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1.メディアの会社で考えたこと

2. メディアは魔法の絨毯のようだ

3.メディアはプロジェクトを動かすドライバーにもなる

4.ささやかでもメディアと現実をつなぐ場の発見

5. メディアに流通/不動産をくっつけたことによるダイナミズム

6.リノベーションの一般化・社会化

7.公共住宅をいかに自由にするか

8.TOOL BOX 住み手に委ねるための空間とシステム

9.エリアコンバージョン 点から面へ/都市計画の方法論

10.イベント(非日常)が次第に日常に還元されていく

11.「新しい郊外」の発見

12.3.11で考えはじめたこと



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リノベーションの一般化・社会化

(図58)
そういうことを試行錯誤していくうちに、リノベーションというのがここ数年少しずつ一般化、社会化していくなという感覚があります。
(図59)
それをすごく実感したのが無印良品とのリノベーションのプロジェクトをやったときです。無印良品はMUJIの家というのをやっています。次に出るMUJIの家は、僕と東北芸工大でつくっていますが、その前段階で、一軒家だけでない、MUJIのリノベをやってみたいという相談が無印良品からありました。そのときに、無印良品がリノベーションを言い出したということは、かなり世の中に定着したことだなと、妙に感慨深かったのを覚えています。
(図60)
普通の64平米のマンションをどうしようか。スタンダードを追求したいというプロジェクトにしました。そこで行き着いたプランです。最小限の手がかりとなる壁をつくることによって空間をつくっていこう。無印良品とのコラボレーションなので、MUJIの家具のスケールがきまっています。あれをついピタッと入れたくなるような壁と棚をつくった。心理用語でギブソンのアフォーダンスという単語があります。人間がついやりたくなる能動的な気持ちをギブソンはアフォーダンスという単語で説明しましたが、アフォーダンスの壁と棚によって構成されたリノベーションです。

 

 

 

 



(図61) スケルトンにして、真ん中に上が全部抜けたL字型の壁、右側にも棚があって、最小限の壁と棚によって成り立っている64平米です。
(図62)
今分譲マンションを買うと、3LDKというと家族が減ろうが増えようが、その間取りに家族が合わせなければいけないわけです。それはおかしいのではないか。家族に合わせて間取りを変える。変えられるプランにしようというのがこのトライアルです。
(図62)
 2人暮らしのときはこんな感じで無印の家具がピタッとはまっています。安い値段で壁全面本棚なんかがやれるようなきっかけのデザインをしています。
(図62)
こんなことをする人はいないと思いますが、パーティ好きの人。もちろん棚がかけられるように全部バーッと壁にすることも可能です。
(図63)
下地材だけ入れておいて、5~6万で壁をつくって部屋にすることもできます。外すこともできます。
(図64)
これを買ってくれた人はまさにこういう使い方で、2人暮らし(DINKS)のときに買って、子どもができて、違う形で住んでいる写真を送ってくれます。自分の生活に合わせて自分の間取りを楽しみながら変えていけるというプランを提案してみました。

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