきのものを設置しようと考えております。
 駐車場は、ここに1カ所だけしかありませんで、半地下の中に、全部で大体600台ぐらいのものは入れると今考えております。車もできるならば、1戸に1台という形ではなく、本当ならば、カーシェアリングということで、ドイツでかなりやられておりますが、20軒とか30軒に1台車を持つ。予約をして、今度の土曜日の午前中はAさんの家で、午後からはBさんの家が使う。場合によっては、主婦の方が隣近所何人かで一緒に乗り合わせて買い物に行く。そういう構図が今とられ始めています。そういうものもここで実験ができないか。
 車も巡回型のものを出しまして、駅がちょっと遠いので、朝晩は住宅の方が駅までをガス自動車、もしくは電気自動車で行く。駅に着きますと、社員が来ていますから、そこの社員を乗せて、今度は工場に下ろして、こちらの方を回ってまたというピストンないしは巡回型というものをちょっと検討を今しております。こういう配置で考えています。

 〔OHP25:ZERO EMISSION PROJECT 配置図(全体完成時)〕
 次は、住宅はどんな建築を考えているかというところにお話を移したいと思います。



6.フリープラン住宅と建築計画

 〔OHP26:住棟計画の考え方〕
 住宅の考え方は、私もこういうものは専門ではありませんで、全くの機械屋なのですが、エネルギー、水といったものの消費を少なくするような手法、断熱材の関係、それからいろいろなパッシブ型の技術を導入したい。それから、もちろん高耐久な躯体とプランの変更が可能な機能ということです。利便性の高いもので、エコ的なライフスタイルをできるだけ誘導する。エコエコエコと言うと、窮屈なものになります。ですから、ハードとかソフトがライフスタイルの変換をそっと後ろから手で支えてやる、そういう雰囲気のハードなりソフトなりというものになるような仕掛けが必要だろう。そういう技術が必要だろう。そういうところまで考えてやらなければと思います。
 そうはいいながら、かなり難しいことで、答えはまだ半ばというか、まだ3分の1もいっていない。今はまだ継続して少しそういったところを当たっているというのが状況でございます。

 〔OHP27:環境保全要素と住宅へのニーズの関連〕
 環境保全要素と住宅へのニーズということでは、こんなような図になるのだろうと思います。資源保全、廃棄物の抑制、自然調和、温暖化防止、汚染防止、それからここに出ていますような健康とか快適性、利便性、コストといったものに対して、真ん中に書いてありますような長寿命でリサイクル建材でごみの処理機械とか雨水を利用するとか、屋上、場合によっては、壁面緑化、複層ガラスを使うとか、シックハウスとか、こんなのは当然の話でございます。こういう形になろうかと思います。

 〔OHP28:フリープラン住宅の目的と各要素技術の相関図〕
 そういうものを少し整理すると、どんなような構図になるかということで、「環境負荷の提言」が命題でございますので、それを幾つかのカテゴリーに分ける形になりますと、5つほどに分けて、その5つで、どんな技術が出てくるかということがここに書いてございます。鉄骨造の躯体でやったらどうなるか、ボイドスラブ構造とか、カーテンウォール式の壁にしたらどうかとか、多目的なバルコニーをやったらどうなるか、屋上の緑化、バルコニーの緑化をやったらどうなるか、二重の床にしたらとか、トレンチゾーンをつくって、床と床の間を狭くしてやる方法はあるかないか、こういったこと。それから、勾配のない排水システムはできないだろうか。そういったことをやってきました。

 〔OHP29:藤沢エコインダストリアル構想〕
 住宅系の構成要素ということでは、簡単に申しますと、まずフリープラン住宅で、高断熱化、それから全戸給湯を24時間四六時中している。それから、電力も省エネ型はもちろん、節水型の循環型のもの、真空トイレ、ディスポーザーを使ってのメタン化、コンポスト化、エコライフとデータの収集の検証ができるようにと考えています。
 もう1つここで書いてございますが、SI住宅は御存じかと思います。スケルトン・インハウスとか、サポート・インハウスということで、躯体を 100年もつものにということで、私どもは今計画しています。平均的に言えば、日本のマンションなり何なりは、40年間ぐらいということでつぶしていると思います。ゼネコンさんは困るかもしれませんが、しかし、2割なり3割やはり高くなるだろうと思います。それでも 100年の方が、エネルギーも資源も使う量も節約ができるではないか。LCC、LCA的に非常にいいのではないかという考え方をしております。
 ですから、躯体はきっちりしたものを作って、外壁もちょっと手当てをすればいつの時代でも美しいもので済むようなもの。中の85平米なり何なりの空間は、時代に応じて、住み手側の好みによって中を変えていく。私どもはあるメーカーと組んで、壁とか床、収納壁を、そういう構造で考えてきております。そういうものの結果として、やはり真空トイレがいいとか、ディスポーザーを使ってという形になってきております。
 
 〔OHP30:藤沢エコインダストリアルパーク〕
 大体ここに出ていますように、5万平米ぐらいの延べ床ということで今考えております。

 〔OHP31:空間の構成全図(計画案B9〕
 先ほどの配置で大体おわかりかとは思いますが、こちら側は斜面緑地、真ん中に1本大きな基軸の道路をつくる。広場を3カ所設けた。この両側に住宅を配置する。これはもちろん一戸建てではございません。
 賑わいのイベントの広場ですとか、自然とビオトープの広場とか、遊びの広場。それから、風の道というものも考えよう。保全緑地はもちろん、緩衝領域をつくりましょうということを考えております。中央部には、緊急時以外車は入れないことになっております。ですから、こちら側にも道がありまして、そちら側は全部アプローチをするということで、今市と大体合意に達し始めています。
 それから、ヒューマンスケールと空間のバランスということで、この建物の両側の真ん中の空間がどれぐらいあれば圧迫感がなくて、なおかつ1つの町を感じさせるか。部分的には、屋上にこういう緑化設備を設けたいという形で考えております。
 夜と昼では風の向きが違うわけですけれども、海岸地帯なものですから、こちら側も海岸の方から緑の斜面緑地を伝って風が上がってくる。そういう風をどういうふうに上手に利用するか。太陽の向きがどういうふうに変わっていくか、それに応じた建物の配置をしよう。できるだけ化石燃料、電気を使わないでパッシブ的にやっていこうということで、建物も庇の長さですとか、ベランダの大きさですとか、そういうものを考えております。

 〔OHP32:土木的な話〕
 それから、小さな話ですけれども、例えば、北側のところには土を部分的に一階の部分に盛ってみたら、温度の変化がどうなっていくだろうかといったこともちょっとやっています。

 〔OHP33:中高層の建設計画〕
 ここに出ていますようなソーラーパネルは、さっき申し上げましたような中高層棟には全部載せる。緑化可能なベランダを、今申し上げましたような形で全部載せてみよう。建物によりましては、開放的なライトコートという形の構造のものも考えよう。1階の部分は、専用の庭ですとか、道路のところにはパーゴラをつける。駐車場は1ケ所で地下にしようという構造の話も今出ております。

 〔OHP34:エコハウスの建設計画〕
 これは先ほど申し上げましたエコハウスです。エコハウスのところは、大体こんなふうな地下部分と2階建てという形で、ソーラーと風力発電もつける。これは12キロワットぐらいですから、せせらぎの水を全部ためた水、雨水なり中水でやろう。という考え方をしています。そういたしますと、少しポンプアップしたり、流してやろうという計画で、そういうことで、天気を風に頼ってやる形です。生命に関係がないものですから、そんなようなことを考えます。
 
 〔OHP35:荏原藤沢エコインダストリアルパークイメージ図〕
 そうすると、大体どんなものになるかというと、あくまでもイメージでございますが、こんなような雰囲気のもの、真ん中が全部空間があいていて、池があるという構図です。

 〔OHP36:藤沢エコインダストリアルパーク
              ゼロエミッション団地のイメージパース〕
 何通りか今つくっているものですから、ちょっとずつ絵が違うのですけれども、これはビオトープとエコハウスのところのイメージです。ここは太陽光発電で、こちら側が風力で風車が回っているということです。ここは温室です。

 〔OHP37:藤沢エコインダストリアルパーク
      ゼロエミッション団地のイメージパース〕
 これは市からクレームがつきまして、今ちょっと高いので、これは全部中層にします。真ん中の道路のところです。ちょうどエコセンターのあたりから見たような感じです。両側にこういう感じの建物がある。

 〔OHP38:藤沢エコイダストリアルパーク
       ゼロエミッション団地のイメージ概観図〕
 これは協議後の絵です。ここら辺が全部斜面緑地で、この辺までは私どもの敷地なのですが、こういったところに緑道とかいろいろなものをつけた。こちら側は、3階建てとか、そういう低い建物です。この辺が大体社宅と独身寮です。先ほどの図はこちらから見た絵です。景観的にはこの様なものです。住宅建築系がおおよそどんなものかというのは、ちょっとこれでイメージができるかと思います。



7.都市基盤システム

 〔OHP39:藤沢エコインダストリアル構想〕
 次の話に移したいと思います。インフラ系のものということでは、こういう電力、暖房、上下水、雨水、廃棄物といったものを今考えております。まとめてありますので、大体太陽電池とかガス化炉みたいなものも入る。それから、コジェネ発電。このコジェネも燃料電池を使います。ですから、水素を持ってきて、空気と合わせて発電する。発電は、私どもはバラード社と提携しておりますので、大体250キロワットで2台を入れてやってみようと思います。ことしの6月の末に発表しましたけれども、ベンツが搭載する電気自動車の燃料電池がバラード社だった。私どもは大型のものですけれども、それと同じものをこういうものに使ってみよう。自動車の場合ですと、大体40〜50キロワットだと思うのですけれども、これは250キロワットです。こういう考え方をしております。ですから、電力の場合は、買電と太陽光発電と燃料電池で、あとちょっと小さな風車でということで考えております。

 〔OHP40:水循環系フロー〕
 水循環という形では、大体こんなフローになります。上水道は451立米使用し、中水をディスポーザーなり、トイレなりの雑排水に使う。
 それから、ディスポーザーからのものは厨芥が入っている濃いものです。そういうものを全部処理しまして、メタンをつくります。そちらへ行くのは大体113ぐらい。一部中水をつくってということで、大体43立米ぐらいのものをこちらへ回す。これをもっとつくろうと思えば、いくらでもできるのですけれども、お金がかかるということで、これはあくまでもエコインダストリアルパークのプロットタイプというか、モデルの実験の場ということなので、さまざまな技術を入れてやってみようということで、採算を度外視して、かなりいろいろな設備を入れよう。試してやってみれる数字はどれぐらいのものかというところから来ております。水系は濃厚系と希薄系に分ける。希薄系は47立米です。濃厚系は1500人分が時間当たり大体14立米ぐらい集まります。
 雨水の方は、屋根の分を全部集めまして、それを池のせせらぎに入れて、中水につくるという形になっています。

 〔OHP41:排水処理再利用システムフロー〕
 排水の関係は大体こんな形になります。メタンガスが1日に35キロぐらいつくれる。中水関係は117立米できます。供給は74立米ぐらいです。
 メタン発酵を行った後は必ず汚泥が出てまいります。そういう汚泥をまたコンポストにする。コンポストにしまして、緑地にまくという形をとりたい。もしくは、さっき申し上げました温室または工場の緑地帯がございます。53ヘクタールのうちの約2割近くが緑地帯になっています。そこで十二分に使える。

 〔OHP42:水循環効果〕
 水循環の方は、親水、洗車、水処理という形で、下水の方へ流すのは年間11万3000トンです。散水とかいろいろなところに使う中水系でこんなもの、循環系で1万2500ぐらいということで、水の循環率が21.7%、上水の使用削減量は普通の一般団地と比べたら大体3割ぐらいは削減できそうだということです。これは5割ぐらいまで上げることはできるのですけれども、ちょっと設備とお金がかかり過ぎるのと、水をためるスペースが相当大きく要るということで、削っております。

 〔OHP43:ディスポーザー〕
 ディスポーザーももうお使いの方がおられるかもしれませんが、ディスポーザーの効果は、こんなものがあるのかと思います。ディスポーザーはハードに頼ることになりますし、電力を食うということで、これはいいのかどうかということでは、ちょっとマイナス気味だねという意見は出ているのですけれども、高齢化になったときに、やはり毎日エレベーターなり階段で下りてごみを出すのはどうか。それだったら、真空でパッと引く方法もある。しかし、それはちょっと高過ぎる。そういう話も出ています。都会人にとって困るのは生ごみだと思うのです。ベランダに置いておけない。瞬間に目の前から消えてくれれば非常にいいわけです。それがメタンなり堆肥という形でまた回るわけです。いいんじゃないかなというところで、一回やってみようというのが現状のところでございます。

 〔OHP44:メタン発酵〕
 メタンの話は、こんな形で分離器によって濃縮された厨芥だけが0.45、メタンをやりまして、28.7立米。大体5500キロカロリーぐらいのものだと思います。ガス発電をするとなると、1日にわずか86キロワットです。そんなものだということです。

 〔OHP45:熱(給湯・冷暖房)フロー〕
 給湯、冷暖房という形でいくとどうなるかという話になろうかと思います。これでいきますと、燃料電池は先ほど申しましたのが、250が2台ということでございます。下水道ヒートポンプなどもやっています。
 独身者の200人ほど入る寮がございます。そこから独身者が出すトイレのもの、熱をそこからくみ上げて冷暖房をやる。ですから、自分の出したもので冷暖房をやってしまう。そういう技術は、この後楽園のすぐそばに私どもがおさめておりますが、生下水、家庭なりビルから出された処理される前の汚水から熱をくみ上げて、地域冷暖房をやっております。地下30メーターぐらいで、この界隈から集めた生の下水の貯留設備、圧送設備があります。そこから熱をくみ上げて、この近隣の冷暖房をやっている。今たしか清水建設さんがおやりになられている後楽園のホテルへもそういう熱が全部供給される形になっています。
 ですから、給湯の方の関係は、こんな形で全部のところに回す。それから、下水道ヒートポンプの場合は、独身者の寮とエコハウスにだけ回す。蓄熱槽も持っている。ガス化炉から温水をもらいまして、貯留槽にためて全部供給する構図になっています。

 〔OHP46:電気設備単線結線図〕
 電気の方は、燃料電池が500キロワットで、太陽光の方が約300キロワットという形で、合わせて800キロワットの設備をここで持つ。それを一括に全部管理して、個々に電気を送る形になります。これは電気事業法からいったら、まだやってはいけないことになっております。しかし、大体見通しとしてはそういうことでもいいよということになりそうな方向の感触を私どもは持っております。いろいろなところと折衝しております。
 
 〔OHP47:年間エネルギー収支〕
 そういたしますと、年間のエネルギー関係の収支でございますと、商用電力は・655メガワット、太陽、風力が347、燃料電池で1530という形で、熱も出ますから、コジェネレーションですから、団地内給湯は1万6049ギガカロリーという形になります。それから、団地内の電力化は大体2530メガワット。団地内の調理用の負荷が都市ガスを使った439ぐらいという形。こんなエネルギー収支になろうかと思います。
 
 〔OHP48:エコインダストリアルパーク事業技術システム導入イメージ図〕
 いろいろなビルを建てて、社宅、高いもの、低いもの、独身寮、エコハウス、こういったところにできるだけ太陽光のパネルを載せ、低い方は屋上緑化をやった。壁面緑化は、実は試算してみたのですけれども、大変に金がかかるのです。壁面緑化はそれでちょっとあきらめました。屋上緑化の方はやった。雨水は一応屋根から全部集めてみようという形になっています。
 雨水の貯留、先ほどの蓄熱槽を全部地下に埋め込んで、熱を利用する。真空トイレは一応全部つけます。独身寮は、さっき申し上げましたように、ヒートポンプで、冷暖房をエコハウスと合わせてやる構図になっております。
 こちらの方に、ガス化溶融炉と書いてありますが、こちらからのごみもこちらの方のガス化炉の方へ持っていって処理をするという構造になっております。
 ごみの方は、大体560グラムぐらいが毎日家庭から出す1人当たりのごみの量です。そのうちの200〜250グラムぐらいが生ごみです。それをメタン発酵の方へ持っていくという構図になっております。
 雑芥類がございますが、それはガス化溶融炉という新しい形の炉の中で処理をする。それで温水を逆にもらう形になります。
 紙、アルミ、鉄の缶、びんといったものは、できるだけリターナブルなものを使っていただきながら、この団地の中では、ダメなものは、缶、アルミ、紙を回収して再生利用という形にする。
 あとは、危険物がございます。危険物は、乾電池ですとか、蛍光灯といった類のものです。それは大体4%ぐらいあります。それは市にお願いする形になります。ですから、税金を払っていながら、4%だけしか処理してもらわない。96%はリサイクルに回ったり、エネルギー化している構図になります。そうなると、税金を取られて損だなという話になるので、ごみの有料化ということはこれから私どもの視野に入っています。そうなれば、税金は少し安くなるという構図になるのではないかと思います。

 〔OHP49:エコセンターにおける検証〕
 エコセンターにおける検証ということで、こういうさまざまなものを動くショッピングウィンドーではございませんが、私どもは、みんなに見ていただくモデルの場にしようと考えてます。そのときに、検証しなければいけないということで、エコセンターで、ここに書いてありますようなさまざまなデータをとりまして、解析して情報を発信する。そういう計算のシミュレーション、最適な運用計算といったものを全部ここでやろうと私どもは考えております。そういうものも全部入ってということです。



8.生態系と生き物およびライフスタイル

 〔OHP50:池の平面図・断面図〕
 生態系の方ということでは、一応、ビオトープをつくるわけでございますが、今、600平米ぐらいから1000平米ぐらいということで、建物の配置との関係があるものですから、建物を避けてエコセンターのところにつくります。
 先ほどせせらぎと言いましたように、せせらぎで全部つながっている。風力発電のエネルギーで水を循環をきちっとしてやる。クヌギや実のなる木をこういうところに配置して、昆虫を寄せたり、魚も入れる。藤沢メダカというのは、あの辺では有名なものですけれども、そういうものも入れる。わざと砂礫の浅瀬みたいなものもつくる。そういう形でそこそこに処理した水が、こういうビオトープでやると、どれだけBOD値なり何なりが下がるかというものもちょっとやってみよう。カヤツリ草とかイネ科のようなものも植えまして、どれだけ水がリンとか、そういったものがとれることになるかも当たってみましょう、こういうふうに考えております。深さはせいぜい1メーター程度のものです。

 〔OHP51:水循環効果〕
 そうしますと、こんなことをやったとき、どんな効果が出てくるのだろうという話になるわけでございます。そういう意味合いでは、水の循環の場合ですと、従来型と計画型ということで、従来型は全部上水を買っていました。普通には、1年間当たり大体19万3000立米ぐらい必要だ。ところが、先ほどのようなことでやりますと、13万6千は必要だ。でも、あとは中水と雨水を利用する約3万7千はそういうもので賄える形になります。極端な言い方をすると、200対140という形になるということです。

 〔OHP52:ゴミ処理関連効果〕
 ごみ処理の関係の方は、先ほど申し上げましたように、1人当たり1日590グラム、これを100%で従来型で市に全くお任せしてしまうというものに対しまして、ここに書いてありますように、4つほどの色分けがしてあります。ディスポーザーで処理するもの、資源回収で処理するもの、ガス化に持っていくもの、市の収集に任せるものという形で、4通りほどのものになります。ですから、全部ごみを集めて100%燃やすのではなく、そういう処理をするのは141、24%の部分だけ、赤いところだけ。しかし、これも温水という形でまた返ってきます。
 
 〔OHP53:エネルギー関連効果〕
 エネルギーの方は、従来型の計画でございますと、全部電力を購入するわけですが、そういたしますと、ここに書いてあるようなキロワット数。計画の方ですと、3種類に分けられる。買電の方は75に下がっているという形になります。従来型のガスの方ですと、全部ガスを買ってということで、188メガカロリー/時間。それに対して、緑と黄色で書いてありますように、ガス化炉からの排熱を利用する、燃料電池からの排熱を利用する形になりますと、お湯はいわゆる都市ガスを使わないでつくれる形になろうかと思います。

 〔OHP54:運用段階の一次エネルギー消費量の比較〕
 今申し上げてきましたような部分の中で、エネルギーだけに注目をいたしますと、従来型ですと、1年間に先ほどのフレームの中の人口で生活をすると、9730、約1万ギガカロリーという熱が必要だ。それに対しまして、さまざまな組み合わせをしてみるこの新しい計画案ですと、商用電力は1500〜1600ギガカロリー、それから、ここに書いてありますような都市ガス系のものが、燃料電池をやるものですから、3000ギガカロリー。あとはこの黄色い部分がガス化炉でございます。そちらからの温水を受けた部分ということで、約1000ギガカロリーぐらいという形になります。
 あと太陽と風力の分がわずかでございますけれども、多分300ギガカロリーぐらいでしょうか。ということで、全部合わせて6000ギガカロリーという形になります。これは運用段階の1年間当たりのものになります。

 〔OHP55:環境負荷の評価LCA〕
 しかし、運用段階だけではダメなので、ここに書きましたように、環境の負荷というと、普通原料を採取して加工して品物をつくって、それを流通させて使って、最後廃棄する。この物の一生の中で、どれだけ環境にしわ寄せを出したかという形で、LCA(ライフ・サイクル・アセスメント)を計算するわけです。
 
 〔OHP56:背景と目的〕
 つまり、これまでは都市、物の生産の中では、性能とコストと機能が重視されていたわけです。しかし、これからはそういうまちづくりでも、環境負荷量はどうだったかということをきちんとさらにこれにつけ加えてやらなければいかぬという形になるわけです。

 〔OHP57:ライフサイクル一次エネルギー投入量の比較〕
 ですから、評価としましては、ライフサイクルの一次エネルギーという形ではどうなっているか。そうなりますと、ここに書いてありますような従来型のものですと、建設から最後100年たって廃棄するまで1万3274ギガカロリー。それに対しまして、こちらの計画の方は、大体9855ギガカロリーぐらいという形で、25%ぐらいの削減率になるという話になるわけでございます。

 〔OHP58:運用段階のCO2 排出量の比較〕
 同じように、炭酸ガスを計算しますと、運用段階でということになりますと、大体573トンのカーボンと重量で炭酸ガス量を換算いたします。計画案の方ですと、約400ということで、3割減という形になろうと思います。

 〔OHP59:ライフサイクル〕
 これをライフサイクルという形で見ますと、こういう数字で、大体22%ほどの削減率になるという構図になります。



9.計画の評価と事業展開スケジュール

 〔OHP60:達成目標と試算〕
 私どもは、先生方から、最初目標達成度ということで言われて、定量的な獲得目標をまちづくりに考えて、指標としてこの4つをあらわしたわけです。現実にシミュレーションを繰り返していろいろやりましたら、エネルギー関係で38%、水で28%、廃棄物96%、炭酸ガスを30%削減という構図になったということでございます。
 これが多いか少ないかということで、議論はいろいろなところでしているのですが、これだけの設備を入れて、たったこれだけかという反応もかなり出てきております。ですから、もうちょっと考えなければいかぬかなと私どもは考えております。

 〔OHP61:スケジュール〕
 タイムスケジュール的には、少し遅れ気味なのですが、現在平成10年(1998年)ですから、この実施設計に入るのは延びそうだなということで、まず第1期が住宅系の独身寮と社宅系だけを2000年の末ないし2001年に完成させる。その後に今建っている社宅を壊しまして、残りの賃貸、分譲系を建てようということで、2005年にはすべて完成。しかし、設備系は第1次からやっていかなければいかぬかなと考えているということでございます。



10.課題と展望

 〔OHP62:課題点〕
 課題ということでは、非常に多いのですけれども、大きなものだけ、代謝基盤系だけということでまとめますと、こんな形で、エネルギーというのは、東京電力さんとの契約形態がどうなるかなという部分です。団地なりで電力を受けて、それをそこからまた分配する。そういう事例は今までないわけです。しかも、団地の中で発電会社的なものも持って、管理会社から個々の家庭に配ってあげて、何かあったときどうするの。おまえの責任だよ。欲しいときだけ商用電力をくれというのかという形になっております。
 ですから、その辺はすり合わせをやっていますが、これからはやはり小規模での発電、電力供給ということは、役所の方ではあり得るのではないかなということで、今折衝中ということで、どうなるのかわかりませんが、その辺が一番大きいし、料金の徴収形態をどうするかという問題も出てきます。東京電力さんがやられて徴収する。そのほかにまた今度我々が電力の供給をして、それをまた徴収する。そういったあたりをどうやるのかということがあります。
 水の方は余り大したことはないのですが、廃棄物関係の、さっきいいました税金の方の問題をどうするのか。危険物だけを取ってというのも何か釈然としないねという話もございます。水の方の関係も、下水道の料金は大体水道の使用料金とリンクしているわけです。それを部分的にカットしてしまって、中水でこちらで使う。それを余分に向こうは下水道料金を取るのか、取らないのか、こんなようなところの問題もまだ煮詰めが全然終わっていない。
 こんなような事柄を今詰めている最中であります。

 〔OHP63〕
 ということで、過去から未来に引き継ぐような共生というフィロソフィーがやはり都市開発、まちづくりでも必要だろう。先人の遺産との共生という伝統的なもの、こういうものも地方都市においては考えなければいけないだろうし、未来の世代への責任という意味合いからは、環境負荷をどうしても低減させねばならない。この団地だったら、水はこれだけですよ。電力はこれだけ削減できます。そういう不動産の売り方になるのかなということを考えております。世代間差異への配慮ということで、環境の恵みというものをやはり考えながら、供給のインフラと処理のインフラといったものも、やはりこれからはお金のない自治体の財政状況ですので、そこら辺を考えると、PFIとか民営活動でということでの上水運営とか、廃棄物の処理という時代に入ってくると思います。そういったときのことを考えたとき、民営化、PFIに移る節には、どうしても循環型に変えていかなければいけないと私どもは考えております。

 〔OHP64〕
 私どもは、廃棄物はPFIでおまえのところでという話が持ち込まれるのですけれども、なかなか採算的に厳しい。その辺をどうやっていくのか。そういうことを考えたときに、例えば、まちづくりと廃棄物をセットで私どもが受けるならやりましょう、そんなような考え方をこれからしていこうかなと考えております。
 都市のエネルギーも、総合効率を考えていく。機械1つだけを効率を上げていってもダメだ。だから、トータルで見たときに、エネルギーの効率をどういうふうにうまく使うのかということで、大型がいいのか、分散小型の発電システムがいいのか、こんなことまで全部考えていかなければいけないと思います。
 IPPという独立発電が最近ははやりになってきて、いろいろな電力会社で入札が行われています。小さいものですと、2万キロワットぐらい。私どもがやっておりますのは大体5万6000キロぐらいのガスタービン発電ですけれども、そういったときも、その電力の近場の人はそれから温水をどう受け取るか。そういうものとセットでまた考えていくという形になると、社会インフラ的なもののコストが少し見方が変わってくるのではないか。こういうことも考えていかなければいけないのではないかと私どもは考えているということでございます。

 〔OHP65〕
 恥ずかしいようなことでございますが、やはり原因があって、それが影響が出るということで、対策を考えて、新たな社会規範を考えていかなければいけないのだろうなと思っております。技術と生産のあり方ということでは、後世代にツケを残さないということなのだろうと思います。社会、経済の仕組みも、経済的なツケを途上国に押しつけるという構図は、やはりこれからはなくなるわけでございます。ですから途上国の方々も、みんなと同じように、暑い時は冷暖房の設備の中で、テレビも車も持って、こんな背広も着てという構図になっていく。そういったときに、どういうふうにこれを上手に先進国と開発途上国がうまくやっていくのかということも考えながら、人間生活、人間が生きていくということ自身が地球環境にとっての罪悪だと言う極端な方もいるわけですが、ほかの生物というところへも人間生存のツケをどういうふうに回さないようにするのかということからいくならば、対策という形で、ここに書いてありますような変革は考えなければいけない。生活様式も経済も技術も生産のあり方も、そういう中でのまちづくりをどうとらえていくのか、社会インフラというもの、私どもの場合であれば、都市代謝基盤システムを見ていく。その実験の場が、私どもの藤沢のエコインダストリアルパークと考えております。
 持続、自立、共生という事柄がどこまでやれるのか、ことしの後半から実施設計に入ってまいるわけですけれども、お手並み拝見というのが、皆様の考えではないかと思いますが、やって、皆さんに批判をいただきながら、また改良するところは改良してやりたいと思います。これからはそういう技術がどうしても必要な世界になるのではないかということで、少しお金を投じてもということです。
 きょうは実はお金の話は一切しておりません。これを全部やると、建てるということと、設備を入れるということで、約200億近い金が出ます。これはいろいろ政府、県を回っておりますが、どこも補助するという仕組みはございません。ですから、私どもの手金でやる形になります。社宅、独身寮はしようがないわけですけれども、分譲住宅をつくるのだから、売ればいいじゃないかという話がありますけれども、設備が結構高くて、従来型の電力、ガスといったものの供給以外にいろいろな都市インフラが実験のために入っている。それのお金だけで約40億近い金が出ます。その40億を研究開発投資という形で見ることに今なっているわけですけれども、16兆円の補正予算をこういったところに少し回せば、もっと促進が早いのになと思っている次第でございます。
 それから、事務局の方から、海外の事例、国内の事例もちょっと話せということは入っておるのですけれども、私どもはこの研究開発をやる過程の中で、実はいろいろそういうのを調べてきていますが、例えば、最近の例でいけば、鹿島さんの独身寮といったものも、太陽光パネルと池をつくり自然のビオトープ的なものがある。世田谷区の集合住宅もやはり大体そういう形です。屋上緑化とビオトープ的なもの、太陽光的なもの、その組み合わせ程度で終わっているということで、私どものようなメーカーから入って都市代謝基盤システムをかなり大巾に入れている例は、世界でほとんどない。
 小金井の例の勤労者住宅はありますけれども、これも今の2つのものを合わせて、建物は1棟ないし数棟建っているだけで、全部今言いましたような屋上緑化ですとか、ビオトープ的なものとか、太陽光とか、多少のパッシブソーラーハウス的なものの要素を取り入れているのにとどまっている。統合的にやれるものは全部やってみよう。やった上でどうなるかということをやっているのは、世界でもない。
 ドイツのフライブルグというところも、環境都市ということでかなり有名なわけです。私も文献も読んでいるし、つい先だっても茅陽一先生と数人で見て回ってきていますけれども、そんな大したものとは私どもは思っていないわけです。町全体では、確かに市で発電をし、メタンガスの発電もやっている。それがスタンドアローンであるわけです。町全体の中でそういうものを凝縮し、統合的につくってやっているわけではないわけです。
 有名なドイツの工科大学の研究施設があそこにあるのですが、これも太陽光だけで、全部暖房もしないでやっているというのはありますけれども、それもそれだけの話で、それをいろいろな施設と組み合わせたら、トータル的にエネルギーがどうなるかといったことは研究されていないという感じでございます。そのほか多少言えるのは、アメリカのバイオスフェアーといったところでは、宇宙環境の中で人間が生存するためにはどんなことをすれば1年間暮らせるかというのは確かにあります。ただ、市民生活の場という形でとらえるということになると、余り合ってないかなと私どもは考えているわけです。
 それから、ヴィスバーデンというフランクフルトから1時間ぐらい行ったところでは、エコロジカルな住宅という形で、長屋みたいな2階建ての建物がずっと横に5軒ほどつながっている。そういう中で、冬も暖房しない。ヴィスバーデンあたりですと、マイナス20度になるわけですけれども、そこでも暖房しないで済む建物も見てきましたけれども、断熱材が200ミリぐらい床にも全部入って、その断熱材の上にコンクリートがあった。壁のところにも全部200ミリの断熱材が入って、窓は全部三重窓という形になっている。余りにも高機密なものですから、全熱熱交が入っている。こういう構図ぐらいです。
 ですから、私どもとしては、早くさっき申し上げたものを何でもかんでも全部入れてみて、データをとって、捨てるもの、拾うもの、改良するものということをこれから実際にやっていきたい。また途中経過を発表する機会があれば、お聞きいただければと思います。



フリーディスカッション

 司会(谷口)
 
どうもありがとうございました。
 とりあえずお話しいただきましたが、残り30分ぐらい時間がございますので、いろいろ御質問、御意見その他、恒例によって承りたいと思います。

松延
 
世田谷の松延といいます。ディスポーザーは、下水道局はやってもらっちゃ困ると言っているそうですが、どう考えたらよいのでしょうか。
 それから、太陽光発電は、東京電力に売電できるのでしょうか。

竹林
 下水道は、建設省の下水道部は、ディスポーザーを使う方向に多分いっていると思います。かなり研究も何年もやられています。私どもは、今そういうことは無視しても、処理設備を団地の中で持っているわけです。処理した水を下水に流すように考えていますから、多分問題はないと思います。建設省の方に聞いても、そういう答えはいただいています。ですから、自分のところでディスポーザーを使って、そのまま処理をしないで下水道に流すということでは、市の条例なり、建設省の下水道部もまだオーケーという言葉は出ておりませんけれども、私どもは処理設備を団地の中に持ちますので、多分問題ない、もしくは私どもが今聞いている話ではオーケーでございます。
 それから、太陽光の発電は、お買い上げいただけますけれども、私どもとしては、管理会社をつくりまして、全部太陽光発電を屋根に載せて、その電力を1カ所に一回集めて、大型の特殊なインバーターで交流に変えて、それをまたもう一回各戸へ戻してやる。そういう構図をちょっと考えております。
 東京電力に売るということは、今のところはまだ考えていません。全部中で使ってしまう。ベースロード的にちょっと負荷調整ぎみなところで使う。お天気次第ということなものですからということです。一戸建てであれば、余った電力は全部電力会社が今買うというのは、私どもも承知しております。

伊藤(トゥビーライフ(株))
 
トゥビーライフの伊藤と申します。
 うちの会社でいろんな商品開発とか、そういうのをプランニングで担当しているのですけれども、なかなか環境材、そこの中で市場をつくっていくのは非常に大変だと考えています。荏原製作所さんが200億ぐらい投下されて、将来21世紀に、環境に関してどういう産業がこれから起こっていくのかということをどのように考えられているのかということを伺いたいのです。環境の市場をどうつくっていくかです。

竹林
 
大変難しい問題で、通産省のビジョンがもう出ておるわけですけれども、まず環境関連の市場は30兆円ぐらいになるだろうということで、非常に幅広いエコツーリングみたいなものまで入ってなっていますけれども、私どもの分野でメーカー、エンジニアリングというところにずっと絞りますと、大体12兆円前後という数字に2010年あたりから25年でなるという数字が出ております。私どもがやっているのは、水とか廃棄物とかエネルギーの関連という形になっておりますが、廃棄物自身は今のような数字では出てこない。今現在が、一般廃棄物が5000万トン、産業廃棄物が4億トン出ているわけです。これだけのものを処理するということで、GDP比率で何%か廃棄物が出てくるという形になれば、私どもはハードを売り明るい未来なのですけれども、ごみ排出量も減ってゆく傾向で、もう環境産業なんていうのは、私ども自身にとっては将来は余りいいビジネスではなくなると考えてきています。
 ですから、環境ビジネスは「ごみを処理する事業」という形に私どもはもう入り込んでいるというのが実情です。もちろんハード、エンジニアリングということでも稼ぎますけれども、それではもう食えないということで、私どもは会社が出した産業廃棄物、市が出したごみ、それを私どもがプラントを建設して、トン3万円なら3万円で請け負って、それを処理しながらという形で商売をというところに今き始めている。今そういう幕が開いているという考え方をしております。
 各電機会社ですとか、自動車会社ですとか、食品会社とか、さまざまなところが、自社内のプラントのプロセスを全部環境面から持っていって、プロセス自身をやりかえ始めているのです。ですから、廃棄物も余り出てこない。そのプロセスをやりかえるときに、私どもが少しユーティリティー関係でお手伝いできるかなという考え方をしております。
 素材の方は、プラスチックということで、特にプラスチックの中で、塩ビなどはダイオキシン問題ということで、いろいろ取り沙汰されております。そういったことから、生分解性のプラスチックが今日本で6社ぐらいやっていますから、そういうものがどんどん広がっていく。そういう観点で環境が材料面から広がっていくということ。鉄にかわるような素材が環境面からまた出るとか、そういうことはこれからかなりあるのではないかと思います。
 余り答えにならないのですけれども、非常に難しい問題だと思います。
 

松延
 
日本はフランスのエタンボールというつくりっ放し、売りっ放し、自治体回収でその処理費をよくリサイクル協会が助成する。その自治体が消費者とか事業体からふんだくるということになっているのですけれども、結局生産段階には何もいかない。だから、ドイツのDSA式に、ようけいつくっているところに処理費をかけて、リサイクルしにくいものをつくっているところには高い処理費、リサイクルしやすい、リターナブルできるものには安い処理費、それでやらなければ、いつまでたっても同じプラスチック、ポリエチレン、塩化ビニール、そういうものができると思うのです。だから、ドイツ式の循環社会を現在もやらない限りダメだと思うんです。フランスのエコバランスでは。それがあそこの霞が関の方々は、いつまでたっても頭が古いのか、フランスのエコバランスでやりたい、やりたいとおっしゃっておる。頭悪いというのかな、何たってただつくらせて物を売らせておけばそれでいいと思っていらっしゃるから、はっきりいって困る。
 それから、雨水再利用も私、国立の村瀬さんのあれで入っているんですけれども、墨田区や何かで助成金を出しているわけです。神奈川県の藤沢市にもそういう助成金のシステムをつくらせたらどうでしょうか。

竹林
 
墨田の例はかなり有名ですし、そういうところがぼちぼち地方都市でも出てきていますが、実は今藤沢市と県に都市計画の方と環境部の方にわざわざ委員会のときにお入りいただいているのです。しかし、やはり組織で役所の方は動いているものですから、個人としてはそうしたいのだけれどもということで、ちょっとも先に進まない。補助なり減免措置とか、そういうものもいろいろ行政へはあるのですけれども、民にはない。例えば、先ほどの厨芥類からメタン発酵をやりまして、メタン発酵の中のメタンガスから水素だけを取り出しまして、その水素と空気中の酸素を合わせて発電をやれば、本当に石油は要らないです。そういうことを実験的にこういう形でやってみたいということで、生ごみの供給ですとか、少し共同開発ということで何かできないかということで、自治体に相談するが無理ということになります。役所を責めてもしようがないので、自分たちでやれる範囲はやっていこうというのが私どものスタンスです。
 それからDSAの話も出ましたけれども、これは通産は環境立地局が今現在循環経済法の日本版をどういうふうにやったらいいかという勉強会をやっている最中だと思います。ですから、ドイツのDSAやフランスの方と同じようなものにはならないと思いますけれども、志向していることは間違いないという状況でございます。私どもとしては、炭素税みたいなものを入れてもらった方がもっといいのです。もしくは水源税です。水にも税金をかける。そういうのがあるわけですけれども、そういうものでいけば、こういうものが少しでも進むのではないか。目的税として開発に金を使わせてもらえれば、非常にいいのではないかと私どもは感じているのですけれども、産業界の反対も非常に多いので、そういうことにはどうもなりそうもないという感じでございます。

有川((株)ゼンリン)
 
株式会社ゼンリンの有川と申します。
 今のお話で、中に住む人たちに対する制約、例えば、車で何軒かで1台しか持てないとかいうお話があったのですけれども、そのほかに住む人の面から、こういう点が制約になるよというものがあれば、お話しください。

竹林
 
今制約というものをつけて、社宅系の方はまだいいとしましても、分譲する部分もありますので、それは今考えておりません。単に太陽光がついています、燃料電池がついています、ごみ関係はこんな形になりますよという事実だけを述べて、それで幾らです。お入りいただける方は買ってくださいという構図にしています。ただ、元環境庁地球環境部長加藤三郎さんの方は、そういうことではダメだ、もっと規約、ルールみたいなのをつくって、エコクラブみたいなものをつくって、エコの教育をやったり、場合によっては、エコスーパーみたいなものもつけて、そこから買ってもらうようなことだとか、もっと極端な人は、エコ幼稚園というか、エコ保育園、そういうところから教育しないと、環境のマナーもついていかない。だから、そういうものをここで実験的にやったらどうなるということを言われる先生も委員会の中にはおられましたけれども、それはちょっと難しいかなと思っております。

司会(谷口)
 
もしお答えいただければで結構なのですが、先ほど、コストの話はほとんどしないとおっしゃいました。ざっとしたお話は少しいただきましたけれども、採算をどういう形でとろうとするかというのは、今いろいろと説明されたように、難しいところもあるかと思います。非常に大ざっぱにいって、コストと採算についてはどういう感じなのでしょうか。もし差し支えなければ教えて頂きたいのですが。

竹林
 
80平米前後で近間で団地が3つほどあるのですけれども、公団的なところと一般民間が分譲している。売り値が大体3500万〜3700万ぐらいです。それに対して、まず売り値は4100万〜4200万近くはいってしまうだろうという感じです。土地の値段が入ってしまいますから、坪で今あの辺は坪75万ぐらいするのです。そういうことを考えていってしまうと、そういうことで、これを定期借地という形になると、その数字が3900万とか、それぐらい近くまで売り値が下がりそうだなというところに今あります。
 それから、売り値に対しまして、月々の管理料的なものもやはりエイヤッというところで計算しているわけですけれども、一般的な相場から比べたら、2割方は上がるだろうという感じでございます。
 ですから、こういうものに対して炭酸ガス量が20%カットできるのだったら、例えば、3900万円対3500万円の差の400万を100万とか150万補助する制度をつくってくれればなと感じています。
 話はそれますが、トヨタが電気自動車のプリウスを今215万で売っていますが、あれは約400万かかっているわけです。トヨタの方にその差額の百何十万は国から入っているわけです。損はしているのですけれども、そんなに大きな損はしていない。これは一般大衆が買うからということで、しかも炭酸ガスのCOP3問題があるということでそうなっているわけです。ですから、そういう方式もしくは税金的なもので、戻し税的なもの、何でもいいのですが、そういうものをやっていただけないと、普及はかなり難しいかな。そうでないと、私どもメーカーでも努力次第、もしくは量でどれだけはけて下がっていくか。そんなような感じです。
 ですから、イニシャルもランニングも2割ぐらいは高そうだ。これは余り言いたくないものですから、しゃべらなかったのですけれども、もうちょっときちっと詰めた上で皆さんにお話をしなければいかぬだろうなと思っていたので、アバウト過ぎますので、言わなかった。大体そんなところです。

三浦(新潟県上越市東京事務所)
 新潟県上越市の三浦と申します。
 1つお伺いしたいのは、この実験都市といいますか、町をつくっていく上では、今までのまちづくりという考え方、概念を少し変えていかないといけないのかなとも思ったわけですが、最後の方で、過去から未来に引き継ぐ共生という中で、伝統的、文化的住居の継承もやはり心がけていかなければいけないというお話がございました。その辺を検証するというところと、これからこういうまちづくりをつくっていくんだというところの考え方の兼ね合いといいますか、成否といいますか、その辺はどのように考えていたらよろしいのか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。

竹林
 
なかなか難しい問題ですね。まちづくりは、やはり住み手が参画することが必要ではないか。ですから、私どもは今社宅があるわけですから、社宅と独身寮の人たちにも少しアンケートをとったり、いろいろ話を聞いたりしながらやっているわけです。ですから、町が住宅団地をつくる、産業も含めて何かつくるということであれば、やはり何度も会合を重ねながら、自分がそこへ移りたいと思うような、住みたいと思うような町を考えながらという形になるのだろうと思います。
 そのときに、私のこの話の前の方に、この間竹林征三先生というお同じ名前の先生の「風土工学」というお話を聞かれた方もおられるのではないかと思いますけれども、そういう地域の特性に応じて全部それぞれが違うわけで、私どもの藤沢と新潟県のある場所ということでは、機能、存在も違うのだと思うのです。それから、生きているものも違うし、風の吹き方も違う。それから、そこに郷土の伝統的な工芸なりいろいろな風土も違う。そういうものを全部あわせて総合的に考えていかなければいけない。それをこれまでは画一的に金太郎あめ的に住むだけということでの住宅、産業のための工業団地をということで造成して道路をつけてということだったわけです。その辺を考えながら、討議を重ねながら、ミックスしながらという形だと思うのです。今のような継承をしながらということではなかなか難しい。私の中では整理ができておりませんけれども、まずはやはり話し合いみたいなものを相当積み重ねないとダメなのではないか。
 私どもはここまでくるだけで、毎月やって約2年以上かかってきているわけです。勿論、それ以外にも相当な作業があるわけです。答えにならないですね。済みません。

司会(谷口)
  ほかにいかがでしょうか。もしないようでしたら、本日の第128回のフォーラムをこれで終了します。
 竹林さん、どうもありがとうございました。(拍手)


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