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(図48)
この時代に、光化門交差点に横断歩道をつくりました。1967年に地下歩道をつくって、その入り口が交差点にありました。ソウルに5万台の車があった時代です。車のために人は地下にもぐらなければいけなかったんです。ここに2005年、横断歩道をつくることになりました。5万台あった時代には人が車のために地下にもぐったのですが、300万台を超えた2000年代に入って、上に横断歩道をつくったということです。そんなに大したことではないと思われるかもしれませんが、これはソウル市にとって大きな一歩を踏み出したことでした。

(図49)
これは都市が、車が主体ではなく人間が主役になったということです。市民たちの手でこのような横断歩道をつくるまでに37年かかったということですが、ここでとどまらなかったんです。もともと片道7車線ありますが、それを5車線に減らしました。この道路のど真ん中に広場をつくりました。このような痕跡はソウル市内のあちこちであります。
(図50)
これは市役所前の昔の様子です。車が主役になっている写真です。市役所前に大きな広場をつくるようになりました。車のかわりに市民たちが遊べる空間ができました。
(図51)
開発時代にはふたをしてしまった清渓川が復元されるようになりました。
(図52)
これはソウルで普通に見られるバス中央車線です。右側に見える乗用車のほうは渋滞に巻き込まれても、バスだけはスイスイと通れます。公共交通手段を優先するという政策をソウルは普通に今行っております。
(図53)
また、地下鉄は今もつくられています。この写真は3年前につくられた地下鉄9号線の様子です。
(図54)
これは最近の住宅再開発の様子です。かなり高層化されるようになりましたが、昔と比べると、周辺の町とつながっているような形をとっていることがわかると思います。
(図55)
最近のソウルの変化のトレンドについて説明したいと思います。トレンドといいますか、ソウル市の現状とこれからの挑戦と言わなければいけないと思います。
(図56)
最初に言えるのは、人口減少と高齢化です。私は、ソウルの人口はこれから1000万人を下回ってくるのではないかと思っています。それよりも深刻な問題は高齢化ということです。65歳以上の人口は80年代には2.5%でしたが、2000年には5.4%、11年になってからは10%を超えるようになりました。2020年になりますと、15%まで増えるのではないかと予想しています。平均年齢も高齢化します。1980年には24.8歳だったのが、去年の場合は38.7歳になりました。この間平均年齢が14歳も増えたということです。
今まで韓国で行った政策の中で一番成功したのは家族計画です。家族計画というのは子どもを2人以上は産んではいけないという政策でした。その影響でソウル市はこのような問題に遭っているということです。2人以下の世帯が全体の50%を超えるようになりました。また、世帯平均は80年には4.5人から、2.44人になっています。これからは部屋の大きさが小さいマンションが主流になってくるのではないか。このような問題については統計を分析しなければいけないのではないないかと思っています。
(図57)
次は、川の南側と北側の格差が出てきたということです。川の南側の開発は成功しましたが、北側が老朽化しています。南側と北側の発展のスピードが違ったということで、北側のほうが井までには違和感を覚えることになりました。


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