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フリーディスカッション

 先生、どうもありがとうございました。
皆様の中で先生にご質問のある方、お手をお挙げください。

今村(ケイ・テイ・ストアマネジメント㈱) 今日のお話を聞くと、尖閣諸島でガタガタやっている時代ではない、そういうことを政治家はどうすればいいんでしょうか。

多田 経済を考えますと、共同統治とか共同管理をすればいい。我々不動産会社ですと、共同事業というのを頻繁やります。境界線の部分は共同管理すればいいんですよ。キプロスというヨーロッパの火薬ダネみたいなのがあって、北半分はどこかで南半分はどこかになっています。共同管理という発想をすればいい。あそこに常駐したい人がいないということは非常に住みづらいところだと思います。それを政治的な理念で固執するのはもったいないと思います。ただ、先ほど言いましたが、世界を陸続きにして一体化して、変わっていくと、日本人の発想も変わっていくでしょう。何度も言いますが、日本のマスコミは日本人が一体化しないように誰かに操作されている可能性があるということです。でも、本当に大事なことと、本当はどうでもいいかもしれないことが両方必死に語られるんです。そのうちの国境問題については、本当は大事なことでないということは言えませんが、惑わされているところもある。北方領土も、今がチャンスなので、まず歯舞・色丹を返してもらったほうがいいと個人的には思います。でも、4島絶対と言う人ばかりです。「4島絶対と言うけど、あなた、あそこに行ったことがあるの」。あの北の端なんて寒くて日本人は越冬できないと思います。シーズナルにしか行かないような場所なら、1年住んでいる人の国が持つほうがいいと思うんです。あくまでも個人的な見解ですから、受け入れてくれとは言いません。私は、近いところの2つ、歯舞・色丹は返してもらう、そこから先は将来課題あるいは共同統治でいいと思います。昔、樺太も半分ずつにしていました。だから、共同統治でいいと思うんです。その辺は私も政治学をちょっと勉強しただけであんまり詳しくありませんが・・・。経済というのは領土を超えた部分があるので、国土問題で経済のひじを抑えるのはもったいないという論者です。答えになってないかもしれませんが。

今村(ケイ・ティ・ストアマネジメント㈱) そうすると、この間の石原知事が尖閣諸島を買うという話をしていました。我々素人から見るとカッコいいんですけれども、本当は間違っているんでしょうか。
多田 いや、間違ってない。あれでいいと思います。基本的には一回も領土として誰も所有したことがないんだから、それはおかしいでしょう。日本人がずっとコントロールしていた時以外は、中国人が定住していたことは歴史的にないと思うんです。それはいいと思います。それ以外の問題も含めて、いろいろな理屈をこれから考えていったほうがいいと思います。
沖縄の問題も微妙ですから、難しいですが、日本という国はこれから人口が減っていって、その割には経済領域でいえば世界6位ぐらいの海洋も持っている。それに投じる金すら足りなくなっているので、ちゃんとそれをコントロールする人が主権を持っていいのではないかと個人的には思っています。

 ここの話は具体的に出ているんですか。韓国と中国をつなぐ話です。
(図93)

多田 ここは計画があって、試掘までやっていたんです。こちらに威海衛という山東半島の先っぽがある。でも、ちょっと待てということで中座しています。ここまでできているので、わざわざこんなに難工事をしなくても、今の金正恩さんという若い人が発想を変えればいい。あのままだったら飢え死にするばかりです。アメリカが入ればいいのかどうかわかりませんが、今の北朝鮮の人口を、中国と韓国と日本が協力すれば吸収できてしまうんです。中国も人口がもう少しで頭打ちになる。しかも、若い人が足りない。韓国は日本以上に少子高齢化です。誰がどうするではなくて、歴史的な必然として、北朝鮮の若い人が将来どうなるかというと、韓国と中国と日本に吸収されていく。どういうきっかけでどうなるかはわかりませんが。
飛鳥時代に朝鮮半島で大動乱があった時に追い出された人は日本と中国に吸収されたんです。日本の貴族のかなりの部分は半島系の人が多いということは歴史をたどればわかる。京都の学者が書いている古代日本と朝鮮の関係の本を読めば、日本の武家の大部分は朝鮮半島の武家の一部。藤原氏は朝鮮半島の王族の王子だった。これだけ近い場所ですから、動乱が起こって困れば親戚の方に逃げていくのと同じように、民族的に一番親戚関係にあるのは韓国と日本と中国です。今は破綻直前ですから、それぞれの国がある日突然そうしようかということになるかもしれません。これも何の根拠づけもなく、この鉄道ができるということと同様に、20~30年の間には起こるのではないかと私は思っています。
変にアメリカに関与してもらわないほうがスムーズに起こるかもしれない。血ですから。理屈ではないと思います。

 日本と韓国というのはまだ全然……。

多田 これは九州で名もない民間の人で試掘している人がいるらしいです。

 まんざら夢ではなくて、実際に考えていらっしゃる方がいるということですね。

多田 それは今の日本の技術でいけば簡単にできますよ。

 ぜひ長生きして見てみたいと思います。

山口((財)電気技術試験センター) 今日のお話については、私も全面的に賛成で、心から応援したい心境になっております。ただ、福岡と釜山の間を20年以上前からJR九州がジェットフォイルを走らせて2時間50分で行っていますので、そういうものを利用する手もまずあると思います。
それと、今、絵をかかれているところはすべて技術的には問題ないと思うんです。青函トンネルを掘ったり、トルコを掘ったりしているぐらいですから。日本で一番残念なのは、東海道新幹線はすごいスピードでつくったのに、今残っている新幹線、北海道にしても、長崎にしても、北陸にしても、わざわざ10年も20年もかかっていて、遅々として進めようとしないわけです。これは何故かというと、国家財政が破綻、厳しい情勢になっていて、国はお金を出せませんよということです。開発方式の中で、資金をどういうふうに集めて採算をとるか。国や地方公共団体ではなくて、まさに民間的知恵で、こういう開発方式なら簡単にできますよということを具体的に提案しないと進みません。ビジョンは誰でも描ける、技術もある。そこのところを応援したい私らから言うと、皆さんのご経験を踏まえて、新たにこういう資金調達方式、こういう開発方式があると提案していただきたい。尖閣諸島を買うと言ったら5億円集まったとありましたので、民間も国民も、場合によったら我々も資金面でも何か協力したいなという気持ちですので、そういう人はたくさんいると思うんです。是非そういうお知恵を拝借したい。

多田 やや生煮えな回答を1つします。今定期借地権という方法が少しずつ増えてきております。50年ぐらいの定期借地権のマンションが売り出されています。100年定期借地権というものをつくって、政府の土地を100年定期借地権で売り払ってしまう。国は物すごくたくさん土地を持っています。それを100年定期借地権で売り払ってしまえば、それを借りる人がお金を払うわけです。使う側が金を払う。そうすると、地方公共団体も大学も学校もみんな、再有効利用されるように変わる可能性があります。まだ定期借地権自身が半製品で、いろんな試練を経てないので、100%正しいという回答にはなっていません。どの資源もいずれ更改、建てかえ、あるいは大改造が必要で、時代遅れになるというリスクを抱えている。明治以降、永久所有権というものですべての経済が成り立っていますが、これを100年単位の定期借地権で、資産の入れかえをして、設備を更新するという仕組みに変えれば、今過剰に所有している政府や公共の資産が減らされて、それをキャッシュ化して、借金を減らすという仕組みができる可能性があるんです。私も大した学者ではないので、それを理論づけてこうしなさいと言えるほどの立派な頭脳を持っていませんが、可能性としてはあります。
今の資本主義も含めて、すべての仕組みは仕組みですから、ほかの人が納得してそうしようとしていけば成り立つものです。今の日本の借金については、しっかりした頭脳を持って仕組みを考えれば解消する方法は、今の話以外にもあり得る。ただ、今の解決方法は、こちらがあるからといって、健全な状態に戻す努力を怠ることはしてはいけないと思いますけれども、まだ、工夫する余地はいろいろあるという意味の1つの回答として、100年定期借地権というのはあり得るのではないかと個人的には思っております。

山口((財)電気技術試験センター) 国家財政一般についてはそれでいいと思うんですが、福岡と釜山との間のプロジェクトを実現するためのプロジェクトファイナンスはどうですか。

多田 それはあり得ると思います。それは世界の投資家がもしかしたら投資してくれるかもしれません。

山口((財)電気技術試験センター) それをセットで出すと、かなり現実的ですが、絵だけかいていると、何のこっちゃということになってくるんですね。よろしくお願いします。

多田 なるほど。ありがとうございました。

 それではお時間になりましたので、きょうのすばらしいご講演に皆さんの拍手をお願いしたいと思います。(拍手)  以上をもちまして本日のフォーラムを終了させていただきます。ありがとうございました。(了)


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