Nakajima Yukie
建物の価値を測る上で、省エネルギーや低炭素などの環境負荷削減効果は「目に見える価値」として定量化されてきました。その一方で快適性や健康性、知的生産性の向上といった漠然とした効果は、数値化して比較することが難しいものとしてこれまで突っ込んだ議論はなされていませんでした。しかしながら、こうした「目に見えない価値」を定量化しようという機運は年々高まっており、評価手法の開発が進むと同時にESG投資が活発化しています。
最近ではCOVID-19の感染拡大で一気に普及したテレワークやサテライトオフィスの活用が私たちに新しい働き方の実現をもたらしたと同時に、従来のオフィス空間のあり方を見直す大きなきっかけとなりました。ワーカーのモチベーションやクリエイティブな発想を引き出すための、新しいオフィスのカタチが求められていますが、これも建築環境の「目に見えない価値」の1つであると考えます。
建築環境の価値を最大限高めるために、こうした「目に見えない価値」をどうやって「目に見える価値」に変えていくのか…お客様のニーズに応えながら、知恵を絞っていきたいと思います。