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第54回NSRI都市・環境フォーラム
国土計画は必要か?

2012年6月20日(水)
NSRIホール
講師:伊 藤  滋 氏( 早稲田大学特命教授)


1.これまでの国土計画
2.平成24年度国家予算
3.国土計画のこれから
4.「国土の長期展望」中間とりまとめ
5.国土の災害リスク

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 大変長らくお待たせいたしました。ただいまから第54回NSRI都市・環境フォーラムを開催させていただきます。
昨日の台風第4号、皆様、被害ございませんでしたでしょうか。今日も、お忙しい中、お越しくださいまして、まことにありがとうございます。
本日のご案内役は、私、日建設計広報室の谷礼子でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、本日は、ご案内のとおり、早稲田大学特命教授の伊藤滋先生にお話をいただきます。本日は、『国土計画は必要か?』と題してご講演をいただきます。
伊藤先生のプロフィールにつきましては、お手元のレジュメのとおりでございます。
それでは、伊藤先生の大変貴重な、そしてこのフォーラムでしか伺えないお話をゆっくり、たっぷり聞かせていただきたいと存じます。
先生、どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

伊藤 今日は、川上征雄審議官がおられますので、早目に終わって、2人で対談できたら非常にいいと思っています。
私がこの国土計画にかかわったのは昭和35年、所得倍増計画の頃です。僕が29か30ぐらい。所得倍増計画というのは、経済企画庁という有名でカッコいい役所がつくったんですが、その所得倍増計画に、太平洋ベルト地帯構想がくっついてきたんです。当時の通産省の連中が所得倍増計画の付録として太平洋ベルト地帯構想を書いた。80才くらいの方はおられますか。その年代の方ならわかるんです。75才だとちょっと遅れるんです。
石油精製所にアメリカの資本とイギリスの資本がくっついてロイヤル・ダッチ・シェルやカルテックスになったように、三井と住友と三菱の巨大資本をくっつけて日本の海軍の重要な石油工廠だった四日市、徳山に石油産業を定着させようとした。そのことが裏にあって、太平洋ベルト地帯構想というのを書いたんです。この話をすると、今から25年ぐらい前に東大にいた頃の国土計画の講義をするように延々と2時間ぐらいかかりますので、それはやめます。
そのとき、それに対して、これはおかしいという役人集団がいたんです。昭和14~15年頃に日本政府に企画院というのがありました。


 

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