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フリーディスカッション

 先生、大変貴重なお話ありがとうございました。また、今日はたくさん資料をいただきまして、ありがとうございました。
皆様、この機会にご質問がおありの方はお手をお挙げください。

猪狩(㈱イカリ設計) 高野先生、ありがとうございました。私、隅田川市民交流実行委員会を25年やっております。先だっての11月23日のシンポジウムで陣内先生を初め、産業観光部長の栗田さんなどのお話がありました。
今先生がお話しになったように、墨田と台東、墨田と江東、隅田川を挟んで中央とかあるんですが、一番大事なのは、職人の墨田と商人の台東ですね。私はずっと水のまちづくりをしておりましたが、北十間川の真横にこれができると、ほとんど一体になる。その場合に、扇橋水門を通じて、横十間川、小名木川、隅田川と非常にロングランな和船の振興で、ベネチアのゴンドラのようなイメージがあります。
大量の人を運ぶには、枕橋水門、源森橋、小梅橋とございますが、そこが今ネックになっています。そこを扇橋閘門のように閘門化して、船が直接スカイツリーから隅田川に行き来できるというのに、8億円から10億円かかると聞いております。東京都からお金がなかなか出ない。でも、尖閣諸島を買えるぐらいのお金が東京都はあるんだから、私はまず足元から資金を出してもらいたいと思います。それがいつ頃実現になるか。横十間川に船着場をおつくりになるとかいろいろ構想がおありのようですが、江東と結ぶには、小梅橋閘門と、今秋に中川大橋のところの船番所前に川の駅ができる。水陸両用バスが日の丸自動車でつくって、昨年の11月にニュースで話題になりました。水陸両用バスや和船などいろんな船が行き来します。船着場がスカイツリーの真下にできました。そこは10メートルか、11メートルで非常に川幅が狭いんですけれども、少なくとも小船は横十間川を通じて小名木川に至る。旧中川にも入ることができる。そうすると、船番所前の川の駅とのつながりが今後どういうふうに進展していくか。その2点をお伺いしたいと思います。

高野 まず1つは、隅田川の吾妻橋から入ってタワーの前までは直接に行けません。というのは、小梅の樋門は閉ざされていて通れないようになっています。これが通れるようになればタワーまで直接行ける。タワーを回って、グルッと回遊性ができます。ここからディズニーランドまで行けるという話があって、東京都が管理している小梅の樋門を閘門にしてもらいたいというお願いをしています。ただ、数十億円とか、結構お金がかかるし、その後の維持費がかかるので、これについては東京都があまり前向きでないなかで、区長が都知事に要請文を出しました。それで、お互いに研究会を開こうということで進めています。ただし、実現については時間がかかる感じです。
番所橋のところは、江東区が水陸両用バスを導入します。江東区としっかりと連携をして、例えば内河川の運航も、江東区と運航の研究会を開いて共同でやっております。内河川の船事業をやるのに、民間の事業者に入ってもらいますが、大もとの計画を江東区としっかり連携してやってまいりますので、ここも1つの延長線上の話になるのかなと思っております。

井熊(相模原市東京事務所) 今日は都市のプランニングや観光の4つの柱など、非常に勉強になりまして、ありがとうございました。
私が気になったのは、向島あたりは路地が1つの売りになっているという中で、今度は防災の観点でそういったものを整備しなければいけない、街の景観を壊してしまうようなことが今後出てくる。そういった部分で保全とどう両立を図っていくのかという点です。
それと、高札を手続が面倒くさいだから民有地に立てるという話ですが、逆にそういったことで公共の中で反対意見もあったのではないかと思いますが、そういった部分をどういった形でネゴシエーションを図ったか、それだけお聞かせ願いたいと思います。

高野 向島の路地の話は、おっしゃるとおりで、防災上の問題も出てくるわけです。そういうことで、防災的な手当てをしていくところはどんどん魅力がなくなってしまいます。残念ですが、行政がいろいろな制度を使ってきれいにしていくと、今までの魅力がなくなっていく。ある程度、そういう流れはとめられないですが、担い手であったり、地元の人たちがそれを活用しようという動きが一方で起こってきていますので、その辺はしっかりと支えていって、例えば直すにしても、新しくはなるんだけど、懐かしいという直し方がある。新しくなって、六本木と同じビルが建ってしまったら全然意味がなくて、新しくなるけど低層で懐かしさが残っていく雰囲気のものにするとか、その辺の知恵は出していかないといけないのかなと思っています。高札の話は、役所内部も大変ですが地元の方とのネゴシエーションみたいなものは結構大変です。大変ですが、これをやるのが、両国の場合、同じ地元の人だったりするわけです。町会の方が我々と一緒に動いて地元を回っていく。

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