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第59回NSRI都市・環境フォーラム
日比谷公園 ―110年の公園生活史とパーク・マネジメント

2012年12月13日(木)
NSRIホール
講師:進 士 五十八 氏(造園家 東京農業大学名誉教授)



東京市区改正新設計で日比谷公園が告示されたのが110年前の明治36年3月。6月に仮開園。それまでの10年間次々に提案された設計案はことごとく不採用、辰野金吾案も却下され結局林学博士本多静六の案で着工した。文明開化の下、本格洋風で3つの洋(花・食・楽)を提供した憧れの公園だ。その後、国葬の舞台など国家広場、震災仮設住宅、戦災で仮埋葬地やイモ畑、GHQ接収と波乱万丈伝が続く。樹植祭、モーターショー、彫刻展など第1回イベントもずらり。野音、公会堂の文化活動や政治活動。地下鉄縦横、ビル高層化等都心開発に翻弄されるも、「歴史的公園」のオーセンティシティと周辺開発との調和型整備を模索中。これからの「パーク・マネージメント」のあり方が課題。

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 大変長らくお待たせいたしました。ただいまから第59回NSRI都市・環境フォーラムを開催させていただきます。本日は、暮れのお忙しいところお越しくださいまして、まことにありがとうございます。
 本日のご案内役は、私、日建設計広報室の谷礼子でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、本日のフォーラムは、ご案内のとおり、東京農業大学名誉教授でいらっしゃる進士五十八先生にお話をいただきます。本日は、『日比谷公園─110年の公園生活史とパーク・マネジメント』について、ご講演をいただきます。
進士先生は1969年に東京農業大学造園学科をご卒業され、その後大学で教鞭をとられました。1999年から2005年の6年間東京農業大学長を務められました。都市環境計画や景観計画などたくさん委員長も歴任され、2007年には紫綬褒章を受章されました。進士先生と言えば日比谷公園、日比谷公園と言えば進士先生と言われるほどご縁が深いと思われますけれども、今日は、日比谷公園の生い立ち、成り立ち、そして、その歴史、日比谷公園のこれからの将来像などについてお話を伺えるものと楽しみにしております。
それでは早速、先生に講演をいただきたいと思います。皆様大きな拍手で先生をお迎えください。(拍手)



進士 ご紹介いただきました進士と申します。どうぞよろしくお願いします。
日比谷は私自身の卒業論文のテーマでした。卒論は4冊提出したんですが、そのうち2冊が日比谷公園史と日比谷の現況利用編でした。当時の公園行政では日比谷公園は古くなっていたので改造計画をやらなければいけないという気分がありました。50年近く前です。
その頃は古くて合わないという時代、何でも新しくしたいといった時代です。日本中に造園学科はまだ少なくて、東大には林学と農学に教室が1つずつあったが、学科は千葉大と私ども農大しかなかった。都の公園協会が卒業論文に賞を出していたので、その賞を農大で必ずとりたいというのが私の恩師のこだわりでした。その前年、日比谷改造プランを応募したんですが、図面は非常に良かったのですが、余りに現実離れしているということで賞が取れなかったそうです。そこで、私にもう一度チャレンジさせようというわけで、私は関心がないのに日比谷公園の改造設計をテーマにされたんです。

 

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