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(図14)
12 芝浦協働会館です。料亭街の見番です。昔、モノレールが浜松町から出て、ちょうどカーブしたところの真下に見えていた建物です。その後、手前にビルが建ってしまって、モノレールからは見えなくなりました。これは3~4年前ですが、今はどうなっているだろうと思って見に行くと、網がかかっていました。一応保存建物にするしないという議論をして、それが決定された直後だったと思います。
(図15)
13 洲崎パラダイスの名残り。私は以前木場に住んでいたことがあり、こういう建物が幾つも残っていました。今はほんの数軒になってしまっていますが、昔の遊郭の形がそのまま残っています。扉だったんですが、これは閉じてしまって、1軒の住宅として使っています。今も残っているかはちょっと不安です。


(図16)
14 これは目白通りを走っていてどうしても気になって、車をとめてもう一回撮り直したんですが、何か変なものがガードレールにくっついているんです。確かにここは前、プラタナスの並木になっていたことは知っていたんですが、それを切ったときにこうなったわけです。ガードレールに食らいついて、俺は絶対ここから離れないぞと言っている状況でございます。大正製薬の近くのデニーズの前です。
(図17)
15 これは我が家の近くで見たお猿さんですが、こっち側とあっち側を切られてしまって、でも金網が絡まって動けないので、両手を挙げて「助けてくれー!」と言っているものです。女房と散歩をしていて見つけた近所の話です。

 


(図18)
16 これがきわめつきです。今日のお話のイントロの最後です。世田谷区、木造の建物の横にマンションが建った。しかも、このマンションはこの木造の家を覆っておりまして、きっとここにおじいちゃんが住んでいて、「わしが死ぬまで絶対この家は壊さん。できるものならやってみろ!」と息子に言ったら、息子が「やってみたよーん」と言って、建てたのではないかと思います。基準法上はどうなっているのか、私はさっぱりわからない。設計事務所に勤めているのにわかりません。
(図19)
散歩の魅力は魔力だと思っていますが、歴史、都市機能の集積、地形、よりしろ(宗教)、動植物、生活、生き方、迫力、その他、いろいろなことに出会える散歩が今でもやめられなくて、歩けなくなるまでは続けていこうと思っています。
今日の講師の岡田先生は、先ほど申し上げましたテクノスケープの研究者で、私の研究室の後輩でもあります。特に工業遺産や土木遺産、遺産と呼ばずに現に使っているものまでも含めて、その見方、考え方、捉え方について研究されている近畿大学の教授です。
今日残りのお時間は、岡田先生のお話をみんなで承りまして、その後、会場の方も一緒になって、どういうことが楽しいのか、学術的に価値があるのかなどについて意見交換をさせていただきたいと思います。

 では、岡田先生、よろしくお願いします。(拍手)
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