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区有地はここの通りの駅側のほうにございます。ほぼ同規模の土地と交換をして、こちらを区有地にして、駅側のほうを東京ガスさんの土地にして開発をしていただく。田町駅東口北地区のまちづくりビジョンというかガイドラインをつくって、ここは公共ゾーンというふうにいたしました。
日建設計さんとの関係でいうと、ここの棟の1つが文化芸術ホール棟、総合支所棟、スポーツセンター棟と3つあります。この基本構想をつくるまで日建設計さんとおつき合いをさせていただきましたが、基本計画のところから違う某社に行きまして、残念ながらおつき合いは途切れてしまいました。このスポーツセンターの向こう側、こちらからは見えませんが、南麻布にある愛育病院が病棟を移転してまいります。この建物の向こう側には芝浦公園という都市計画公園ができて、2ヘクタールの中に行政、病院、公園が整然とでき、また低層の開発とすることで風の道も通していくという開発をいたしました。
当初予算の積算は450億円でございましたが、総合評価制度の提案制度によりまして、314億円で落札された建物になっております。これは鹿島建設のJVで落とされました。ただ、今年の5月着工と考えておりましたら、3・11がありまして、ここは津波の被害の可能性もあるということで、すべての建物のいろいろな機能を見直していく中で、残念ながらこの文化芸術ホール棟は当面見合わせという判断になっております。着工は来年の5月、この支所棟とスポーツセンター棟は着々とやってまいります。それと時を同じくして奥の愛育病院も着工する手はずになっております。ちなみに愛育病院は日建設計さんが設計をとられました。そういう港区内でのおつき合いをちょっと紹介させていただきました。
(図4)
さて、私が勤めております港区、23区の中で都心区の一角をなすわけですが、区長のもとに組織があります。若干ご紹介します。どこの区でも区長のもとには副区長、市であれば市長、副市長がいます。私が入庁したころはどこの区も法律上助役といっておりました。助役さんは1人でした。区長が1人、助役が1人、これで政治を、議会側との権力均衡をやっておりましたが、今は、都では副知事が4人もいますが、仕事、責任が増えたので、港区は事務系と技術系で2人制ということになっております。ちなみに区長は武井、副区長は野村と内藤です。副区長も特別職で、議会同意を得て就任するわけですが、議決を得た日から4年間です。
このほかにも教育委員会などもろもろありますが、いわゆる首長部局というところで紹介をいたします。世田谷区が同じ行政執行体制をとっております。いきなり部が来るのではなくて、総合支所というエリア行政をやる組織を第1順位に置いております。港区を5つに分けた新橋や浜松町あたりの芝地区、六本木あたりの麻布地区、赤坂・青山の赤坂地区、白金とか白金台の高輪地区、山手線の海側の芝浦港南地区があり、私は街づくり支援部長の他にこの芝浦港南地区の総合支所長というのも兼務をしております。
ここは地域行政をする小さな区役所だと思ってください。行政順といいまして、順位があります。私は5番目の支所長です。支援部というのも、こちらが1番目、だんだん右に行きます。私はこの街づくり支援部長というのをやっています。産業、保健福祉、保健所、子ども、このあたりを民生部門といいます。私どもの中で対人サービスをやっているところです。対物、街などを担当するのが街づくりと環境リサイクルでございます。それから、企画、防災危機管理、総務、この3つの部門をいわゆる官房系といっております。全庁的な仕切りをする組織でございます。それぞれに部長がいます。そのほかに、教育委員会にも部長がいたり、監査委員会に部長がいたり、区議会事務局に部長がいたりしますので、これにプラス4~5人の部長がいるということです。全員この支所長は支援部長を兼務しております。私が芝浦港南、福祉の部長が高輪、子ども系の部長が赤坂、産業系が麻布、環境系が芝。必ず部長は支所長を兼務せいという区長の平成18年からの命令で、給料は1人分なんですが、2部門をやらされているということです。企業でもこういうことあるんですかね。例えば私は街づくりで宴会にも呼ばれて、歓送迎会など山のように出るわけです。でも、全部同じ額を払います。そういう意味で、区長に言わなければいけないんでしょうけど、普通の部長より1.5倍ぐらい欲しいなと思ったりはします。
港区は12月1日現在で、人口は20万8213人です。外国人は2万733人。私も、区長のもとで政策に携わることが多かったので、「区長これからは港区民は20万人というのはやめましょう。23万人ですよ。23万人のうち21万人が日本人、2万人が外国人、こういういい方をしたほうがわかりがいいですよね」という話を常々区長にしてきたところです。
全国に基礎自治体は東京23区を入れると1742あります。私が公務員になったころは3300といわれておりました。平成の大合併を経て、1800を切るところまで来たわけです。そのうち、港区の21万人という人口はどれくらいの順位にあるかというと、意外と上の方なんです。11月1日現在で、区市町村で126位です。人口の多さからすると1742のうちの126番目。これは私も少し驚きました。東京で生活していると20万人というと小さい自治体のように思ってしまうのですが、決してそうではない。10万人を超えると大都市ですと外国の方とお話しすることはあったんですが、日本の中でも多いのだなと改めて実感いたします。
市でトップは横浜市です。370万人ほどいます。大阪都構想で平松さんがはじかれてしまった大阪市は270万人で第2位の人口を有しております。後ほど政令市のお話などもするので、そこでお話をさせてください。
港区についての前置きが長くなりましたが、業界ではこの港区のまちづくりはどのように評価されているのか、常々私は気にしているところでございます。まちづくりの現場に身を長く置いていないせいでしょうか、それが大変気になります。
象徴的なことが去年ありました。ある都市開発系のフォーラムで、広さはこの倍ぐらいのところに大勢いらっしゃる中で、こちらでもよくお話しされている先生が壇上におられて、私は自分のボスである前の副区長と一緒に座っておりました。複数の東京都の職員もおりましたし、複数の区のまちづくり系の職員にもいたんですけれども、客席に呼びかけがありました。時あたかもアジアのヘッド・クォーター、総合特区などの制度づくりが始まっていたころでございました。そのときに都心区のある区の副区長さんがおられて、先生はその副区長さんを名前で呼びかけられ、その区のまちづくりを「非常に素晴らしいですね」といういい方をされたわけです。やりとりがあって、その後、「そういえば港区いますか」といわれたんです。そういう位置づけなんだなとそのとき私は痛感したわけです。業界の中でと、十把一からげにいっていいのか知りませんが、こういうまちづくりを進めるという仕事をしていく仲間の中で港区のまちづくりの位置づけがどういう位置づけにあるのか少し思い知った瞬間でした。そのあたりから、私も少しふんどしを締めてという気持ちになったのが偽らざる心境です。
さて、政令指定都市ですと、港湾行政は市がやっています。横浜市がやり、川崎市がやる。東京23区のエリアでは東京は港湾局がやっています。すぐ隣の千葉市、川崎市は政令指定都市ですから、市が港湾行政をやっているわけです。東京都港湾局から、ある計画文書に対する照会が来ました。


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