→日建グループへ





 PDF版はこちらです→ pdf

僕が山元町の御用聞きだったら、「これは移せない。坂元は殺しましょう。あそこに駅をつくるのはやめましょう。山下駅のところは残しましょう。ここのところは、建て替えの時は3階建てのコンクリート建築でやってください。避難道路の真ん中は土盛りして、避難道路をずっとこの奥まで行けるようにしましょう」という提案をしようとか、いろいろ考えさせられる絵姿です。
(図91)
これが山下駅。こうやって商売しています。
(図92)
この辺、全部住んでいる。
(図93)
洗濯物を干して生活している。これを移すというのはできないですね。
(図94)
山元の海浜別荘地。これも悪徳不動産屋が売った。こういう海浜別荘地というのは全部だめです。不動産屋はひどいですね。不動産屋というのはいんちきだと思いましたね。僕も不動産屋の端くれなんですけど・・・。
(図95)
ここが海で、これは全部津波が持ち込んだテトラポットのたぐいです。
(図96)
宮城県の堤防は、3メートルぐらいで、全部やられているんです。特にこの辺はひどい。前のテトラポットも全部やられている。岩手県の堤防はしたたかだった。県ごとに津波に対する認識の深さが違う。岩手県のほうは学習が強かった。宮城県はちょっと手抜かりがあった。だから、その被害をもろに受けたのが石巻です。
(図97)
新地です。ここに立っているのは僕です。日本相撲協会と書いてある。問題が片づいたら、放駒理事長が「さあ、これでようやっとおれたちも東北に慰問旅行に出かけられる。行こう」というので、東北に地方巡業を始めました。地方巡業を5~6カ所やったんですが、最後の千秋楽がこの新地というところだった。新地というのは福島県です。福島県の一番北です。福島県というと、みんながいろいろ複雑な気持ち、変な気持ちになっていますね。それはけしからぬというので、相撲協会は千秋楽を新地でやった。ここに放駒と書いてある。豊真将とかいろいろ書いてある。白鵬も書いてある。ここでちゃんこを相撲協会は1300人分出したけど、1600人来た。おまけに自衛隊がこれと一緒になって、新地の相撲興行の場所で、特別に装備品を市民にわかるように並べたんです。相撲様々で、おれは相撲だというので、撮ったんです。新地というのはそういう意味で悲しい町ですね。福島だということだけなんですが。
(図98)
これは新地の副町長と会談をやりました。
(図99)
新地は、山元よりも駅と市役所が近くて、なおかつ、海の被害は余りない。
ついでに、新地の港はそんなに被害を受けてない。何故かと言いますと、東京電力と東北電力がやっている相馬火力発電所というのが昔からある。相馬火力の発電所部分は新地なんです。だから、固定資産税がガボッと入る。発電所部分以外の事務所や倉庫、実験施設は相馬なんです。相馬より新地のほうがもらいが多い。相馬火力に入れる船、石炭火力は、大きいんです。それが太平洋の荒波をまともに受けると入れませんから、ちゃんと離岸堤をつくっている。離岸堤の中を貨物船が入る。今回、離岸堤が効きまして、新地の波をかぶる度合いが少なかったんです。やはり大企業の下にぶら下がるのはうまい汁を吸えるということですね。離岸堤なんて普通、県庁だってつくってくれませんよ。そういう面白ろみがある。
(図100)
津波に関係ないのは新地です。
(図101)
ところが、ちょっと新地から出ますと、こうですね。離岸があってもこれぐらいやられるのは当たり前なんです。高さが5メートルぐらい上がると、こうなんです。
(図102)
5メートル下がると、これです。
(図103)
これは同じですね。
(図104)
これも同じです。新地の駅が完璧にもがれて、駅がない。
(図105)
ここからちょっと行ったところに市役所があります。町長が来ている。町長が「まあ、ひとつ頼みますよと。いいおじさんがいたらお願いしますよ」というので、僕と5~6人とこうやって話しています。いいおじさんを東京で探してこれからご紹介しますといって、非常に友好的に握手して別れた写真です。
(図106・動画)
それから、相馬に行って泊まりました。相馬の市街地は、結構やられていました。新地、山元と同じで、5~6メートルの津波が、防潮堤がないので、もろに来ますから、やられてしまいます。やられて、なおかつ地盤沈下で水ズブズブなんです。
(図107)
これは相馬の新地側の火力発電所です。
(図108)
これが僕たちの泊まったところ。もともとここは観光地で、宿屋があるんですが、ここにも、家や船を津波が引き込んで落としていった。非常にローカルな観光地の観光ホテルみたいなところに泊まりました。そこは土建屋さんのお兄さんたちが泊まっていました。女性1人と男性6人に分かれて泊まりました。野郎が6人、80歳から50歳ぐらいがむさくるしくて汚くてズラッとウナギのように並んで寝た。そういう宿屋です。
(図110)
相馬へ行きます。これが代行バスです。相馬から亘理まで行く。
(図111)
福島県の防潮堤はやはり弱いんですよ。全部壊れてしまいます。
(図112)
ここは消波ブロックがダーッとぶち込まれた。岩手県ではこういうのは見かけなかったですね。
(図113)
原ノ町。ここが例の南相馬です。原ノ町まで行きました。ここも代行バス。相馬に行きます。
(図114)

 

        10 11
copyright 2011 NIKKEN SEKKEI LTD All Rights Reserved