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3.都心市街地のインフラとエネルギー計画

(図29)
あとは、エネルギー計画。これもいいでしょう。ガス屋さんがコジェネをやりたいんです。ガスエンジンとか。今乗り気です。ガス屋さんがこの際というので、コジェネをやる。
(図30)
これも全部ガス屋の入れ知恵です。仕方ないんです、電気屋が出てこなくてガス屋しかいないから。
(図31)
大江戸線が一番安心な物を運べる地下鉄になりそうです。常識的ですが一番深いですから。阪神・淡路のときに、地表面に近い三宮から山を越えた後ろの住宅地に行く地下鉄の駅がぶっ壊れてしまった。上のコンクリートアスファルト道路が盛り上がって、上がった下にダイタイの駅があって、使えなくなってしまった。地表面に近いということでは銀座線が一番危ないんです。大江戸線が一番安全です。大江戸線を使って、人と物を練馬のほうから運ぼう。
余談ですが、私鉄で地震のときに一番安全なところはどこか。西武池袋線です。というのは川がないんです。京王線も小田急も東横線も全部多摩川を渡らなければいけない。京成電車も東武電車も江戸川と隅田川を渡らなきゃいけない。西武池袋線は川がない。関東ロームに一番近いところですから、地震の時にどこに住んだら絶対安心かというと練馬区です。そういったら、西武の人は喜びました。「今までろくな話を聞かなかったけど、1つだけ先生いいことをいってくれた。それを西武で宣伝します」と。本当なんです。あの方向は安全です。東上線は台地を外れて、川の埋立地を走りますので、東上線も安全ではありません。池袋線は一番お勧めです。防災電車です。
(図32)
これは、先程いった第1次緊急輸送の啓開道路です。これは環七です。これは東北道。宇都宮から自衛隊が来る。これは水戸街道。幾つかあります。
前に皆さんにお見せしたかもしれませんが、首都高が、ちょうど今壊れる寸前です。ご存じのように、首都高1号線というのはひどい。羽田からの古い道路。実は東京モノレールもひどいんです。あれはいつ壊れてもおかしくない。首都高1号線が一番深刻です。そのほかに、5~6年前に、江戸橋周辺の鋼板構造の高速道路には繰り返し荷重で相当小さいヒビ、クラックが入っている。いずれ何かしなければいけない。しかし、このご時世で、首都高建てかえ、首都高をどうするかということを検討するのは、民主党になってからもそうですが、自民党のときも、無駄金を使うな、高速道路をつくるなといって、じっと肩をすくめていたんです。でも、やはり首都高はやばい。
30年の70%でしょう。ここだけの話ですが、3~4カ月前に、今はやめて別の大臣になった、国交省の副大臣から話がきました。この絵姿を僕は4年前か5年前に世の中にご披露した。それに目をつけたのが、石原幹事長のいるロータリークラブで、「これはおもしろい。登録意匠はあんた方に任せるけれども、宣伝は我々に任せてくれ」といって、ホテルニューオータニを借り切って世の中に大宣伝をやったんです。石原慎太郎が挨拶をした。それでオシャカになって3年ぐらい眠っていたんです。ところがその副大臣が、ロータリークラブと通じていたかどうかわかりませんが、これはおもしろいから再検討しろと国交省の人にいったんですって。国交省も前からこれを何とかしたかった。僕は小泉政権のときに、国交省の技術系の一番偉い人が「伊藤さん、これはどうせ壊れるんだから、建てかえ費用を出さなければいけない。単に700円の運賃で、年間細々と少しずつお金を出して、40年か50年か70年か知らないけど、お金を返していく会計とは別に、緊急の補修工事の金を入れればできるかもしれない」と相当無責任なことをいったのを覚えているんです。これは役人もどうも関心を持っているらしいんです。
僕たちの勉強会では、一応書きましたが、あまり自信がないので、鹿島建設の土木屋さんに、これ、できるかとチェックしてもらったら、鹿島建設の土木屋は「先生、できますよ」というんです。僕たちはそれまで、伊藤リングといっていたんですけど、それからは鹿島リングと名前を変えた。そのほうが建設省にも通りがいいですから。鹿島土木のお墨つきだ。鹿島リングといっています。
首都高を全部やるというわけではない。1号線はもうガタガタですから、1号線の建てかえをやって、江戸橋のところを切りかえて、大深度にする。これだけはとにかくやってくれないかという提案をしています。大深度で大体40メートルでいきますから、地震に強いんです。全体の話は地震が来て終わった後でいいですから、とにかくこの1号線で錦糸町のほうから通ってくるこれだけは何とか大深度で建てかえてくれよという話です。
東京モノレールもやばいんです。東京モノレールはJRが買った。JRから見ると買ったときは何か使えると思ったけれども、今はお荷物です。なかなか金がとれないんです。あれは地震の時に使わないほうがいい。京浜電車の方が余程いい。東京モノレールは何かしなければいけないです。
(図33)
水上輸送。これも大事なんです。隅田川と、もう1つ江戸川があります。これは日本海難防止協会が水上ルートを使ったり、いろいろ書いています。荒川河口までこれはずっと使えるんです。これは横十間川が通っています。この有明の丘というのが物資供給と人材オペレーションの拠点です。ここに荷物と人を揚げて、荒川沿いにずっと持っていきますと、戸田の奥のところに港をつくっている。ここまで持っていくんです。この河川で一時帰宅困難者などを運ぶのは非常に有効です。それから、羽田も使えます。築地から羽田。区役所や企業の人が一生懸命考えています。帰宅困難者用の水上ルート、みんな道路ばかり気にしていますが、これを使えば埼玉県に行くのは全部間に合います。
(図34)
ということで大体話は終わりに近づいています。都心地域の高度の防災センターを考えるとき、有明というのは物すごく重要な場所で、有明から新宿方向に向かって道路と地下鉄をつなげるように持ってきてもらいたいことと、何が必要かというと、今のゆりかもめのほかに、東銀座から日比谷線を有明に持ってくるように日比谷線を延伸する。あるいは有楽町線への有楽町線を延伸する、どちらか地下鉄を1本つくる。首都高速の延伸を明石町の辺でやっていますが、あれで首都高速を結びつけて新宿へ持っていく。大江戸線も使えます。
そこに沿って、これから考えられるのは、オリンピック絡みかもしれませんがいろいろなスポーツ施設です。築地には何故かわからないけれども防災上役に立つ場所がありそうですね。ここは豊洲で、東ガスさんも電力さんも持っていますし、市場が来ますから、これはすごい備蓄機能があります。それがずっと新宿に向かうこの路線に沿ってありますので、高速道路と地下鉄新線の2つぐらい入れる。


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