
台湾・高雄市内での会議にあわせ、市内各地を視察しました。高雄市では、公共空間とシンボリックなランドマークを活かした駅周辺のまちづくり、産業遺産の文化・交流拠点への転換、港湾部の低未利用地の再編など、様々な形の都市再生が行われています。

高雄駅で目を引いたのは中心駅としての壮大なスケール、未来志向的で洗練されたデザインです。「公園の中の駅」というコンセプトが具現化されていました。広い構内や周辺空間からは都市全体の交通結節点としての存在感が感じられ、新たなランドマークとなっています。

衛武営国家芸術文化中心が建つ場所は、かつて軍事訓練場として使われ、市民が自由に立ち入ることのできない空間でした。その後、公園として開放され、現在ではオペラハウスやコンサートホールなどを備えた文化拠点へと生まれ変わりました。施設の内外に人が滞在できる余白があり、市民の日常的な活動や交流を生み出す都市空間として機能していることが印象的でした。

哈瑪星鉄道文化園区では、旧鉄道施設の歴史的な産業インフラが市民に開かれた公共空間として活用されています。広い芝生広場に昔の線路、展示車両などが配置され、鉄道の記憶を残しながら、散策や休憩、イベントなど様々なアクティビティができる空間として生まれ変わりました。

駁二アート特区は、港湾倉庫群のリノベーションによる、アート・文化・商業が融合した創造的なウォーターフロント空間です。かつての港湾・産業空間が、アート、買い物や食事、散策、イベントまで楽しめる複合的な文化・交流拠点へと様変わりしています。

新湾区では商業、業務、文化、居住など多様な都市機能の集積が進んでおり、現在も開発が進行中です。「アジア新湾区2.0」として、AIやIoT等の産業集積を進める方向性も示されています。高雄市が産業・文化・ウォーターフロントを一体的に再編していく道のりに今後も注目です。



