2015年 所長年頭挨拶

2015年01月05日

本日9時半より行われました、当所所長 野原文男による年頭挨拶を下記の通りお知らせいたします。


新年明けましておめでとうございます。

 

ご家族あるいは親しい友人の方と、いつもとは違う時間の過ごし方を楽しまれたことと思います。私のお正月の楽しみ方はスポーツ観戦です。今年は、箱根駅伝で一人のヒーローが誕生しました。ご覧になった方も多いと思いますが、青山学院の神野大地選手です。彼の身長は164センチ、体重は43キロと小柄で、しかも大学入学時は体重が40キロに届いていなかったそうです。そんな神野選手が“2代目山の神”として有名な東洋大学の柏原選手の記録を20秒も上回ったのです。とても信じられない記録です。本人曰く、「他の選手と較べて苦しくなった時に粘れるところに自分の特徴がある」のだそうです。私にも彼のような精神力があればなあと思いますが、皆さんはどう思われますか。

 

話は変わりますが、初詣に出かけて願い事をされたと思います。その多くは、大切なご家族の健康や安全、あるいは学業や就職などについてだと思います。それらも勿論大切ですが、今年はご自身の健康を一番に考えてみてはどうでしょうか。ONOFFを明確に分けた時間の過ごし方を工夫するとともに、在宅勤務やテレオフィスの推進を通して得られるゆとりの時間が、健康面だけでなく仕事面においても良い影響を及ぼすと思うからです。

 

さて、昨年を振り返ってみますと、自然災害が頻繁に発生した一年だったように思います。大雪にはじまり、記録的な大雨による洪水や土砂崩れ、相次ぐ大型台風の日本列島縦断などです。これらの災害に巻き込まれ尊い命を落とされた方々のご冥福を心からお祈りすると同時に、都市や環境をテーマとするシンクタンクとしては、これらの災害から学んだ教訓を街づくりなどの提案に活かしていく必要があると思います。また、温暖化が及ぼす気候変動が、やがて農作物への被害や海洋の酸性化などに繋がり人類存亡の危機を招くといった警鐘が鳴らされています。それを何としても防ぐために、今、我々に出来ることをNSRIから発信していく。そんな重要な責務を我々は担っていると考えて下さい。

 

一方で、3人の日本人科学者がノーベル物理学賞に同時に選ばれるといったまさに快挙と言って良い明るいニュースもありました。さらには、宇宙探査機“はやぶさ2号”の打ち上げ成功といった嬉しいニュースも記憶に新しい出来事でした。宇宙航空開発機構JAXAに依れば、“はやぶさ2号”が持ち帰る予定の惑星の地下物質からは生命の起源に関する発見が期待されているとのことです。“はやぶさ2号”は現在、順調に航行中で、このまま行けば2020年末に地球に帰還できるそうです。2020年と言えば東京オリンピックの開催年ですから、オリンピックに続いて世紀のビッグニュースが日本から世界に発信されることになるかと思うと、何だか急に2020年が待ち遠しい気がしてきます。

 

次にNSRIにとっての昨年一年を振り返ってみたいと思います。昨年は本当に忙しい一年でした。そんな中にあって“やりくりーぜちゃんと地球のまちづくり”という絵本を出版できたことは私にとって望外の嬉しい出来事でした。環境問題の緩和に向けて教育が基本だと言われていますので、この絵本がその役に立ってくれるものと期待しています。また忙しい時間を縫ってこの絵本を使った出前授業を行って戴いた所員の方々には本当に頭の下がる思いです。

絵本に続いてNSRI選書の第2弾“スマートシティはどうつくる”も昨年末のクリスマスの日に何とか出版に漕ぎ着けることが出来ました。今年もNSRI選書第3弾が出版できることを期待しています。

 

さらに昨年は、グループ制を敷いた初めての年でした。グループ制そのものに戸惑うことは無かったと思いますが、今年は新たにグループが二つ増えます。その一つが海外・戦略グループです。昨年まで海外・戦略タスクフォースと呼んでいましたが、グループリーダとメンバーを固定して新しい一歩を踏み出します。もう一つは、都市開発グループから分離した都市施策グループです。このように社会ニーズの変化やNSRIの成長と共にグループは増えたり消えたりするのが理想です。来年再来年に向けて新たなグループを興す意気込みで業務に取り組んで欲しいと思います。

 

最後にNSRICI(コーポレイトアイデンティティ)である“Passion for Sustainable Cities”についてお話します。このCIは一昨年9月に決まりました。とても素敵なCIだと自負しています。活気に満ち溢れ、魅力的な組織になりたいという願いをこめたCIです。創立10周年を来年に控えて今年はこれまで以上に充実した一年にしたいと思います。そのためにも“Passion for Sustainable Cities”の合言葉を胸に、全役職員が一丸となって価値ある提案を行い、そして成長していくことを年初目標に掲げます。この目標実現のためには役職員の皆さんが公私ともに充実した一年を過ごすことが必要で、先にお話したように時間の使い方の工夫がその鍵を握っています。「急がば回れ」の諺がありますが、まさに「時間をデザインする」ことが私達の目標に着実に近づく方法のように思います。

 

ご清聴ありがとうございました。