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(図11)
 

 

 

 

 

 

 

 

 


スカイツリーができることによる効果は何だろうかと考えてみることがあります。まず1つは、東京の開発は、南のお台場、西の六本木から品川が中心になっています。それがここに1つの大きな核ができることで、東京の都市軸が東に移ってくる。皆さん方の心理的にも、人の流れ、イメージも東に軸が移ってきて、それによって、何かにつけ東のほうに目が向くだろうと思っております。
そういうことを踏まえて、地域活性化効果とは何ですかという話になるわけです。1つは、観光スポットになりますので、集客効果があります。2500万人の来街者を東武鉄道で見込んでいます。2週間ぐらい前には3200万人という数字が新聞に出ていました。当初2500万人で墨田区も見込んでおります。地域への経済波及効果、880億円。これは4年ほど前に博報堂に調査を依頼して出してもらったものです。
あとは、当初のねらいです。ものづくりと観光の融合ということで、地域のブランディング、下町文化の創成、こういったことが実現できる可能性があります。それと、先ほど申し上げた水辺の再生です。防災機能拠点の形成というのは、言うまでもないことです。
(図12)
そういう効果を生むためには、行政として、開業に合わせてさまざまな施策を整えておかないといけないということで、平成18年の誘致が決定してから受け皿づくりを始めています。
最初に、先程申し上げましたように、押上・業平橋地区のまちづくりのグランドデザインを策定しました。これはタワーの開発によって直接影響が出る区域が周辺にあります。この区域を35ヘクタール特定し、まちづくりの大きな方向性を出しました。
(図13)
このグランドデザインでは都市計画マスタープラン上の都市機能を「広域総合拠点」という位置づけで提案しております。押上のこのあたりは、タワーの南側に北十間川が流れております。北十間川の整備や道路の整備などをこの中で提案しています。
(図14) 
広域総合拠点をハードの基本計画である都市計画マスタープランの見直しで位置づけ、合せて個別事業の計画を精査しました。北十間川の水辺の活用構想や、16年につくった観光振興プランの改定をいたしました。こういった具体的な個別の計画を基本計画という区の最上位の行政計画の中に位置づけをしました。基本計画の本体は、既にできていましたので、新タワー事業編というのを分冊でつくりました。都市計画マスタープランの見直しに合わせた都市機能を新たに盛り込んで、個別具体の事業を位置づけたというのが新しい基本計画の新タワー事業編です。これらを平成18年度から19年度にかけて精力的に行いました。
ただし、計画を事業化するためには財源担保が必要です。そこで、社会資本整備総合交付金と呼ばれておりますまちづくり交付金の採択を受けるために、都市再整備計画をつくりました。新タワー関連で17事業、その他に3事業、計画をつくった上で国に認めてもらった。当初計画で92億円ぐらいの事業費の4割にまちづくり交付金が活用され、国費が入る仕組みをつくりました。ここまでがお膳立ての部分になります。

(図15)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、タワーの開業に向けてそれぞれの事業が動き出しました。それが今時点でどうなっているかをご紹介します。この押上・業平橋地区のタワーの開発街区の南側を走っている北十間川の整備はすべて完成しております。河川のお化粧直しをして、中央付近に人道橋をかけ、この辺はきれいになっております。タワーに向かって真っ直ぐに、タワーがきれいに見える通りがあり、タワービュー通りと呼んでおります。観光振興プランの中で提案したものです。このタワービュー通りについても、このあたりまで電線地中化、バリアフリー化が完成しております。桜橋通りもこのあたりまで完成しているということで順次進めているところです。


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