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フリーディスカッション

 大変多岐にわたるお話をいただきまして、ありがとうございました。特に先生のまちづくりにかける熱い思いというものはとてもしっかり伝わりました。
会場の皆様、先生にご質問のある方、どうぞお手をお挙げください。先生は港区のまちづくりについて、皆さんが日ごろ思われていることを後で聞きたいとおっしゃっていましたけれども、その辺のことでどなたかいらっしゃいませんでしょうか。

河合(㈱竹中工務店) 情熱的なお話ありがとうございました。たくさん聞きたいことがあったんですが」、時間がないので、1つだけお聞きしたいと思います。
今日お話しになった、特に具体的内容については、魅力で人を集め、ビジネスも住民も集めるような方向にあると思います。今後の日本、2025年に向けての社会保障の方針を見ても明らかなように、人口が縮退していって、しかも社会の周りの情勢を考えると、より経済的に豊かになるようには思えないんですが、そういう縮退社会、高齢化社会、少子化社会が前提となっている中で、港区として今後劇場型で活力を上げていこうというときに、人、ビジネスを集める以外にどういうことをお考えになっているか、聞かせていただければと思います。

安田 一自治体の立場ですから、大それたことは言えません。港区はたまたま少子高齢ではなくて、子どもがどんどん集まってしまって、もうマンション結構ですと言っているような状況です。多子高齢化社会に入って、人口も増えつつある。社会保障の話もされました。マン・ツー・マンで高齢者を支えるような環境になるということを前提にどうしたらいいかということは国策として考えなければいけないんですが、私は福祉の部門に長かったことから、思っていることが1つあります。
それは、高齢者介護ですね。私は今54歳、20年ぐらいたてば、要介護認定率は25%ぐらいになるんです。その年代の人は4人に1人は介護を受けなければいけない後期高齢者というのに入っていく。そのときに、介護保険財政、実際の身体介護、施設とか家に訪問するマンパワー、それを支える人間が、人口減少社会の中で逼迫するのは明らかだといわれているわけです。そのときに外国人労働者の話が出ています。
私は外国人労働者を導入することはやぶさかではないと思いますが、1つ注意しなければいけないのは、命を扱う現場、例えば看護師、ケアワーカー、そういう方たちは日本語ができないと厳しいと私は思うんです。家に訪問して、お年寄りの身の回りの世話を労務的にやる役割はどんどん入れていいと思います。ところが、その本人は24時間、365日働けないわけです。だれかに必ず引き継がなければいけない言葉があります。それは看護師の世界で必ず夜勤明けに朝ナースステーションでやっているじゃないですか。簡単な話です。そのときの引き継ぎが理解できて、命を扱う情報を完璧に理解できるかどうかで、その職につけていいのかどうかを判断すべきだと思うんです。
今国がやっている試験は、日本語ができないとはじいて、オール・オア・ナッシングで、白か黒かとやっていますが、私は外国人を入れていいと思うんです。でも、本当に命が危ない方たちを扱う現場においては、日本語ができないと厳しいんじゃないでしょうかという課題を持っています。そういう前提で人を集約するとか、豊かな日本を維持するために、外国人労働者を入れていく、それは私はあるべきことだろうと思います。

 ほかにどなたかいらっしゃいませんか。ふだん安田部長さんに面会をいただくのは大変難しい。ぜひこの機会に。いらっしゃいませんか。よろしいですか。
それでは、先生、今日のすばらしいご講演どうもありがとうございました。(拍手)
本年もフォーラム、大変お世話になりましてありがとうございました。来年も引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。皆様、どうぞよいお年をお迎えくださいませ。
以上をもちまして、本日のフォーラムを終了させていただきます。
(了)

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