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電子レンジなんかは大したことはなくて、月当たり3キロぐらい。電子レンジはブレーカーが落ちるぐらい大きく電気を使うような気がしますが、均らしてみると大したことはないんです。結構大きいのは暖房便座。28キロ。
皆さんの家は電気を1月にどのくらい使っていますか。あまり見てないですかね。私はしつこく見ています。普通の家といってもどういう家かよくわからないんですが、今や1世帯当たりの人口は1.7人、せいぜい2人です。これを平均的な世帯というのかどうかよくわかりませんし、月によっても全然違うので、単純には比べられないと思いますが、そういうのを全部均すと、1世帯当たり月当たり大体300キロワットアワーぐらいといわれています。300キロワットを月に使うとしたら、冷蔵庫は大きいし、エアコンも大きいと思います。ブラウン管テレビは今はなくなってしまいましたが、その中で暖房便座、湯沸かしポットの10キロは大きいです。お湯がいつも飲めるように温まっているだけですが、それで10キロだったらけしからぬといって、うちはやめちゃいました。必要なこときに沸かせばいいだけです。暖房便座もそうです。いつ人が来るかわからないから、ずっと温めて待っていてくれていると、こんなに使ってしまう。節電モードがあるから、節電モードにしたら、夜行ったら寒かった。あんまり賢くないですね。今はもっと賢くて、人が入ってきたら温まって適温になっていると思います。
こういうことがわかるので、先ほどの測っているデータは機種の使い方や交代の時に使う。15秒間隔ぐらいでデータがとれているので、瞬間値もわかります。例えば無駄に電気がついている場所がわかれば、そこをコントロールしてくれるとか、冷房が一生懸命動いているのにリターンが下がってこなかったら、窓があいているのではと思ってみたり、いろいろなことが本当はできると思います。現状、私の家でやっているのは全然スマートではないので、測った上で、この機械はけしからぬ、これは何とか撃滅してやろうということを、人間が頭を使ってやるしかないわけです。
(図19)
いろいろな努力をしてきましたが、我が家は08年までで50%CO2を削減しています。先ほどの2050年世界排出量半減というところには大体来ている。実は、2008年で切っている理由は、09年に親が入院して死んでしまったので、住んでいる人が4人になってしまった。比べることはどうかなと思ったんです。99年は大人が4人で、小さな子どもが2人いるという世界でした。今は子どもが大きくなって、ほとんど大人みたいな子どもになって、水道なんかジャブジャブ使うので、この棒グラフを続けてもいいかなとも思っています。
それを続けたとすると、今は60%も切ってしまった。次の目標は80%に置いています。先進国の80%という事実上の脱温暖化ができるレベルまでやってみたい。もちろん新築の家で、面積が広かったら今の技術でやればゼロエミッションを目指します。最近はハウスメーカーで売っています。置き場所がいいというか、敷地がちゃんとあって、ある程度平屋みたいに建てられて、屋根が広くとれるお宅なら、今だってゼロエミッションできると思いますので、別にどうということはないんです。ただ、都会の狭い敷地に建っていて、さらに、その建て替えた時に比べて、その後の追加的な対策の中でだんだん減っていって80%までいくということがあれば、なかなか面白いかなということでいろいろやっています。
今年も終わったら計算してみたいなと思いますが、去年に比べて、ほとんどの月が、電気もガスも減っています。震災のせいだったと思います。もう削れないかなと思ったんですが、結構削れています。
(図20)
これがそのデータです。平均で200キロぐらいでしょうか。4月~9月のどちらかというと良い季節のデータで、自然エネルギーが大きい時期です。寒い時期は自然エネルギーは余りないので、太陽光パネルからの電力もあまり来ない。床暖房や熱給湯が少し使えるぐらいですから、もっと電気料金は増えると思います。4月~9月は6カ月で1334キロワットアワー、月200キロちょっと使っているということですが、去年に比べると半年で20%、節電命令が来た、7、8、9月では25%ぐらい減っていると思います。
どういう手段でやったかというと、照明ぐらいしか残っていなかったので、照明電力の削減は、調光装置がついていて白熱灯が入っていた電球型のソケットのところに、調光装置対応のLEDを入れていった。最近のLEDは本当に明るい。色も、私は蛍光灯が好きではないので、電球色の蛍光灯を使っていましたが、電球色のLEDの調光対応がちゃんと出ていて、ちょっと高いけど、買いかえたということです。
それと、一時点灯スイッチ。自動消灯スイッチ、時間がたつと消えるというのを入れられる限り入れました。少しモラルハザードの部分があって、子どもがよくつけっぱなしにして、私が朝起きてくると廊下に電気がついていたりします。それに腹が立つから「消せ、消せ」というんですが、子どもは消してくれないから一時点灯スイッチにかえました。いよいよ消さない。自然に消えるものだと思うから、教育上あまりよくないと思いますが、そんなようなことをやった。
それから、大した量ではないんですが、太陽光発電をさらに強化しまして、独立回路として使える太陽光発電をつくりました。先ほど風力発電機が置いてあったので、わかったと思いますが、もともと家は風力発電をしていました。それを蓄電し、インバーターをかまして、非常用のコンセントをつくって、壁の中に配線して、4~5カ所で電気がとれるように独立回路を最初から持っていました。だけど、風力発電ではあり電気をとれないんです。使うほうの発電機のコントローラーや、今発電しているのがどのくらいの量かを表示するところのLEDの表示のほうが0.2ワット使っている。0.2ワットで、ずっと蓄電池の電気が引っ張られると蓄電池が上がってしまう。鉛電池は上げちゃうと復活がなかなかできなくて、どんどん衰退していって、結局使えない独立回路になっていましたが、それをまた戻そうということで蓄電池も買いかえ、もちろん風力も発電するときは10ワットぐらいしますが、それに加えて150ワットの太陽光発電をつけて、それを直流で蓄電するという形にしました。
150ワットで入る先、入れる蓄電池は400ワットアワーで、その400ワットアワーを全部使ってしまったら、また蓄電池はもちろん壊れてしまうので、200ぐらい使っています。200ワットアワーぐらいを毎日使ったとすると、1カ月の使用できる電気は6キロワットアワー。その6キロワットが、普通の系統電力から振りかえて節電になったのかなと思います。何に使ったかというと、夜の間ブンブン回している扇風機や常夜灯、パソコンの充電です。電池がなくなるとピーピーとインバーターが鳴って、とまるぞといってバタッととまってしまう。パソコン、特にノートパソコンは蓄電池が入っているので、とまってしまっても別段困ることはない。
あまり大っぴらにはいってないんですが、最初は、扇風機や電流計も壊してしまいました。それは、最初にあったインバーターが矩形波といって、電力のカーブがガキガキしていたんですね。きれいな正弦波のインバーターではなかった。そうしたら、扇風機の音がかわって、そのうち動かなくなってしまいました。それで、扇風機を2台買いかえた。
これではいけないなと思って、インバーターも買いかえて、きれいな正弦波が出るものにしました。それで何にでも使えるようになったので、非常回路といわずに平気で使っているというのが現状です。液晶テレビでも十分動きますので、1部屋はモデルルームみたいに全部独立回路だけで動かしている部屋もつくってみました。
(図21)
これをどんどん広めていかなければいけない。家で普請道楽をやっていても仕方がないので、政策に生かさなければいけないということで、住宅エコポイントや家電エコポイントもやりました。脇道ですが、役所で次官になると国会に呼ばれて答弁しなければいけないということはなくなります。局長さんまでしか答弁できないんですが、恐らく自分の局長時代最後のほうの答弁で、家電のエコポイントを検討するために予算委員会で答弁しました。いろいろといわれましたが、結果として合格になって、政権交代があっても、ちゃんと使っていただいている。住宅エコポイントは今度の補正予算でも入っているようですから、さらにやられるんだと思います。こんなふうに生かしていきたいということです。
(図22)
次は、今ある省エネと新エネの協力を都市でこそやらなければいけないという話です。そもそも個々の社会経済主体が自分の庭だけきれいにするというのは、今もやっていますから、これ以上のことはなかなかできない。むしろ協力するということでさらなる削減を考えるべきではないかと考えるわけであります。

 

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