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11.日本・韓国・中国を鉄道で直結する未来

(図77)
これから新しい時代に向けてどうつくり直していくかというときに、中国と韓国と日本をどう結んだらいいか。歴史的にも文化的にも最も関係の深かった朝鮮半島と中国大陸との精神的、時間的な距離感をどうやって解消するかというのが21世紀の日本の最大の課題だと思います。
東アジアの中国と日本と韓国が直結することになれば、東アジアが世界の文化の中心になる可能性もあります。中国の文化と韓国の文化と日本の文化は、似ている部分もありますが、微妙に違います。その部分がうまくリンクしてお互いに協力し合えば、非常に魅力的な場所になるでしょう。
(図78) 
日本はリニアモーターカーと言われながらなかなかできません。東京と名古屋を40分で結ぶ、それはそれなりにすごいですが、この技術だけでなく、先ほども言いましたが、300キロで走る高速鉄道がどんどんつながっていくことのほうが大事なように思いました。

 


12.中国・韓国直結計画

(図79)
中国は、2020年までに国内新幹線網はほぼ開通して、それを欧州へ延伸しようとしています。韓国への延伸計画は一時期ありましたが、今はちょっと中座しています。いずれ北朝鮮経由で考えるのではないかと思います。

 


13.2020~2030年以降の中国・韓国・日本

(図80)
先ほどご覧いただいた図です。
(図81) 
 

 

 

 

 

 

 



こっち側を一時期計画していましたが、こっち側になるのではないかと私は予想しています。
(図82)
3月12日の日本経済新聞の朝刊です。中国は、このやや濃い色で塗られている場所に新幹線を輸出しようとしていたんですが、輸出する前に自前でできるだけ西まで延伸して、ヨーロッパの新幹線網とつなげようとしています。2020年から沿線各国の合意をとって2030年までにそれを行います。2030年といったら、18年後です。ほんのちょっと先です。名古屋まで開通するのがこれに近い時です。北京からヨーロッパまで時速300キロの新幹線がつながる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(図83)
そうしますと、先ほどご覧いただいた中国の新幹線網が生きてくるんです。そして、いずれインドや東南アジアにもつながる。貨物列車で車も乗せられますから、韓国とつなげてしまえば、日本が島国でなくなる時代が近づいている。中国のご機嫌をうまくとる技術はもともと日本にはありました。これを見ていると、アジアの中国とインドが世界の中心になる時代がそこまで来ていることがおわかりいただけるでしょう。先ほどご覧いただいた鉄道部分が国内にずっと張りめぐらされているので、すごい国になります。そのすごい国と日本と韓国をつなげましょう。今日はいろいろな年代の方がいらっしゃいますが、できれば長生きしていただいて、多田が言うことは30年後には実現したということを現実としてぜひごらんいただきたいと思います。
何となくこうなる、こういう時代が隣まで来ている。国内で未来が暗いと言っているけれども、暗いわけはないでしょう。難しいですよ。難しいのと暗いのとは違うんです。サイクリング車を列車に積んで、通路に寝るのを許してくれるかどうかわかりませんが、ユーラシア大陸に日本人が着のみ着のままで到達できる時代がそこまで来ているんです。そういう時代の技術力を持ちながら、未来が暗いと言う人が多いです。


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