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転倒・大腿骨骨折をした高齢者の住宅改修事例 住宅改修における アドバイザーと改修内容について

本研究は、転倒により大腿骨骨折という大きな怪我をした高齢者の住宅について、改修の内容や誰がアドバイスしたかを調査し、転倒後も自宅で住み続けられる住宅改修に関する知見を得ることを目的としました。

高齢期における転倒は、大きな怪我に繋がる危険性が高く、長期の入院や寝たきり、それに伴う認知能力低下等、高齢者にとって大きな影響を及ぼします。そして、一度転倒をすると再び転倒するリスクも高くなるため、住み慣れた地域や自宅で居住を続けるためには転倒を防ぐ住環境を考える必要があります。

特に持ち家率が高く自宅に長年居住をしている高齢者は、老朽化や古い設計等が原因でバリアフリー化されていない住宅に住んでいることも多く、自宅内での転倒を予防するためには住宅の改修が必要となります。しかし住宅改修には、主に下記の課題があります。

  • 多くの場合多額の費用がかかる
  • 突然発生する転倒への対処として、高齢の家族が退院する前に急に改修をしなければならないケースも多い
  • リハビリ病院からの退院の場合、自宅内の環境を確認するのは建築の専門家ではない医療福祉職である場合が多い


今回の研究では、転倒・大腿骨骨折後入院した高齢の患者さんが、自宅に戻った際に誰のアドバイスでどのような住宅の改修をしたかを追っています。その結果、医療・福祉職(看護師、ケアマネ等)や、建築の専門家(福祉を専門とする地元の設計事務所)、家族がアドバイザーとして改修の意思決定を行っていることが確認されました。建築の専門家でなくても、これまでの経験を生かした改修のアドバイスの実施で再転倒や怪我の予防につながっている事例もありましたが、改修の際の適切なアドバイザーの不在や、アドバイザーがいた場合でも改修に関する知識や情報に偏りがあることも課題として見られました。

従ってこれらの課題の解決には、福祉住環境コーディネーターのような医療や福祉、建築についての幅広い知識を持つ専門家の育成や、転倒についてより有効な対策を記載した国土交通省策定の「住まいの改修ガイドライン」の改訂・現場への普及と介護保険による住宅改修補助との連携といった、国策による転倒予防への対策が重要になると考えられます。

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