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僕は横須賀に20年ぐらい行きましたが、よくあんなところに平気で住んでいるなというところがいっぱいありました。あそこは馬堀海とか津波がやばいです。首都直下地震で一番問題児になるのは横須賀ですね。
(図24)
あとは当たり前の話です。先ほどいった区役所の夜間人口対応の避難所というのは学校がほとんどです。小学校、中学校を避難所対応にしています。これは、そこに住んでいる人が逃げ込む場所なんです。一時帰宅困難者が入ってもいいのかもしれませんが、やはり夜間人口優先です。
補給の体制は、啓開道路を中央防災会議で決めていまして、そこの自動車を全部自衛隊の戦車で押しつぶして広げていきます。啓開区域が幾つかあります。練馬のほうからの川越街道。世田谷通り。こっちも1つありました。啓開道路を開く意味は、後ろに必ず自衛隊の基地があるんです。水戸街道は、奥のほうに行くと水戸もありますし、習志野キャンプもある。それにつながっているのが全部啓開道路、それは戦車をもって自家用車をダーッと押しつぶして道を広げる。そして自衛隊のトラックが入っていく。
それから、海上です。今、表向き国の定めた補給基地は、癌研の裏とビッグサイト、モノレールの車庫。あの横に国が定めた防災基地があります。そこに警察と自衛隊が入る場所が1つあります。今のところ、防災基地で物資を置く場所は川崎の東扇島の救援拠点、有明は応援の警察官や自衛隊が来て、そこからこちらに入っていくという対応をしております。
(図25)
先程からDCPといっていました。District Continuity Plan。駅前を中心にした再開発をして、そこに一時帰宅困難者用のいろいろな便益施設を設けるというのが新聞にも出ました。それと同じことを早目に僕たちも書いたんです。例えばこういう場所で、DCP、主に、昼間人口、通勤通学、業務、買い物、私事の目的的都心活動で用事を足したいという人と外国人に対して、緊急時に混乱を生じずに日常的な機能活動が途絶えることなく継続できるような共助を中心にしながらの防災対策。ここには必ず、防災隣組がソフトでいてもらいたい。飯田橋の日建さんや大和ハウスのあるあの辺のオフィスの団地には、まだ十分完成してないんですが、隣組的な機能があります。あの辺に避難してきた人をどうおさめるかという話があります。お茶の水は学生の町。東京、新橋、芝公園も大事なんです。浜町周辺、品川周辺、こういうところをDCPにする。そこに救命、避難についてのリーダーがいる。それから、情報通信、電源・エネルギー。さらには、ちょっと休める広場や地下街、水、こういうものをワンセットでDCPで備えるようしたらどうかという提案をしました。
(図26)
おもしろいことに、僕たちがDCPをしたらいいというところは、どういうことか全部区境なんです。飯田橋ですと、千代田区と文京区と新宿区。ロータリーのところを頂点にして3つに分かれています。共助でDCPをやるということを考えてないんです。新宿区長は、東京理科大があるし、神楽坂の人たちも手伝ってくれるので、厚生年金病院を中心にして、怪我した人を救出する活動をするようにしましょうと言っているんです。千代田区はそれに全然関係なく、日建さんのところでひとまとめにして、ここに来た帰宅困難者に対応する。文京区は全然関係ない。文京区はこのところを再開発する必要はない。頭にきて、飯田橋でDCPを宣伝しようと思う。3つがバラバラなんていうのは、まさに都庁の指導性がないとほえているんですが、都庁は「こういうのは区にお任せしているので、よろしくお願いします」。役人というのは昔からそうなんです。だけど、命にかかわるような話だったら、区がやるべきですね。
お茶の水もそうです。千代田区と文京区。四谷は新宿区と千代田区です。全部区境です。新宿の南口もそうです。新宿区と渋谷区。新宿の駅前を道路1本越えると渋谷区です。そういうところをこれから出てくる隣組なんかと一緒になって、全体的にどうまとめるかというソフトな組合をつくって、そこにいろいろな区の人をおびき寄せて、絵姿を書いて、再開発計画を、森ビルや三井さんにやらせる。そこにちょっとした休憩スペースをつくったり、お医者さんが安心して診療できる場所をつくってやろう。そういうことをやらなければいけない。
重要なことは、区境であるが故に、まさに自主防災隣組など地元の民間活動を企業がやらなければいけない。こういう話です。
(図27)
その1つの例として、昔説明したんですが、お茶の水の千代田区と文京区の間で、病院で一番重要なお湯とガスを供給するネットワークを共同溝のような形でつくる。そのステーションを日本大学の前の杏雲堂病院の横の地下、日大駿河台病院の下につくって、そこから主としてお湯や蒸気の熱を供給するようにしておく。三楽病院も全部の病院が一体となる。地震のときも、エネルギー、お湯に対して、供給は安全だ。こういうことをやったらどうか。お茶の水に坂があります。そこの広場で、例えば日大付属病院や杏雲病院の先生がトリアージをする。トリアージとは何かというと、負傷した人たちをチェックして黒や赤や黄色や青の札を貼って、「あなたは赤だから、すぐに杏雲病院に行きなさい」「あなたは黄色で、今看護婦さんが来るから待っていなさい」「あなたは青だから大丈夫だ」「黒はもうだめ」というように仕分けをすることです。相当冷酷です。これをやるのも、DMATの非常に重要な仕事だそうです。
(図28)
あとは通信の確保です。

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