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(図10)
私の家は2000年竣工ですから、1999年ぐらいの技術でつくっています。ただ、その後も追加的にいろいろな対策をしています。例えば、竣工後増やしたものとしては、インバーター照明をずっと使っていましたが、電球ソケットの部分にはほぼ全部、調光装置がついていて最初は白熱球しか駄目でした。しかし、今は、調光装置が付いているものについてもLEDを入れています。可動ひさしも最初はなかったんですが、やはり直射光、ダイレクトゲインがあるのは嫌なのでつけました。屋上緑化も竣工時はなかったのですがやりました。テレビも全部かえました。それから断熱カーテンも後で入れました。自動消灯スイッチもかなり徹底的に、ことしの夏の節電のためにさらに増やしました。そんなことで追加的にやったことはありますが、基本的には1999年にやって、後いろいろ努力してきたということであります。

 

 

 

 

 

 

 

(図11)
南屋根は左側です。東から見ていますので、左が南、右が北になる。南屋根は小さいのは、北側斜線べったりになっていますからで、北屋根が広くなっています。南屋根は直射光があたるので太陽熱をとる。南側は床暖房やお湯をとるためのOMで、北屋根で太陽光発電をしています。他に風力があったりします。また、南面には、緑のカーテンが、長さメートル高さ1.8メートルぐらい入っている。冬ですから出ていませんが、可動ひさしも入っているということでございます。
(図12)
これが北屋根のパネルと南屋根の集熱パネルです。これは皆さんご存じのとおりです。
(図13)
温まった空気をダクトでおろしてきて、床下に入れて、輻射熱をいただいている。これでは2階が暖房できないので、2階にまきストーブを置いています。もちろん、普通のガスエンジンのエアコンも持っていますが、天気のいい日はなるべくこれでやっています。寒かったら、2階以上はまきストーブをたく。1晩この写真くらいの量の薪で大丈夫です。割とまきが少なくても、暖房できます。
(図14)
これは先ほどの緑のカーテンのプランター部分です。上のさっきあった雨水タンクから水がパイプに来て、ここにバルブがあって、ここでポタポタと水をやる仕組みになっています。
(図15)
これは後でやった3階の屋上緑化です。
また、写真は緑のカーテンの中から見たところで、このプランターは7つぐらいです。
(図16)
これはOMのコントロールのところです。かなり古い。2000年のものですから、もう少しいいのにしなければと思います。さらに、スマートメーターではないんですが、電力消費量モニターを置いています。いろいろなところの電力をコンセントと機械につながっているプラグとの間に電流計を入れて、そこから電波で飛ばしている。さらに、分電盤なんかでも、ある程度部屋ごとのものも測っています。いずれにせよ、こういうモニターがあります。これは何もスマートではない、測かっているだけのメーターであります。スマートにするためには、これをアクションにつなげないといけない。ただし、測っているだけでも面白いです。測っているだけでは電力消費が減るわけではないですが、いろいろ勉強になります。
(図17)
測るとどういうことが分かるか。先ほど言いましたように、自然エネルギーの供給があるわけですが、それをもらうエネルギーの消費側でなるべく減らしてあげないと、ただでさえ少ない自然エネルギーが有効に使えない。どうしようかということであります。そのヒントになるのが、測定結果です。
(図18)
例えば、やっぱりエアコンを使うと大きいですね。エアコンはヒートポンプをガスエンジンで動かすというタイプで、残念ながらもう売ってないです。お客さんもあまりいなかったんでしょう。私は、もともと電力のピークカットを考えていて、夏場の昼に使うことを考えて、わざとガスエンジンにしていたんです。でも、ガスエンジンHPといっても、はっきり言えばやっぱり電気も使うんです。例えば、プラグに火花を飛ばしたり、冷たい空気を吹き出させたりするには使う。そういう意味でいうと、ガスの量と電気の量を両方電気換算して月当たりに直したらこのぐらいになったということです。実際には、中央に1個あって子機が7つぐらいあるんですが、一遍に動かせる能力は4カ所ぐらいです。上のほうの階でつけておいて、全館冷房をやることはもちろんできるんですが、4台個別に動く。4で割ると25キロワットアワーぐらい。それがエアコンとしては大きいのかどうか、電気のエアコンをはかっていないので、私もよくわかりません。でも、動かすと大きいですね。
それから、大きいのはやはり冷蔵庫です。冷蔵庫は1台で50キロ、60キロ使っている。特に夏場は70キロぐらい使う。冷蔵庫の対策はすごく大事だと思います。ノンフロンの冷蔵庫は当時、日本製がなかった。代替フロン、HFCなどの冷媒の冷蔵庫しかなかった。HFCは、ご案内のとおり温室効果が大きいので、オゾン層対策としてはよかったのかもしれないけれども、気に入らなかったので、私の家ではあえてドイツ製を買ったんです。これは、温室効果のない炭化水素冷媒です。ドイツ製は、ドイツですから質実剛健で、自動霜取りもついてなければ、自動製氷もついていない。霜が冷凍室にだんだんたまってくると、全部電気を切って、中の冷凍食品はアイスボックスに入れて、霜が落ちるのを待って、溶けた水を拭いて、またおさめるという本当にコンベンショナルなものでした。子どもが友達の家に行ったら、「お父さん、氷が自動的にできるんだよ」といっていて、家のはいかにも時代遅れだと言われたこともあります。そのうち、子どもが大きくなって容量が足りず、買いかえたんです。電力消費量は10キロ減りました。さすがに日本製はすごいですね。容積当たりの電気消費量はもっとすごいですよ。断熱材が日本のほうがいいので、冷蔵庫の壁が薄いんです。だから、外見は余り変わらないんですが、中の容積は日本製がはるかに大きい。
そういう冷蔵庫で月当たり10キロワットアワー減りましたが、冷蔵庫の置き方が大事だと思います。夏は70キロですが、冬は、涼しいと30キロ。エコハウスだといっているから、そんなに涼しくはないんですが、それでもこんなに違うということがあります。

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