木村 大変長らくお待たせいたしました。ただいまより第14回NSRIフォーラムを開催いたします。
本日は、お足元が悪い中お越しくださいまして、まことにありがとうございます。
本日のファシリテーターは、日建設計執行役員設計部門代表、大谷弘明でございます。
大谷 日建設計の大谷です。
今日は、日本生命の池田宜之さんをお迎えして講演をしていただきます。
今日のタイトルは、こちらに出ている「『どんなビルにしたいですか』とたずねる設計者と『良いビルにしたいですね』と答える発注者との不幸な関係について」という、ちょっと刺激的で困った題名です。
池田さんの経歴です。1964年生まれで、1988年に東北大学経済学部をご卒業、その年に日本生命保険相互会社に入社されました。1996年に不動産部の仕事を始められまして、2001年に不動産部の課長となり、そのときに丸の内の日本生命本部ビルの建設に携わっておられます。その後、2005年から2009年までは支社に出ておられまして、2010年に現在の不動産部担当部長ということで大阪の本店にいらっしゃいます。実は来週、日本生命全体の不動産部長にご就任されることになっております。丸の内オアゾ街区建設の立役者でいらっしゃいます。
私のところでは、大阪の日本生命本店ビル群のうち、新南館と新東館を設計させていただきました。これについて若干述べます。
(図1)
もともとここは創業の地でいらっしゃいまして、このようなビルを最初にお建てになりました。これは辰野金吾が設計監修していて、明治35年の頃です。
その後、御堂筋がドンとつくられます。奥の心斎橋筋側にこの建物がありましたが、御堂筋に面する側にもビルを建てるということになりました。この建て方が大変で、北側半分だけをまず建てる。それが昭和13年で、その後、戦争になって、そのまま南側は中断します。外壁の石張りは当時は無く、途中で仮使用をしている状態です。
昭和34年にはレンガの建物のところに南半分を増築し、日本生命本館ができ上がりました。昭和37年竣工とありますが、昭和の一桁のときからずっと計画を続けてきて、やっと20年以上を経て完成したビルになります。これは日建設計の前身の長谷部・竹腰事務所の設計です。
(図2)
数年前に新南館をお建てになりました。その北側の東館のところに今度のビルを建てることになります。
新東館まで4街区が全部建つと、このような形になります。ちょうど手前の日本生命本館の意匠をうまく継承した外観ですが、ボリュームはものすごく大きなビルです。今これを建設中です。
このあたりには日生さんの建物がたくさんありまして、これの全体計画を今、池田部長のもとで進めているわけです。
(図3)
> これが目線レベルから見た街並みの予想図です。
(図4)
東側に明治時代にできた市立愛珠幼稚園があります。すごくすてきな建物です。これに面するところに、街路整備として、おもしろいプロムナードをつくろうという計画がございます。
では、これからは池田部長にバトンタッチしてお話をお伺いします。よろしくお願いします。
|