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1.東京都心の低炭素化

2.床面積増加に伴うCO2排出量の推計

3.低炭素化目標の設定

4.低炭素化の進展イメージ

5.多様な面的対応による低炭素化

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(図65)
先ほどの広域蒸気導入はいいんだけれども、お金がかかる。下水熱のヒートポンプ、これも導管にお金かかる。地域コージェネを導入する。これは先ほど言いましたが霞が関で3つぐらいエネルギーセンターがありました。あれぐらいの導管配置で、熱交換、CO2を効率よく下げていく冷温水供給の機械のコージェネに替える。これはガス屋の発想です。これをやるにはそうお金がかからない。この3つのやり方を考えようということになりました。 それで、結論はどうか。
(図71)
単体対策に地域コージェネのケースBというのがあります。これは単体対策をやって、先ほどのコージェネレーションであまり大きくない導管をやると26%削減できる。1990年比25%削減するというのが2020年です。これは政府の公約です。だから、ここでいう26%は、削減目標より1%上回って削減している。それの効果は、28%は単体でやったけど、残りの3%は面的なコージェネをやらなければだめだということになる。問題はその値段がどれくらいかということです。
(図79)         
CO21トン当たり対策コスト幾らかかるかというのを計算しました。面的対策のところだけ言いますと、下水熱利用は何と、1トン当たり11万3395円かかる。大変な金がかかります。広域蒸気も、清掃工場から持ってくるだけで3万5600円かかる。広域蒸気を少し使って地域コージェネも入れると3万2000円かかる。ところが、地域コージェネを節約して部分的に入れて、余り金のかからない地域コージェネをやると1万4000円なんです。これをやるのが霞が関では一番リアリティーがある。最終的な決め手は、単体コストが一番どれがいいかという選択です。すると、ここに出てくる一番いいのは何か。CO2削減の量は少ないけれども、空気を送る動力をコントロールするのは900円。熱源高効率化、ヒートポンプのようなものを入れると1万2000円。Low-eガラスは高くて、6万5000円。それから、LEDは何と8万円かかる。太陽光に至っては12万円かかる。
こういうことを考えて、安い順からいうと、搬送電力をまず直して、熱源高効率化をする。ヒートポンプ化して、その次に地域コージェネを入れていく。こういうことで1つのグラフができます。
(図80)
グラフの見方。
(図81)
これは単体対策(ケースA)で、25%削減までにCO2を1トン当たり何円で、どれぐらい供給できるか、安い順に並べたものです。供給量が限られていますから、一等初めの搬送動力、これは929円ですけれども、削減量は3500トンぐらいしかない。次が熱源高効率化、これはヒートポンプをよくする。9000トンぐらいあります。ただ、値段が1万1000円だから、バンと上がる。その次に、Lew-eガラスです。これは削減量が1900トン分ぐらいしかない。だけど、高い。それから、照明高効率化、これは1万トン。これは高い、8万円。最後に、どうしようもないから太陽光を入れておく。それでも、25%までいかないんです。23%ぐらいでしょうね。単体対策ケースは駄目だ。
(図82)
ケースB。単体対策に地域コージェネを足す。先程のように安い順から並べます。搬送動力削減で900円。地域コージェネは意外と安くて、1万4000円。Lew-eガラスは先ほどと同じ。それから高効率照明は、かなりいい。照明高効率化、1万トンありますから、かなり供給できる。それから、太陽光発電をやる。こうなると、太陽光発電をしなくたって、地域コージェネを入れれば25%は確実にクリアできる。こういうことをやらないと、現場で本当に低炭素化をやるのにどうしたらいいかということが出てこないんです。
これは学校の教師はやりませんし、役人はやらないし、本来、電気屋とガス屋がやるべき情報だと思いますが、やってないんです。
だから、今日は、年寄りの冷や水なんですけど、かなり必死になって頑張って、皆さんにリアリティーのあるご説明をしました。まだ、途上ですが、その成果をご披露した次第です。2時間話しまくって恐縮でございましたけれども、これで終わりにします。どうもありがとうございました。(拍手)
谷 先生、お忙しいところをありがとうございました。また次回、続きを楽しみにしております。
以上をもちまして、本日のフォーラムを終了させていただきます。本日はありがとうございました。


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