研究員を知る

People

日建設計総合研究所に所属する都市や環境の専門家をご紹介します。

取り組み / 事例紹介

Works

日建設計総合研究所の取り組んできた実績についてご紹介します。

コラム / ナレッジ

Ideas

日建設計総合研究所の自主研究から発展した
プロジェクトや現在進行中の様々な先進的取り組み、調査結果をご紹介します。

事業内容を知る

Services

日建設計総合研究所が取り組む、都市と環境に関する事業内容についてご紹介します。

採用情報について

Recruit

日建設計総合研究所の新卒採用・キャリア採用に関する
情報や取り組みをまとめています。

私たちについて

About

私たちは、都市デザインと建築環境に関するエンジニアリングの融合のもと
「持続可能な社会の構築」を目指して活動しています。

エネルギーマネジメント カーボンニュートラル・GX

建築物ホールライフカーボンとは何か
— Annex89から見える世界と日本の現在地

近年、建築分野ではホールライフカーボンへの関心が高まっています。本勉強会では、IEA EBC Annex89に日本として初めて参加した新藤 幹 氏を講師に迎え、国際動向と 日本の現状を学びました。

ホールライフカーボン(Whole Life Carbon、以下「WLC」とする)は、建築物のライフサイクル全体(資材製造、建設、使用、改修、解体、リサイクル)にわたるCO₂排出量を評価する考え方です。従来は運用時の省エネが中心でしたが、再生可能エネルギーの普及が進み、電力がゼロエミッション化した場合には、建設段階や資材製造に起因する「エンボディドカーボン」の割合が増加します(例:北欧では約80%)。そのため、エンボディドカーボン対策の重要性が一層高まっています。

欧州では、国ごとに制度の範囲や内容が異なりますが、建築物のライフサイクルを資材製造、建設、使用、改修、解体、リサイクルといった各段階に分けて、それぞれに対して上限値の設定や気候宣言(届出制度)が進められています。たとえば、デンマークやフランスは建設段階から廃棄・リサイクルまで広く上限値を設けており、スウェーデンやノルウェーでは気候宣言を中心とした制度が導入されています。

IEA EBC Annex89は、建築物のWLCをネットゼロにするための国際共同研究プロジェクトであり、欧州を中心とした最新動向や制度設計の議論に加わっています。2025年11月にトロンハイムで開催された第5回全体ミーティングでは、日本として初めて対面で参加し、日本での取り組みやWLCに関する検討状況について情報発信を行いました。二日間の会議では、Annex89内に設けられた4つのサブタスクごとにセッションが設けられ、進捗報告や、評価期間、届出のタイミング、モジュールD(リサイクル・再利用)の扱い、炭素貯蔵やダイナミックLCAの是非などが議論されました。

日本では、2028年度以降を目途にWLC算定・届出制度の導入が検討されています。国土交通省を中心に「建築物のライフサイクルカーボンの算定・評価等を促進する制度に関する検討会」が設置され、制度設計が進められています。現時点では、欧州のような上限値規制には至っていませんが、国際動向を踏まえた包括的な管理体制の構築が進められています。
[講師]
早稲田大学 創造理工学部 建築学科
講師
新藤 幹 氏

よく見られている記事

Popular Articles