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(図38)
(図39) 
ご存じの方には、今頃こんなことを言っているのかと言われるかもしれませんが、三里屯という場所に新しいビルが建って、どちらかといえばIT分野とかデザイナーなどの若い経営者がオフィスを構える場所ができております。日本の建築家の建てたビルもあります。ブランド品としては、どちらかいえばモダンブランドといいますか、ちょっと安いブランドが出ております。北京の外交官が住んでいるあたりや、環状線が1環、2環、3環、4環とありますが、環状線の3環、4環ぐらいまでは開発がほとんど進んでいます。ほんの少し前までは、表通りはきれいだけど、裏へ行ったらまだ昔のままというのが多かったんですが、だんだんと、昔のままでも、先ほどご覧いただいたように胡同をきれいにして、現代風の町に戻すという場所がありまして、全くどうしようもないような昔の町は極端に減ってきております。
(図40)
中国の秋葉原と言われております中関村。これは北京大学や精華大学という大学街があるすぐそばです。お店の大きさや道路の広さは秋葉原をしのいでいます。IT産業や電話産業など、こういう分野についてもそうです。大学生が毎年600万人卒業する。日本は今50万人か60万人ですから、大学生の数も日本の10倍です。大学に入るにも非常に勉強しますから、中国の学生のレベルは物すごく上がっている。前は日本が得意とした産業分野のかなりの部分は中国の学者のレベル、学生のレベルでフォローできるという状態になっていますので、侮れないというよりは数で負けつつある。日本の得意分野はどこにするか、あるいは中国とどうやってコラボレーションしていくかという時代にもう入ってしまったということだと思います。
(図41)
ラスベガスのように、ストリートの上に画面があって、映像が流れるという場所も、北京に「THE・PLACE」に取り入れられています。
(図42)
日本でも最近このアマンホテルの候補地が何カ所かありますが、中国ではもうできました。西北の昔の離宮のそばに、離宮の施設の一部を使ったかのような高級ホテルがありました。中国語がわからないからと言って、勝手に入っていって、勝手に撮ってきました。実際はガードマンが入り口にいて、なかなか入れないんです。私ともう1人の人間はこういうところに行くのになれていますから、うなずいて入っていきました。1泊10万円単位の値段をとっていると思いますから、日本人でもよほどお金持ちしか入れない場所だと思いますが、中国は一部、中のお金持ちも育っているし、共産主義ですが何千年の歴史と文化を持っていますから、外からのお客様をもてなすという感覚は日本以上にあるんです。特に最近ではアフリカや資源国のお客さんを中央に招き入れて接待する。10年前だったら自分たち共産党の経営しているホテルに接待したんですが、今やこういう超高級のホテルを用意して使い分けている。中国はしたたかな国に戻りつつあるし、したたかな国として成長していると思います。
(図43)
ブランドショップも、そういう意味では使い分けの1つです。
(図44)
北京には大きな解放広場があったり、宮城がある。その一番南側に前門があります。その前門の門前町の部分、前門大街。これも地下鉄で行けます。ここに明の時代、清の時代の町並みを復元しています。前門大街というのは東京日本橋のような場所です。今、日本橋は三井不動産が北山創造研究所の力をかりて、江戸の町並みを裏通りに復元しようと努力しております。距離にして1.5キロぐらい、昔の路面電車も復元して走らせています。この線路は路面電車です。表通りは清の町。中国のほんの昔の繁栄の町です。こういうことをやり出して、それも、やるぞと言ったら、3年後、5年後には全部完成してしまう迫力と行動力。万里の長城をつくる力がある国ですから、1キロぐらい総取っかえはお茶の子さいさい、簡単なんです。びっくりするぐらいきれいになりつつあります。まだ工事中の町もありますから、まちづくりに興味のおありの方は是非この前門大街を訪れてみてください。日本橋が10年、20年かかってようやく少しずつ変わってきたのが、3年、5年ぐらいの間に総取っかえが行われる。先ほど、いい面と悪い面があると言いましたけれども、つくる側から見ての話ですが、これはいい面かもしれません。

(図45)
 

 

 

 

 

 

 

 


飛行場のような新幹線の駅です。北京の駅ですけれども、先ほどご覧いただいた新幹線が北京でもいろんな方向にクロスしていますから、ホームの数が10以上あります。飛行場にいるような雰囲気で北京から天津への新幹線が発着しています。使っているホームはまだ2つか4つぐらいです。将来的には10個ぐらいあるホームが各方面行きの新幹線で使われるんでしょう。最高速度は319キロぐらい出たと思いますが、撮った瞬間は317キロです。座席が安定しているのと、ほとんど直線を走りますので、揺れません。昔、コップを置いても揺れないよと言って新幹線で試したことがありますが、それよりましぐらいです。なかなかの技術だと思います。


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