ある明け方、大きな揺れに目を覚ましました。慌ててつけたテレビで地震が起きたことを知ります。目は冴え、安穏と布団に包まることは出来そうにありません。そんなときふと、本棚に読みかけの本があったことを思い出しました。
【ジュディス・バトラー「アセンブリ」】
多かれ少なかれ私たちは皆弱者である、というのが本書におけるバトラーの指摘の一つです。豊かな都市は普段私にそれを意識させませんが、しかしまさにその都市が、私たち皆をして弱者であると感ぜしむ瞬間—早朝の地震に限らずーはないでしょうか。
都市に携わる者として、まちは人々を恐れさせ、傷つけるかもしれない、その事実から目を背けることは許されません。だから私たちは良い都市をつくらなければならないのだと、明にそう悟りました。
"If I am to lead a good life, it will be a life lived with others."
「アセンブリ」最終章のこの一文に深い共感を覚えます。良い都市というものがあるとすれば、それは誰かと共に生きられた都市ではないかと思います。どうすれば人々が共に生きられるまちをつくれるか、日々その問を問い、研究し、実践を繰り返しています。