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(図58)
次は、景観と歴史文化資源の毀損についてお話したいと思います。ソウルでは歴史文化資源の消失の危機に立たされました。また、丘陵地周辺の大規模な開発が許可されることになって、自然環境が毀損されるおそれが出てきました。住宅問題を解決するためにマンションを建てるようになったんですけど、そのマンションのおかげで戸建て住宅がなくなってきています。超高層マンションの問題がこの都市には大きな問題の1つになるのではないかということです。
(図59)
また、再開発、再計画のために庶民の住宅が減少していることが大きな問題です。この整備事業で庶民住宅の在庫が大幅に減少しました。これは庶民たちの定住性に脅威となりえます。
(図60)
次は、産業構造の変化です。ソウルの産業は、昔の製造業から今はサービス業が主体となり、大きな変化を見せています。また、ソウル市の経済成長率がほかの都市に比べると低いということが言えると思います。ソウルが全国をリードできない。これは首都圏を規制したということで問題になっているのではないかと思います。
(図61)
次は、気候変化に対応するということです。政府の政策をソウル市が先導しなければいけないという立場があります。2005年に京都議定書の発効があり、ソウル市も先進国と足並みを合わせて地球温暖化解消のために頑張らなければいけないと思っているわけです。
(図62)
今までの50年間を振り返りながら、未来のソウルをイメージして、2030年を目標とした都市基本計画をつくりました。今説明するのは去年の末までに確定したソウル市の基本計画でございます。去年の暮れに補欠選挙でソウル市の市長が新しい市長になりました。ソウル市の市長の政策の方向は保守から革新になったということが言えると思います。大きな変化が今進行中でございます。今説明する都市基本計画も少し修正があるのではないかなと思います。
(図63)
ソウル市の基本計画は未来の価値を提示して、また骨格を形成を先導する形になります。1990年、97年、2005年に分けて新しい目標を定めてきました。90年代までは快適で健康な都市をつくりましょうということを掲げました。2005年には治癒と回復を大きなテーマとして挙げています。
(図64)
未来のソウルは、世界的なグローバルトレンドに合わせていかなければいけないと思います。経済成長の鈍化とともに高齢化、1人世帯の増加にも対応できる都市でなければならないと思っています。歴史・自然・人間というソウルの強みとポテンシャルを最大に生かしながら、未来の様子を定めました。これからのソウルの様子は、一言で言うと、暮らしやすいグローバルグリーンソウルということです。
(図65)
この前、ソウル市民の意見を収れんしました。環境親和的な都市、競争力のある都市を市民たちは求めました。ソウルの発展方向としては、生活の質を改善してくださいという意見が多かった。
(図66)
この課題を解決するために4つの課題をつくりました。競争力のあるグローバルソウル、魅力的な歴史文化ソウル、ともに生きる幸せなソウル、親環境グリーンソウルということです。
(図67)
 空間構造の計画も変化を加えました。1つの都心と5つの副都心、11の地域中心をつくって、広域化に対応した多核分散型の空間構造をつくりました。また、生活圏域別に均衡発展を目指します。
(図68)
このためにも実現戦略としてソウル大都市圏の多核連携型空間構造をつくる。そのためには、大都市の中心機能と地域別の特化育成による多変化という2つが言えると思います。また、駅前開発の土地利用を強化することにしています。ソウル大都市圏の統合的な交通インフラを拡充します。

 

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