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何気ない旅が心得として残る ~聴竹居で感じた風~

担当研究員

  • 山口 峻

    山口 峻

    (元所員)

京都府の大山崎町を訪れた際、環境共生住宅の原点とも称される「聴竹居」の見学に行きました。当初は何気ない気持ちで立ち寄った場所でしたが、そこで感じた涼しい風が、今でも都市や建築を考える技術者としての心得として、私の中に強く残っています。

聴竹居は建築家、藤井厚二氏が設計した自邸です。昭和初期を代表するモダニズム建築で、「環境共生住宅の原点」とも称されています。聴竹居は、藤井氏の環境工学に関する知見を基に、外部からの通風(今で言うクールチューブや自然換気技術)、太陽光の入射角を計算した庇の出などの技術が随所に取り入れられています。加えて、日本の四季の風景、欧米の椅子式ライフスタイル、家事労働を軽減する家電などの融合を目指した、当時の最先端のモデル住宅の一つです。

聴竹居の見学日は天気の良い蒸し暑い夏の日でした。邸内の見学に際して最も驚いたのは、現在も冷房設備が無いのに邸内がほとんど暑くなく、場所によっては冷涼な風さえ感じられたことでした。同僚と冷風の出所を探してまわり、「ここだ!」と興奮気味に小上がりの外部通風口を発見したことを覚えています。その他にも最新の建築でも使用される技術が随所に用いられ、かつそれらが現在も有効に活用されていることに非常に感銘を受けました。

これまでは、技術者として、しばしば目新しい技術に目が行くことが多かった気がしますが、聴竹居の風を感じて以来、私の心得として「気候風土や感性が考慮されているか、古い技術だと見落としているものはないか、その上で新しい技術を取り入れられないか」と考えるに至るようになりました。何気ない旅やそこでの気付きが、その後の考え方に強く影響することを感じた非常に良い経験となりました。また、新たな発見ができるように今日もどこかへ。

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