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次は旅行です。協会は第3種の旅行業を取っております。修学旅行はターゲットだと思います。そして、一般の旅行。意外と視察旅行はねらい目だと思っています。商工会議所や経済団体が来たいと言っているので、そういった旅行については、某東武系の旅行会社の現役の支店長に出向していただいて4年目に入っております。3点目は、商品開発、店舗展開です。先ほど「すみだまち処」のお話をしました。あそこで物を売るのは素人ではだめなので、観光協会に運営をお任せしていますが、専門家、某百貨店の現役の部長さんでしたが、55歳でやめていただいてこっちに来てもらいました。
4点目はIT活用です。IT関連については、スマートフォンのアプリを開発したり、観光ガイドブックの電子ブック化をしたり、そういったことをやれるような人間でNTT関連会社をやめた人に来てもらいました。その彼を招いたきっかけは、光タワープロジェクトです。光でスカイツリーを実現しようとしたプロジェクトのメンバーでした。そういうことに興味があるので、観光協会にリクルートしたということです。
これらの4つの柱で今事業を進めています。
観光協会だけでは担い手としては十分でないので、それ以外にNPO法人が動いていたり、向島学会や、最近はジャズをテーマにいろいろなお祭りをやろうという動きがあったり、やはりタワー効果ではないかなと思います。我々が黙っていても、やりたいという人たちが出てきて、しかも、行政の補助金頼りでは結果的に長続きしませんので、違う連携の仕方で動ける方々が増えてきているというのが最近の動向です。
(図27)
事業展開の第2は、東京スカイツリーを活用した観光プロモーションです。先ほど旅行会社の出向で支店長が来ていると申し上げましたが、実際に全国に営業で回ってツアーをつくっております。今日はお手元にありませんが、北海道、秋田、庄内、小松、富山出発のツアーが盛り込まれた薄いパンフレットがあります。地元の街歩きツアーとANAと連携して商品をつくっています。ANAのツアーに参加すると何があるかというと、「すみだ観光まる得ブック」がついてきます。ANAのツアーに参加した人はこれをもらえる。ANAは観光協会からこれを協会から原価で買い取ってもらう。ということをやっています。
何といっても、タワーの5階に整備します「観光産業プラザすみだまち処」がシティプロモーションの拠点です。全国に営業に回っていこうというのがプロモーション活動です。
(図28)
3番目は、街歩きです。1657年の明暦の大火、1658年に両国橋をかけ始めるという歴史上の事実がありまして、それから350年後の2008年、「橋架け350ぶらり両国街かど展」というイベントを2カ月やりました。街歩き商品を16つくりまして、2カ月間観光ガイドさんに徹底的に案内してもらうイベントです。仕掛けは、今も両国の街に60本立っている高札というものです。これがいろいろなところ、例えば吉良邸の跡の中には高札があって、説明があります。当時の切絵図などを使い古い町名を紹介した高札をかなり立てました。元町の跡,小泉町跡、町名、史実のあった場所。回向院も両国橋から真正面に正門がありましたが、正門跡、相撲部屋も10本ぐらい立っています。そういうものを立てて、見て回る街歩きをやる。 
これをやるに当たっては「長崎さるく」を徹底的に研究し、両国の進め方はこれだと思ました。このイベントの成果は3点あります。まず、両国の街歩きのテーマが明確になりました。相撲、鬼平、北斎、勝海舟、テーマがたくさんあって、それを明確にしてルートをつくったというのが1つあります。歴史の掘り起こしですね。
2つ目は、ガイドをつけて街歩きをやるのはそんなに簡単ではないので、事前にPRをしないといけません。申し込みを受け付けないといけません。お金のやりとりが入ります。当日待っていたら来なかったなんていうのがあります。歩いてみたけどおもしろくないと怒る人がいます。そういうトラブル対応があります。要するに運営ノウハウです。今後に生かせる運営ノウハウをここでしっかりつけました。
3つ目は、この高札はほとんど道路、公園には立てておりません。行政の手続が大変だからです。それなら、街の人に頑張ってもらおうということで、マンションの植え込みや、普通の一軒家の窓の前など、9割は民地の中に立っています。街の人が立ててくれるというスタイルをつくりました。そうすることで、街の歴史を地元の人が再認識してくれました。そういうことに役立ったのが「ぶらり両国街かど展」の成果だと思っています。これを向島でもやりたいです。向島でやったら鐘ヶ淵にも展開したい。京島、八広でも1つのテーマでやりたい。そうやって全区的に展開して8つの拠点エリアに広げていこうという構想です。そのモデルがこの事業です。
(図29)
ほかにこういったテーマは幾らでもあります。現在、観光協会では、例えば向島の料亭さん6軒と組んで、スカイツリー日付指定入場券引換券付きで、向島花街料亭でのランチを食べて、観光プラザで2000円のお買い物ができるというツアーを造成しています。それを1万2000円でやるということになっています。
それから、鬼平の舞台がいっぱいありますので、鬼平と歩く両国は何年も前からやっています。
ものづくり体験。職人工房巡りみたいなのもやっています。
こういうものに、観光協会がタワーのチケットとセットで商品をつくることになっています。観光協会が旅行業を取ったと申し上げましたが、スカイツリー社とJTBや近ツリなどの旅行会社は1日何枚という契約をしています。お客さんにスカイツリーをからめて街を歩いてもらえるわけです。これは非常にいい組み合わせではないかと思っています。


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