復興に向けた取組み

復興に向けて・ ・ ・

2011年3月11日14時46分。東北地方太平洋沖で発生したマグニチュード9.0の巨大地震・東日本大震災。想像をはるかに超える大津波による甚大な被害を受け、約1ヶ月半を経過した今もなお多数の行方不明者の捜索が続いています。震災の犠牲となられた方々に謹んで哀悼の意を表します。また、被災された皆様方に心からのお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。

さて、今回の震災での被害は、大規模かつ広域であるとともに、原子力発電所も被災し、復旧・復興に向けて解決しなければならない問題は極めて複雑多岐、かつ広域に及ぶため、それらの課題解決が容易ではなく、かつ長期にわたる対策が必要なことは想像に難くありません。

その一方で、一日も早い被災者の方々の生活再建をはじめとする復旧・復興に向けた迅速な取り組みも強く求められています。このように山積する課題に対して、迅速な被災地復旧と地域再建のための中長期的な構想・計画を同時併行で進める中で立案する復興計画においては、元どおりの地域社会を取り戻すことでは不十分です。すなわち、この震災を乗越えて、希望に満ちた新しい未来を切り拓き、持続可能で力強い安心・安全な地域、日本を構築する視点を持って復興にあたっていくことが重要と考えます。

本提案は、このような視点に立ち、東日本大震災からの復興についての基本的な考え方を、第一弾の提言としてとりまとめたものです。今後、この場が多方面の皆様方からのご意見を頂き、より提案内容が深度化し、第二弾、第三弾の提案へと活動が継続するプラットホームとして活用されることで、少しでも復興に向けての活動に役立つことができれば幸いです。

また、建築・都市・環境の専門家集団である日建グループの一員として、災害からの早期復興と新しい日本の創造に向けて、取り組んでいきたいと考えています。
 
 平成23年4月
日建設計総合研究所