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(図21)
上海は高層ビルの数では東京をはるかに超えております。テレビ塔では今度634メートルの東京スカイツリーができますから、唯一勝っているのはテレビ塔の高さだけかもしれません。上海万博を契機に、上海の町は、国際都市として、1930年代世界最強の都市だと言われた時期があったようですが、その時代を取り戻したかのように、夜景も昼景もきれいです。数年前は排気ガスで空気が非常に汚れていましたが、最近排気ガスは新車がどんどん導入されて、大幅改善されています。黄砂が砂漠の方からおりてきますので、空気は時々悪いですが、一時期の排気ガスがひどくて息をしていられないという状態はクリアしました。
(図22)
これがデルタの経済圏の夜景です。ここに吉野屋が出ています。夜の歩いている人の服装も日本と変わらないという状態です。

 

 

 

 

 

 

 

 

(図23)
 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユニクロがあります。ブランドショップの大きさや高級商業の大きさは、日本のレベルを超えてしまいました。どれぐらい売れているかについては、日本ほど売れてないと思いますが、スペースがあって、建築する投資余力のある会社もあるということで、いいものをいいスペースで売る力が中国国内でも育ちつつあるということだと思います。上海や北京では購買層も少しずつ育っているということであろうかと思います。
(図24)
最近、1990年代に比較して、古きいい町はリニューアルしてもう一度残そうという動きがあります。上海の田子坊の周辺は昔の風景を取り戻して、飲食やサービスゾーンに変えています。超高層ビルだけで総取っかえするという時代から、超高層ビルをつくる場所と、新天地のように、ややモダンなものをつくる場所と、昔いい町があった場所に昔のいい町を取り戻すという3方向の開発をやっています。「創るもの、蘇らせるもの、残すもの」という日本橋のまちづくりのテーマとしている言葉がありますが、それと同じようなことを中国のまちづくりでもやり始めました。古きよき町をきれいにつくり戻すことが中国の町の魅力を高めつつあります。
(図25)
並木道です。土地がいっぱいあるということもありますが、立派に育ってきております。これは浦東地区の並木です。日本の大都会では4列の並木は、大阪の御堂筋ぐらいしかありませんが、中国にはいろんな都会で4列の並木道が見られます。上海でもここに4列の並木道ができ上がっております。
(図26)
上海万博を境に、緑が物すごく増えました。ほんの少し前まではこんなに緑はなかったのにというところに緑地帯のように緑が増えまして、東京の青山みたいな感じの場所が上海の中にも随所にあらわれております。「花と緑が溢れる上海の街角」と書いてありますが、局所的にいい場所を写してきたというよりは、かなりのボリュームでこういう場所が増えてきております。
(図27)
一方、珠江。ここはアジア大会の直前に行きましたので、まだ工事中の建物が目立ちますが、今は恐らくもう少しきれいになっていると思います。ここにも租界地区をつくり直そうとしている場所もありますから、日増しに町の様相が変わっていると思います。ただ、道徳観でいえば、たんを吐いたり、やや不道徳なことをする人の割合は、北京や上海よりは南に行けば行くほどまだ多いと思います。しかし深圳ではそんな人は少なかったですから、文化度の高い生活をしている人の割合が高まって、しかも、文化度が高くなってからの年数によって、中国人も日本人のように変わっていくということが恐らく証明されていると思います。広州の場合は工事中の場所がまだ非常に多かった。現在はかなりの部分が竣工していると思います。
(図28)
広州の少し東よりに新駅があって、新駅の北から南まで、総取っかえの工事が行われています。幅2キロ、南北5キロぐらいの長さで町が全部変えられている。ほんの少し前まではシャビーな町並みだったという記憶がある方がいらっしゃるかもしれませんが、広州の東地区は抜本的取りかえが行われつつありまして、今は恐らくすべて変わっていると思います。
(図29)
そこに新幹線の駅ができております。広州の中心街に近いところにも並木道はあります。市街の雰囲気はまだ上海の裏町みたいな部分が残っておりますが、その部分の再開発も随所で行われています。東部分のアジア大会の会場がある周辺は近代ビルが林立していまして、それこそ大阪の北・梅田周辺みたいな感じで、立派な都会に変わっております。
(図30)
三井不動産の社員と一緒に、高級ブランドショップがどこにあるかによって、どのあたりに高所得者が住んでいて、どういう買い物をしているかというのを見に行きました。広州でも2カ所にこういう高級ブランドがたくさん出ているビルがありました。


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