夢・宇宙遠足だよ、全員集合!

いつも地球のことを考えているやりくり—ぜちゃん。ある日、夢の中で宇宙遠足へ行くことになりました。
旅をしながら、エネルギーの使い方を学んだり、いろいろなまちを見ていくうちに、自分はどういうまちに住みたいのか考えるようになります。

1.夢・宇宙遠足へ出発


【やりくりーぜ】今日は宇宙遠足の日。とっても楽しみだわ。

【やっぴー】みなさん。準備はできていますか。
これから宇宙船に乗って、温暖化を乗り越えようとしている星の生活を見に行きます。まずはあの星に向かいましょう。



2.「エネルギー節約」の星へ


【やりくりーぜ】到着。すごく真っ暗ね。誰もいないようだけど。

【けずる】よーく見てみて。この星はエネルギーをあまり使わないで生活している星だよ。
余計な燃料を使わないように夜でも街中が停電になっているんだ。
食物を運ぶための車や電車も節約の対象だから近所で採れるものしか食べない。だから、庭で野菜を作ることに一生懸命みたい。
この星は新しい技術を開発しないでとにかく節約だけで乗りきろうっていう考え方みたいだね。

【やりくりーぜ】夜、真っ暗なお部屋で冷たいご飯を食べて、テレビを見ないで、お風呂も入らないような生活をしているってこと?!
地球も放っておくとそうなるのかしら・・・。



3.「エネルギー自作」の星へ


【やりくりーぜ】あっという間に次の星ね。この星は明かりがついているから地球と同じような生活をしているのかしら。
 
【けずる】そう見えるかな?この星は、野菜や果物をつくるのと同じように、自分が使うエネルギーは自分で毎日作っている。
家の明かりやテレビ、料理をするときも、自分で作ったエネルギーを使っているんだ。
だから、みんな、家の上に太陽光発電パネルや風力発電装置をつけたり、お庭で家畜を育ててバイオマスエネルギーを作ったりしている。
天気が悪くなったりして生活に必要なエネルギーが足りなくなったら家族で交代しながら発電しているんだ。

【やりくりーぜ】必要なエネルギーを自分の家で作ることができていいけど、エネルギーが足りなくなったときは隣の家から分けてもらったり、どこかでたくさんのエネルギーを作っていてそれも使えたりするともっといいのにね。



4.窓の外には打ち上げ太陽光パネルが


【やりくり—ぜ】次はどんな星かしら。わー、大きな鏡。けずる君、窓の外に見える大きな鏡はなに?

【けずる】あれは鏡じゃなくて太陽光パネル。ものすごく大きな面積のパネルを宇宙に打ち上げて、太陽からもらったエネルギーで電気を作っている。そして、それを電波にして星へ送っているんだ。地上でパネルを設置できる場所は限られているけど、宇宙ならばいくらでも大きなパネルを設置できるから必要なだけ発電できるんだ。



5.「エネルギー使いたい放題」の星へ


【やりくりーぜ】次の星に到着ね。ずいぶん、きらびやかな星ね。

【けずる】この星は宇宙にあるパネルのおかげで、エネルギーを全てまかなえている。二酸化炭素を出さずに、好きなだけエネルギーを使っているんだ。星じゅうネオンで溢れていて、いつでもお風呂に入れるし、自動車も一人1台ずつある。まちを歩く必要がないから、歩いて楽しいまちにする必要もないね。

【けずる】ここでは誰もが車を使うから渋滞がひどい。この星では、通勤に片道4時間もかかって、1日8時間も車の中で過ごしているんだ。しかも、お風呂やクーラー、車の使いすぎで、まち全体が暑くなってしまっている。

【やりくりーぜ】1日8時間も車の中なの?暑くて外で遊ぶこともできないの?なんだかすごく不健康みたい。エネルギーをたくさん使えることは便利でいいんだけど、本当にこれでいいのかしら・・・。



6.夢だった
 

【やりくりーぜ】夢だったわ。いろいろな星を見学できて面白かったわ。温暖化問題をそれぞれの方法で乗り越えようとしていて、とてもステキだったし。だけど、どの星も少し極端すぎたかな。生活するためのエネルギーは大切だけど、元気で楽しい暮らしも同じくらい大切だと思うの。わたし、どういう暮らしが一番幸せなのか、これからよく考えてみたいわ。