暮らしやすさの観点から徒歩圏内の施設充実度を評価する指標

Walkability Index

暮らしやすさの観点から徒歩圏内の
施設充実度を評価する指標

Walkability Index

『Walkability Index』は、ある地点から徒歩圏で到達できる範囲に
「都市のアメニティ」がどれだけ集積しているかを100点満点で評価する指標です。

レーダーチャート見本
日建設計総合研究所は、国立大学法人一橋大学大学院ソーシャル・データサイエンス研究科(清水千弘教授)の監修のもと、「徒歩での生活しやすさ」を都市のビッグデータから数値化した不動産周辺環境の評価指標『Walkability Index』(特許出願中)を開発しました。

『Walkability Index』は、ある地点から徒歩で到達できる範囲に、生活利便施設、商業・レジャー施設、教育・学び施設 *  といった生活をする上で近くにあって嬉しい「都市のアメニティ」がどれだけ集積しているかを100点満点で評価する指標です。本指標は、株式会社ゼンリン提供の各種データ及び都市に関するオープンデータを用いて算出しています。
生活利便施設:スーパー、コンビニ、ドラッグストア、医療施設、公園など
商業・レジャー施設:飲食店、カフェ、パン、大型商業施設、娯楽施設、スポーツ施設など
教育・学び施設:習い事教室、書店、文化施設、子育て施設など

Walkability Indexとは?

不動産の周辺環境を数値でわかりやすく可視化
行ったことのない初めての街でも、物件周辺の環境を直感的に把握でき、今住んでいる街との比較も簡単にできます。

徒歩で到達できる都市のアメニティを集計

詳細な歩行経路データから徒歩圏を設定しているため、直線距離を用いた場合よりも正確に実態を把握できます。
歩行者経路を用いた「徒歩圏」の算出

歩行者経路を用いた「徒歩圏」の算出

「徒歩圏」内のアメニティの特定

「徒歩圏」内のアメニティの特定

任意の地点ごとにピンポイントにスコア化

50m四方のエリア(一街区相当)ごとにスコアを算出しているため、同じ駅の周辺でも場所による差を表現できます。
同じ「駅徒歩10分」の2地点もその違いが明確に。

同じ「駅徒歩10分」の2地点もその違いが明確に。

「住宅」と「オフィス」で異なる評価が可能

「住宅向け」と「オフィス向け」で利用するユーザーの属性に応じて、アメニティの種類を選択しているため、バラエティーに富んだ評価が可能です。
住宅「全般」「ファミリー」「単身」「高齢者」

住宅「全般」「ファミリー」「単身」「高齢者」

オフィス

オフィス

「Walkability Index」の利用シーン

Walkability Indexは、さまざまなシーンでの活用が可能です。
Walkability Indexを見ればその場所の施設充実度を客観的に把握できるため、
例えば「物件探し」「まちづくり」「不動産戦略」「調査研究」などの分野で活用できます。
1

物件探し

ご自身の生活スタイルに合った「まち・家選び」や「オフィス移転先探し」などに。
2

まちづくり

まちの「エリア特性の比較」や「ウォーカビリティ指標」としての活用などに。
3

不動産戦略

データに基づいた新店舗や事業所の「立地戦略の検討」や「不動産の価値評価」などに。
4

調査研究

データに基づいた「定量的な都市分析」や「都市政策・開発効果の評価」などに。

「Walkability Index」の利用イメージ

ヒートマップ

Walkability Indexをヒートマップ表示することで、エリア間のスコアの差を、地図上でわかりやすく可視化することができます。

「住宅」と「オフィス」を基準としたヒートマップ

住宅を基準としたヒートマップ

住宅を基準としたヒートマップ

オフィスを基準としたヒートマップ

オフィスを基準としたヒートマップ

住宅は「全般」「ファミリー」「単身」「高齢者」の指標があります。

「アメニティ」を基準としたヒートマップ

アメニティとは、スーパー、コンビニ、カフェ、飲食店、医療施設、子育て施設、文化施設など
生活をする上で「近くにあって嬉しい施設」のことです。
これらの個別アメニティのローデータもご提供可能です(オプションサービス)。
スーパー

スーパー

公園

公園

カフェ

カフェ

福祉施設

福祉施設

レーダーチャート

Walkability Indexをレーダーチャート表示することで、個々の地点の特徴をわかりやすく可視化し、
複数地点を比較することができます。

「任意の地点」を比較したレーダーチャート(オフィス)

丸の内A地点のレーダーチャート

丸の内A地点のレーダーチャート

丸の内B地点のレーダーチャート

丸の内B地点のレーダーチャート

「Walkability Index」シリーズ

高低差スコア

標高データと弊社独自整備の徒歩圏データを用いて、徒歩圏内の高低差をスコア化しました。
エリアの「徒歩や自転車での移動しやすさ」、「車いすやベビーカーの利用しやすさ」などの検討に活用いただけます。

東京都のスコア可視化例

Walkability Indexの各スコアと同様、50m四方ごとにスコアを算出(図は世田谷区付近)

みどりスコア

緑被率データ※と弊社独自整備の徒歩圏データを用いて、徒歩圏内のみどりの量(緑被率)をスコア化しました。
エリア内の公園、街路樹、庭園、草地、農地等も含めたみどりの量を表現する指標として活用いただけます。

東京都のスコア可視化例

Walkability Indexの各スコアと同様、50m四方ごとにスコアを算出(図は渋谷区付近)

緑被率データの開発:清野 友規, 藤原 邦彦, 鶴見 隆太, Google Earth Engineを用いた町丁目別緑被率オープンデータ(全国版)の作成と評価, 日本建築学会技術報告集, 2022, 28 巻, 68 号, p. 521-526, https://doi.org/10.3130/aijt.28.521

「Walkability Index」の対象エリア

全国47都道府県をカバー

Walkability Indexは、全国の都市地域を対象に評価しています。
三大都市圏、その他都道府県ごとに評価しています。

「Walkability Index」のデータ更新頻度

年4回のデータ更新

アメニティポイントデータ:年4回(最大)
アメニティポイントデータとは、個別アメニティの属性とその位置情報を持ったデータです。

歩行経路データ:年1回
歩行経路データとは、歩行者が通行可能な道路のネットワークデータです。

導入実績

Walkability Indexは様々な企業・団体様に導入いただいております。その一部をご紹介します。

「Walkability Index」を物件周辺の徒歩圏内環境を評価したスコアとして掲載(※1)

LIFULL HOME’S
物件探し
LIFULL HOME’S
導入企業・団体の声

LIFULL HOME'S の各サイト(※2)にて、物件ごとの周辺環境スコアを可視化するために利用しています。50m メッシュ単位でスコアが算出されているため、基本的には掲載物件ごとに固有のスコアが表示できています。そのため、ユーザーが物件を比較するための有力な指標になり得ていると思います。今後、スコアを構成する施設項目を用途に応じてカスタマイズできるとさらに利用の幅が広がると思います。

(※1)掲載期間:2020年9月~2023年4月
(※2)不動産アーカイブ住まいインデックス
 

『Walkability Index』を国土交通省が推進する「Project "PLATEAU(プラトー)"」に提供

国土交通省
まちづくり
調査研究
国土交通省
導入企業・団体の声

国土交通省都市局によるUDX* 推進事業「Project PLATEAU」において、PLATEAU VIEW の重畳データとして一般公開しました。Walkability Indexの導入により、デジタル空間上に再現された都市の中に、「施設充実度」を表現しています。点数の高低を、地図上に色分けされた「ヒートマップ」で示すことでわかりやすく可視化できました。今後もさまざまな都市情報と掛け合わせることで、まちづくりの新たな視点や気づきが生まれることを期待しています。

*Urban Digital Transformation/まちづくりのデジタルトランスフォーメーション

サイト:PLATEAU VIEW 

論文・書籍掲載

❐清水千弘編著(2020)『不動産テック』朝倉書店
https://www.asakura.co.jp/detail.php?book_code=27587left;">❐清水千弘(2022)
地域の魅力の測定方法とその課題 -Walkability Index・再考-
CSIS Discussion Paper (The University of Tokyo) No.175
https://www.csis.u-tokyo.ac.jp/wp-content/uploads/2022/08/220804WI_ShimizuF-1.pdf


Hino, K., Baba, H., Kim, H., & Shimizu, C. (2022).
Validation of a Japanese walkability index using large-scale step count data of Yokohama citizens.
Cities; 29 January 2022, Volume 123
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0264275122000531


清水千弘・馬塲弘樹・川除隆広・松縄暢(2020)
Walkability と不動産価値: Walkability Index の開発
CSIS Discussion Paper (The University of Tokyo) No.163
https://www.csis.u-tokyo.ac.jp/wp-content/uploads/2020/06/163.pdf


❐清水千弘編著(2020)『不動産テック』朝倉書店
https://www.asakura.co.jp/detail.php?book_code=27587
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