
オランダ北ホラント州の上席政策担当官(モビリティ分野)であるPaul Chorusさんが来日された機会を頂いて、オランダと日本のモビリティハブの現況と課題について意見交換を行いました。
以前から日建設計総合研究所(NSRI)とお付き合いのある、オランダ、北ホラント州のモビリティ分野の上級政策担当官(senior policy officer)のPaul Chorusさんが来日されました。Paul Chorusさんは、博士課程在籍時に東京大学にて日本のTOD(Transit Oriented Development:公共交通志向型開発)の研究をされていたこともあり、現在でも日本国内の都市計画・まちづくり等にも高い興味をお持ちになっている方です。そんな方と意見交換できる貴重な時間を今枝研究員、藤原研究員と共有しました。意見交換は、相互から情報提供を行う形で実施しました。

Paulさんからは、主に北オランダにおけるモビリティハブに関する施策や取り組み、その課題等についてお話し頂きました。モビリティハブとは、電車・バス・自転車・自動車など様々なモビリティの乗り換えを行うとともに、駐車・駐輪場や充電施設、店舗などが複合した施設を指し、街なかにおける無秩序な渋滞等の軽減や公共交通を中心としたまちづくりに寄与するものとされています。北オランダでは、都市化の度合い(中心部か郊外部か)やハブへのアクセス性(近隣~地域間移動など)に応じて、モビリティハブのヒエラルキーを設定しており、その考え方に基づいて多くのモビリティハブが計画され、そのうちのいくつかは実際に整備されています。

NSRIからも、日本国内におけるモビリティハブに係る施策や事例等を紹介しました。今後の普及に向けて、整備主体や持続可能な仕組みについては、日本・オランダで共通する課題として活発なディスカッションが行われました。
これらのディスカッションを通じて、特にモビリティハブの普及に向けた共通課題(整備主体や持続的な仕組み)などについて再認識でき、貴重な機会となりました。