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「コレド室町」の1階にかつおびしの「にんべん」さんがあります。3年ぐらいずっと、かつおぶしをどうやって普及させるか、かつおぶしビジネスをどうするか、世の中のお客さんにどれだけ喜んでもらえるかを考えてきました。そこで「これから日本橋に来る人は高齢者がいっぱいいるんじゃないですか」ということで、うちのスタッフと「にんべん」さんのスタッフで考えた目玉です。
(図140)
 ここでは、かつおぶしのだしを、1杯100円で飲むことができます。350円のものもありますが、こちらは余り売れません。100円のものは10月のオープンから毎日に1000杯売っています。
(図141)
 こういう小さな商売のお手伝いをしていますと、日常の一般の方々や我々みたいな人間の生活感覚がすごくわかるんですね。玉川高島屋のシャネルやエルメスが日常といかに離れているかと感じるところがあります。
(図142)
 「日本橋を渡れば和の別世界」ということで、今、三越の新館は、日本製の文化、歴史の情報を提供し、商品を提供し、伝統文化の継承する何かを伝える、そういうパビリオンにしてほしいなと思うんですね。中央通りがありまして、福徳神社という神社が約130坪できます。この後ろに公園が250坪ぐらいできます。神社ができますと仲見世が川までできるんですね。これもまた新しいまちづくりのありようかなと思うんです。この容積は横とか前に飛ばしているというものであります。
(図143)
 これは神社をつくるのであれば、500年ぐらい前からあったような神社のほうがいいんじゃないかという絵であります。
(図144)
 この絵をもとにしながら進んでいます。あと4年ぐらいしたらできるようです。
(図145)
 これは、コレド室町の横にたばこを吸っている人がたくさんいるところです。たばこ広場になって、非常に汚らしい広場です。歩道も、不愉快な、汚らしいものです。ここに吉野屋さんがあります。この辺を美しくしたらいいのになと思っています。
(図146)
 吉野屋さんというのは明治からあるというコマーシャルをやっています。ここの吉野屋さんを昔の風情をにしてもらえば、「日本橋を渡れば和の別世界」に一役買ってもらえるのではないですかという提案を今しているところであります。
(図147)
 これは吉野屋さんのコマーシャルです。
(図148)
 コマーシャルよりも、実体があったほうがコマーシャルになるんですね。メディアの活用の仕方、メディアの考え方というものがどんどんIT化され、ネット化されていくと、PRやプロモーションのありようはこれからは全く違うものになるだろうと思うんです。日本で発信されたものが、ニューヨークやモスクワ、ロンドンから逆にまた輸入をされるという時代になっていると思います。
 熊本でも、熊本を考えろと、市長と知事と地元財界にいわれた。熊本というのはお城があるんですが、お城の中に熊本があるんだと考えられないだろうか。そこで、「熊本城うずる庭園」というのを考えて、市から若干の予算をもらいました。
(図149)
 これがお城です。熊本というのは細い何百メートル、1キロもない間にまちがあるんです。お城を出て、約600メートルぐらい。この道を車を通さずに庭園にするということを市は考えていました。それならその庭園をどういうふうにしたらいいのかということを今提案しているところです。
(図150)
 これは、皇居前の公園です。すばらしいと思います。
(図151)
 これは、熊本の二の丸公園。これもまたすばらしい。
(図152)
 シンボルロードといっていますが、この400メートルに展開したらどうなるのか。
(図153)
 こういうふうにしたらどうかということを提案しています。
(図154)
 博多-熊本が30分で行き来できるようになっています。だから、熊本は熊本らしくないと生きていけないだろうと思います。
僕はもともと下町風の人間なものですから、青山で遊んでいるよりも、浅草で遊んでいるほうが楽しいなと思っています。今回、日建設計さんが設計されているスカイツリーなんかもあって、下町に行く機会がすごく多いものですから、下町全体を考えたい。僕の場合は頼まれてない仕事を勝手にやっているという感じです。そのうちにだれかが賛同してくれて、やろうかというラッキーな場合もあります。
(図155)
 スカイツリーから見たら花火は下に見えるという新時代だと思います。日本製を楽しむというので、日本橋を考える前から、フランス料理よりも寿司のほうがいいし、ワインより日本酒のほうがいいしと考えると、青山より下町のほうがずっと楽しいと思っていました。人間の交わり方、情緒感みたいなものがいい。下町の人はすごく働いている。山の手の人は余り働いてないんです。お父さんが出ていって、給料をもらってくるけど、何をしているかわからない。下町の人は、職人さんなんかもそうですけれども、どうやって「働いて自分を育ててくれているのかというのがよくわかる場面が多いと思うんです。そういう意味で、青山より下町のほうがいい、オペラより歌舞伎のほうがいい、ずっと下のほうがいいな、いいなと思っています。
(図156)
 山の手から下町へということを考えていると、幸田露伴の本を読んだのですが、下町は福を分けてきたから長くもっていると思うんです。福をひとり占めすると、ろくなことがないと思うんです。次の福を植えないといけないと思うんです。この前もJRの方と話をしていましたが、JRにショッピングセンターをつくると、ひとり勝ちになるんですね。「福をもっと分けたほうがいいんじゃないですか。それでないと自分は栄えるけど、周りのまちは皆死ぬということになりはしませんか」という話をしておりました。
(図157)
 経済中心でずっと来ましたが、文化のほうに比重が重くなってきて、文化が栄えると経済も栄えるようになっていっているなと思います。
(図158)
 隅田川で見てみますと、アサヒビールからスカイツリーまで1キロないんですね。そして、浅草寺まで30~40分で歩けるんですね。ところが、まち全体を考えている人はあまりいないんです。
(図159)
 公園なんかもこういう公園です。ホームレスの人を追い払うと、あとはホモの人が集まるまちになっているらしいです。これをもっと活用しないともったいないと思うんです。

 

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