→日建グループへ





 PDF版はこちらです→ pdf


(図63)

 

 

 

 

 

 

 


 もう1つは、、和光小学校という世田谷の私立小学校です。世田谷校舎は和光の発祥の地でもあります。ここの改築は、北校舎は残し、南側の低学年棟と特別教室棟、幼稚園、体育館を増築する計画です。
ここでも、先ほどのように、全部の空間を室内化することはしないで、できるだけ外部をうまくつくろう。あわよくば真ん中にありますグラウンドも室内だと思えるような空間づくりはないだろうかと考えたのです。さまざまな外部空間がありますが、本当の内部、内(うち)的な内(うち)から言いますと、外(そと)的な内部空間、内(うち)的な外部空間、それから外(そと)的な外(そと)という、幾つかの中間的な空間が外と内とに存在します。この廊下の外側にはポリカーボネートでつくられた雨戸があり、全部あけると廊下があけ放たれて外部廊下という格好になります。閉めれば内部化することも可能です。こうしますと、内部の教室の子どもたちの活動が外までにじみ出てくるということになります。
ここからさらに外側にあります屋外のグラウンドにいる子どもたちと廊下の子どもたちとは、いろいろな交流、話しかけができますので、そういうことを目論んで、このグラウンドを2階のレベルの廊下が一周しています。
内部空間は、これは幼稚園ですが、家具によって仕切られるということで、フレキシビリティーが高いものです。音楽室は幼稚園も小学校もみんなが使うものとして、ちょうど敷地の角に建っていて象徴的な形をしています。円形ですが、音響は、安岡正人先生と議論して、小さい部分でもすべて反射の方向を向くようなディテールでデザインしています。低学年棟の教室は、廊下の次に教室がありますが、さらに奥にオープンスペースがあります。そこにはトイレもあり、和室もあり、いろいろな空間がつくられていて、そこで教室の中とは違うさまざまな活動ができるようになっています。

(図64) 

 

 

 

 

 

 

 

 

木造の病院を今北海道でやっています。先ほど言いましたように、病院ならば木造は2階建てでもできるということで、ここでは木造でつくっています。さらに温泉の熱を利用して、カスケードで温泉の60度の熱を5度まで絞り尽くすようにエネルギーとして使っていこうということで、全体として60%以上のエネルギーを減らすことを考えています。
(図65)
長崎の諫早の森山というところで、もともと町役場をつくる計画でしたが、結果的に諫早と合併したために、保健センターと公園を設計しました。いろいろな行政の矛盾がありますが、地場産材を使いなさいということが木造の場合は多いのです。ところが、長崎県は林産県ではありません。長崎県で補助金をあげるから地場産材を使えと言われて、大村に杉林があるくらいで、それも3寸5分の住宅用の4メートル物しかありませんでした。


        10 11 12 13 14 15
copyright 2012 NIKKEN SEKKEI LTD All Rights Reserved